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【続】〇△◇パズルでSTから教わったこと
ST先生は言葉を続けた。
「あの日、なんで時間通りに来なかったの?」
お「O先生(スーパーバイザー)が、時間になったら、『ST見学の時間よ。行っておいで。』っていう指示があると思って…。だから、実習に夢中になってて、時間が過ぎてしまいました。」
ST「なるほどね。確かに、あなたは実習生だし、Oさんは指導者な訳だから、実習生の行動に関しては、Oさんは責任を持たないといけない部分はある。だから、おつさんに対して、『おつ君、ST見学の時間だから、行っておいで。』と促さないといけなかったとは思う。でも、あなたの『バイザーから指示があるに違いない。』というのも、思い込みだよ。あなたの学びの場なんだから、おつさんの方からOさん(スーパーバイザー)に『すみません、ST見学の時間になったので、行ってもいいですか?』っていうアクション起こしてもよかったよね?」
ST「俺が見ててさ、おつさん、OTやPTの先生と、なんかうまくいってないよな、って思ってたの。きっとさ、おつさんのそういう思い込みが、先生達とのズレを生んだんじゃないかな?」
ST「そういう思い込みって、これから患者さんと関わっていく中で、影響してくると思うよ。先生達との人間関係と、患者さんとの人間関係と、基本、人間関係という点では同じだから。」
そう言うと、ST先生は、ニコニコしながら続けた。
ST「…だけどさ、おつさん、今日来たじゃん?俺のこと、怖いと思ってるのに来たよね。」
ST「そういう、『怖いけど、一歩踏み出す』っていう部分も、患者さんには伝わると思うよ。」
この実習地に来て、僕が初めて触れた褒め言葉だった。
涙が出るほどうれしかった。
怖くて、できれば避けて通りたいと思っていた、ST先生。
なのに、感じた親近感。
それは、公平に僕を見てくれていたST先生の視線の中に感じた、優しさだったのかも知れない、と今にして思う。
(続く)