「赤き龍へ贈る花冠」(異格リードモジュールテキスト)
リードは闇の中を手探りしながら慎ましやかに髪を梳き、そして再び胸を張って姿勢を正した。
その際彼女は、これまでによく見た夢のことを思い出す。姉が自身の後ろにある影に佇ん でいて、自分の頭に乗せられている重い王冠を見つめている。その王冠を被ることにうしろ めたさを感じるも取り外すことができなかった彼女は、仕方なく炎でそれを融かすことしか できなかった。融けた金属が彼女の頬を伝って流れ落ちる。とてつもなく熱いが、冷たい紫 の炎から与えられる安らぎが尚のこと恐ろしかったため、