元芸人と元AV助監督の交換日記#3 「ちょっと真面目な話」(いのり)
もう3回目の日記だ。長い間お世話になっている先輩と「文章」で会話するというのはなんだか不思議な気分だ。人並みの表現だけれどこうとしか言い用がない。
先輩から早速、「交換日記」の目的を聞かれてしまった。困った。何せ「目的」なんてないからだ。だけれどお互いに思っていたことがある。
交換日記を始めるきっかけは、「何かしたいよなあ」ということだった。別にこれまで何もしてこなかった訳ではない。「YouTubeをしようか、ラジオでもやってみようか。」こんな話を頻繁にしていた。実際に企画書も作ったし、コーナーも先輩と考えたりもした。どれもワクワクしたし、やっと「何か」をすることができると思っていた。だけど、どこか「芯を食っていない」感じを僕は感じていた。
僕らの関係の中で絶対に譲れない共通点がある。それは「お笑い」が好きということ。ここで読者に言っておきたいことがある。「お笑いが好き」と言っても、お笑い芸人の真似事をするのが好きいうことではない。(別に読者なんていないけど)
先輩は芸人に。僕はAV監督になりたい。大学を卒業する頃そう思っていたし、なれると思っていた。けれど、現実は全然違うものになった。
なんだかんだ言って始まりは「お笑い」だった。学祭や定期のライブ。そこでとにかくネタを披露した。そうやってネタを書く日がずっと続いた。「ネタ」を書くことで何かを発散した。だけど、卒業した瞬間に「ネタ」を書く時間を失った。
ああ。書くことがあり過ぎて頭がこんがらかってしまう。だけれど、僕らが表現できる手段は「お笑い」しかなかった。最近になって気づいたことだ。(僕は色々あってAV監督を目指したけれど)
世の中には音楽や映像、YouTube。「お笑い」以外に表現する方法はたくさんある。だけれど、僕らは「お笑い」でしか表現することしか知らない。仮に他の表現方法を知ったとしても、「お笑い」を選んでいたと思う。
芸人を辞めた先輩。AVの道を諦めた僕。今僕たちは「手段」を失っている。だけど、何かを表現したくてウズウズしている。そんな中で始めた交換日記だった。先輩。もしかすると目的はこれかもしれません。今後「ウズウズ」が消えて行くかもしれないし、新しい「手段」を見つけることができるかもしれない。そうなるまでの「ウズウズ」の生贄になること。これが交換日記の目的かもしれないです。
P.S. 先輩はもしお笑いのほかになにかするとしたら何をしたかったですか?あと、芸人を辞めた時に「辞めたんだ」と思った瞬間はどんな時でしたか?