北村直也『電車の中でのふとした出来事』を語る② 〜 日本人のマインド
北村直也さんがFMラジオ「ムービーボヤージュ」で引き続き『電車の中でのふとした出来事』について語っていました。
(町田和美)ほんとよくその感覚わかります。共感しちゃった。そういう温かい出来事ならいいんですけど、迷惑なこと多いじゃないですか、電車の中って。
(北村直也)多いですよ。社会的な実験室みたいなものですからね、電車の車両って。
(テンパープラザ広瀬)実験室?
(北村直也)あれはもう社会的な実験室なんですよ。あれだけの狭い空間で多数の違う人間が、たとえ僅か数分でも一緒にいるわけですから、何か起こって当たり前なんですよ。何か起こるのが前提って考えておいた方がいいですよ。
(町田和美)そういうことかぁ。そりゃそうだよね。
(北村直也)そうなんですよ。広ポンは迷惑かけてないですか?電車で、他人様に。
(テンパープラザ広瀬)かけてないですよ!何言ってんですか(笑)俺いつもめっちゃ静かにしてますよ。
(町田和美)知らず知らずのうちにねぇ、人って迷惑かけてますからね。
(北村直也)前なんですけど、ある事件がありましてね。
(町田和美)事件?
(北村直也)これも親子の話なんですけど、親子が立って、電車にゆられてましてね。母親はつり革に捕まって二人で並んで立ってるみたいな。
(テンパープラザ広瀬)はいはい。
(北村直也)で、停車駅に電車が止まるか止まらないかの時くらいに、子供が立ちながら吐いちゃったんですね。
(町田和美)うわー、やっちゃった。
(テンパープラザ広瀬)大変だ。
(北村直也)しかもそれが前にこっち向きで座っている年配の男性の足とかカバンに掛かっちゃうくらいな感じでしてね。
(町田和美)え、、、、
(北村直也)で、その子供の母親は、電車が自分の降りなきゃいけない駅に停まったってことで、「ごめんなさい!」ってだけ言い残して、子供の手を強引に引っ張って、電車を降りて行っちゃったんですよ。
(テンパープラザ広瀬)え、、俺、ほんっとそいつ許せない。なんだよ母親のくせに。
(町田和美)絶句だわ。被害にあった人とかカンカンだったんじゃないですか?
(北村直也)そのあと、すごい展開だったんですよ。まず、時間が一瞬止まりました。そりゃそうですよ。みんな頭を整理しないといけないじゃないですか。もうね、ドラえもんの未来の道具「タンマウオッチ」をそこで押されたみたいな感じですよ。
(町田和美)え、それで?
(北村直也)で、その止まった「時」が動きだしたんですけど、その解除のボタンが、被害にあったおじさんの言葉だったんですが、「えらいことしよんな。」なんです。
(テンパープラザ広瀬)怒ったとかじゃなく?
(北村直也)そりゃ怒ったんでしょうけれど、まず出てきた言葉が「えらいことしよんな」これ関西弁なんですが、訳すと「とんでもないことするね。」だと思うんですけども。
(テンパープラザ広瀬)落ち着いてたんだ。
(北村直也)もちろん、その人が人間の出来たガンジーだったとかってそういう話でもないんですけど、ぼそっと呟いたことばが単にそれがトリガーになって、みんなハッと我に戻ったんですよ。
(町田和美)ふんふん。
(北村直也)すごかったんですよ。動きだした後のみんなの動きが。一斉に自分のカバンに手を突っ込んで、テッシュを取り出して、「これ使って下さい」「これ使って下さい」って、おじさんに差し出したんですよ。みんな一斉に動きだしたんです。もうおじさんのまわり、優しいテッシュだらけなんですよ。
(テンパープラザ広瀬)うーわ、すげぇ。
(北村直也)男性も女性ももう関係ないんです。なかには立ち上がって、床の汚物の上に新聞を敷く人とか、一緒になってふいてあげる人とかまでいるんですよ。
(町田和美)素敵!!
(北村直也)僕もうびっくりして。その瞬間、「日本、全然死んで無ぇ!」って思いましたよ。
(テンパープラザ広瀬)ほんとだ!
(北村直也)結果的にハッピーエンドかどうかは難しいところですが、被害にあったおじさんも「ありがとう、ありがとう」ってみんなに御礼言って、ちょっとは救われた感じですよね。
(町田和美)なんか北村さんが社会的な実験室って言った理由がいまわかった。
(北村直也)あんまり頻繁にあってほしくはないですけども(笑)
<書き起こし終わり>
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