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【虎に翼 感想】第13話 よねの独白
喧嘩両成敗か
法廷劇のもめ事は、あっさり終了した。
男子学生に突き飛ばされたよねは、仕返しに学生の股間を蹴り上げてしまう。
そこでようやく穂高教授が怒鳴り、お客さんも帰っていった。
(すまない、寅子の件は割愛)
結局、新聞には面白おかしく書かれてしまう。
そうだよね、そもそもあの記者たちが法廷劇を見に来た目的が、きっと、茶化すネタを見つけにきたんだよね…
寅子たちは、学長に「女性らしくしろ」と注意される。処分も下されるとのこと。
男子学生たちはどうなった?描かれなかったけど。
そこは日本で初めて女子に門戸を開いた明律大学、少なくとも突き飛ばした男子だけでも処分が下されたと、当たり前のことだから描かなかったのだと、そう思うことにしました。
よねの独白
ケガをしたよねを、寅子たちは上野のカフェまで送ることにした。
そこで、寅子が早口言葉で止めなければペラペラしゃべっていただろうマスターに先んじて、よねがこれまでの人生を語り出す。
(いろんな事情をかかえた女給たちを見ているマスターからしたら、よねの話は、ほんの1つのエピソードでしかないのでしょうね)
・自分は百姓の次女。
・姉は東京に売られて女郎になった。
・自分も売られそうになったから逃げた。
・髪を短くしてカフェで働き始めた。
・数年後、姉がだまされて、借金でがんじがらめになっていた。
・助けたいと思っていたときに、弁護士に声をかけられた。
知識があるというのは怖いものだ。それをどう使うかが、本人に委ねられてしまうから。
「力になろうか」と近寄る弁護士に対し、金がないと答えるよね。
お金の代わりに求められたのが、「女」だった。
昭和の時代、弁護士というだけで相当な権威である。今と違ってネットでなど探せない。
伝手のないよねに、弁護士のほうから声をかけてくれた…封印していた「女」を出すことは、心臓をえぐり出すくらいのことだったはずだ。
身をもって法を知ることになる。
なんでしょう、いるんでしょうね、こういう、男っぽくしている人の身ぐるみはがして、自分だけがこいつの「女」の部分を知ってるんだぞ!みたいな癖の人。
あわよくば、みたいな。
マスターがそういう人でなかったのが、本当に救いです。
よねの今後が心配
よねが弁護士になったとして、その後が少々心配です。
・・・・・・・・・・
弁護士が置屋から取り返してきたお金を、よねが投げつけるシーンがありました。
「女」を出してまで弁護士に頼ったのに、結局、姉は男を作って出ていった。
「ここまでしたのに」という考えになるのは、とても危険です。
よねの姉は、結局、弁護士が来たことで置屋にいられなくなり、仕事も見つからず、男とどこかへ行ってしまいました。
もしかしたら、お姉さんからしたら、そこまでのことは求めていなかったのかもしれません…
・・・・・・・・・・
また、よねは、結論を早めに出してしまうところがあるように見えます。
現代に置き換えると、裁判が始まってだいぶ経ってから、
「え、本当のところそう思ってたの!?」とか、
「それ、早めに言ってほしかったな」ということは間々あります。
それは決して弁護士の聞き取り不足とは限らず、
依頼者自身が大した問題だと思っていなくて、話さなかった。何気ない会話で出てきて弁護士が気づいた。
また、「こんなことまで話してよいのかな」と委縮してしまい、コミュニケーションがとれるようになってから、やっと話し出す。
ということもあります。
・・・・・・・・・・
自分が出した結論で突き進み、依頼者が望んでいないことまでやってしまわないか。
時代は違えど、依頼者が考えていること、その心の機微をすくい取ってあげられるのかどうか。
今はまだ、よねが弁護士になるのか、違う道を行くのかは不明ですが、今後のよねをずっと見ていきたい。その思いを強くしました。
本日は、寅子たちが上野から無事に帰宅できることを願って終了。
「虎に翼」4/17より
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