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ざらめ

 そこは夜になると ネズミがちょろつく戸建ての借家
じいちゃんはよく鼻をかまれてたっけ…
【貧乏】と言う単語がよくお似合いの家
今回は幼い頃の昼食のお話を少しだけ書きたいです

3歳の時の記憶
学年3つ上の兄は幼稚園に毎日元気に通っていた
私はお金がなく後に年長さんにだけ通わせてもらった
日中は毎日ばあちゃんと過ごす 
お昼時ばあちゃんは「昼だな」と言う
私はと言えば「今日はどっちだろ…」
不安とドキドキの半分半分

 1つ目
片栗粉をお湯でといた葛湯の様なもの
(様な)というのはその葛湯とやらに砂糖は入っておらず、ただの変な味のお湯だから
我が家ではそれを『のり』と言っていた
でも腹持ちはする
 2つ目
ここで登場しますが、あのコーヒーに入れる『ざらめ』
それを3歳の小さな手のひらにコーヒーの砂糖スプーン一杯だけをサラリと盛ってくれるだけ
これは全く腹持ちはしない
でも甘い物を与えられていなかった私には魅力たっぷり

こういった生活は大人になればおかしな話、今で言うネグレクトかもしれないが、他の家の昼食を知らない私には当たり前だった…
私の昼食は大体この二つのどちらかで大半は『のり』だった

そして痩せっぽっちの私はどちらかと言うと、最高に甘い 贅沢な味の『ざらめ』の方が大好きだった…








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