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【北欧視察】フィンランドの現代建築

今回は、フィンランド滞在中にめぐった現代建築を紹介します。

①Oodi

ウォーカブルシティの記事でもご紹介したヘルシンキ中央図書館「Oodi」。
2018年にオープンし、2019年の公共図書館アワードを受賞しました。建築デザインは建築事務所ALA Architectsが担当。
1階はインフォメーションカウンター、カフェ、映画館など
2階は多様なクリエイションスペース
3階は蔵書スペース、学習スペースなど

曲線が美しい外観
1階ロビー。1階には柱がなく、橋梁構造によって1階の南北から3階に向けて構造体が伸びていて、2階部分で交差するかたちで建物が支えられている。
パブリックアート「Dedication」
2階のクリエイションスペース。施設を利用する多くの市民の他、視察団とみられる外国人の団体も数組訪れていた。
3階蔵書・学習スペース。車いすの人にも届く背の低い本棚と、仕切りの無い広々とした空間。天井までの高い窓、天井からの採光など、明るく開放感のある空間設計。
蔵書スペースに置かれたバブルチェアに収まれば、もはや動きたくなくなる
各所にかわいいデザイン。上段は車いす用スロープになっている


②テンペリアウキオ教会

スリット状に並べられた天窓で大きな円盤状の屋根を支えている

氷河期から残る天然石をくりぬいて作られた教会。第二次世界大戦後に行われたデザインコンペでスオマライネン兄弟の設計が選ばれ、1968年に完成。

教会内の壁はくりぬいた岩盤がそのまま使われていて、音響効果に優れている
ちょうど聖歌隊の練習が始まって、素晴らしい音響を堪能することができた


③ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)

アメリカ人建築家スティーブン・ホール氏の代表作。1992年のコンペで選ばれ、1998年に完成。「キアズマ」の名は交差地点(特に視神経の交差部分)を意味するchiasmに由来する。

フィンランド・ナショナル・ギャラリーのコレクションのうち、現代美術作品を収蔵・展示している。


④フィンランド国立ガラス博物館

フィンランドのガラスデザインとガラスの歴史に焦点を当てた国立美術館。リノベーション設計はタピオ・ヴィルカラ。

リーヒマキという地方都市の、緑豊かな場所にある
蔦草が美しい
建物の一部にレストランが併設されている
レストランの内部
フィンランドの伝統料理が食べられる


⑤Amos Rex

フィンランドの慈善家・アートコレクター・実業家として知られるアモス・アンダーソン氏(1878-1961)の遺贈により設計された、アモス・アンダーソン美術館の活動を引き継ぎ、2018年に建てられた。ヘルシンキを拠点に活動するJKMMアーキテクツが設計。

ラシパラツィ広場を建築のない状態で保存しなければいけないというミッションがあって、そのためにこの美術館は地下に造られた。なので上が広場、地下が美術館になっている。
インフォメーションホールの天井。採光用の窓と天井装飾が美しい
広場を維持しつつ、地下の展示室に太陽光を取り入れるというミッションを見事にクリアしている
上のラシパラツィ広場。このガラス窓からのぞくと、地下の展示室のお客さんと目があったりする
ラシパラツィ広場を保存しなければいけなかった理由がこれ。19世紀に建てられた新古典主義様式の兵舎。この兵舎を保存するうえで、かつての軍事パレード場であったこの広場も残さないといけなかった。


⑥アカデミア書店

ポホヨイ・エスプラナーディ通りのストックマン・デパートの向かいにある

20世紀を代表するモダニズム建築家アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)が、1969年に設計しました。フィンランド国内最大の書店で、2階の一角には、この書店を設計したフィンランドの巨匠アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)の名前のついたカフェがあります。

店内の様子
天窓のデザインが美しい
2階の一角にある「カフェ・アアルト」
カフェ内の様子
この日はサーモンパイをいただいた
アカデミア書店では「ムーミン谷の冬」を購入


⑦アアルト大学

イノベーションエコシステムを学ぶため訪れたアアルト大学にも、アルヴァ・アアルトの設計した建築がありました。ヘルシンキ工科大学は彼の出身大学で、1949年のコンペでそのキャンパスとオタニエミの全体計画を獲得しました。その後2010年に、ヘルシンキ工科大学・ヘルシンキ経済大学・ヘルシンキ芸術デザイン大学が統合され、アアルト大学の名称となりました。

広大な敷地に(というか街?)レンガ造りの建物が並んでいる
アアルトデザインのホール
図書館
図書館内
カウンター
天井の採光
自習スペース
カウンター
1階からの吹き抜け
バブルチェアが下がっているスペース
寝そべることができるスペースも
アート学部
コンピュータサイエンス学部
コンピュータサイエンス学部の内部
コンピュータサイエンス学部の内部


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