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医療崩壊のはじまる年、2025年に新たな決意
いよいよ、日本にとって最大の試練の始まり、2025年がやって来ました。
昭和22年(1947年)から24年(1949年)に生まれた、いわゆる団塊の世代(第一次ベビーブーマー)がすべて後期高齢者(75歳以上)となり、医療・介護需要は今後ピークに達します。少子化で若手の医療人材輩出は追いつかず、特に看護師は今年、最大27万人の不足と推計されています。
いまこうして、医療現場のDXに取り組んでいる私ですが、正直なところ間に合う気配は全くありません。組織というものは大きくなればなるほど、意思決定に時間がかかるからです。医療現場を効率化するどころか、日々の業務に疲れ、医療現場を去っていく仲間たちの後ろ姿を見送る日々です。
批判覚悟で書きますが、もはや医療抑制をしなければこの危機は乗り越えられないでしょう。というか、人が足りなさ過ぎて、自然と医療抑制になってしまうのではないでしょうか。(つまり、患者が病院側に受け入れてもらえない状態ですね)
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いま現場のDXについて取り組んでいる最中の私ですが、現場から変えていく事にじれったさを感じる毎日です。そこで、新たに医療抑制の片棒を担いでいこうと思います。医療抑制の片棒を担ぐというと物騒ですが、要は、病院にかかる必要がない人を一人でも多く増やそうという試みです。
同じように危機感を持ち、予防医療について発信している先生方はたくさんいます。食事について、運動習慣について、お薬との付き合い方について、精神安定についてなど、多くの先生方の発信によって、私も日々勉強させてもらっています。
では、作業療法士である私にできる事は何でしょうか。私がこれまでの経験の中で世の中の役に立てるのだとしたら、それは「作業姿勢」についてでしょう。
整形外科領域の治療家さんには常識ですが、多くの運動器疾患の原因は普段の姿勢のクセやゆがみにあります。そこに加齢変化が加わって、若いうちは特に症状もなく自覚していなかったものが、ある程度の年齢になると症状が出てくる。そこで初めて病院へ行って、病名がつけられる、という流れが一般的です。
この「普段の姿勢」には、作業姿勢も含まれます。そして、現代社会はまさに、この「作業姿勢」イコール「デスクワーク姿勢」であるともいえます。
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ヒトの職業史の中で、デスクに座って仕事をする人の数は1970年代後半からこれまで一貫して増え続けてきました。パーソナルコンピュータ(PC)が登場したからです。もちろんそれまでも座って帳簿をつけたり、かごを編んだり、窓口でお金をやり取りしたりという「座って行う仕事」はありました。しかし、PCが普及し、1980年代後半に日本でインターネットサービスが開始されてからは、モノを売ることも、商品自体を生み出すことも、PCという小さな箱の中でできるようになりました。
現在では、デスクワークを中心に行ういわゆるホワイトカラーと呼ばれる仕事が、日本の労働者の約7割にも及びます。労働者としても、肉体労働で汗水にまみれて行う仕事よりも、デスクに座って空調のきいた環境で行う仕事の方が良いと考えるでしょうから、職業選択の際にはホワイトカラーを目指しやすいのかも知れません。
デスクワークが増えれば、必然的に肩こりや腰痛に苦しむ方は増えていきます。作業中の姿勢が、これらの症状を引き起こし、結果として将来的な「頚椎症・頚髄症」「脊柱椎間板症」「頸椎・腰椎ヘルニア」「腰椎すべり症」などの疾患へと移行していきます。
ヘルニアなどは聞いたことがある病名かもしれません。めちゃくちゃ痛いというイメージがありますよね。頚髄症などは、加えてしびれや運動障害も起こります。ひどくなれば手術が必要になりますが、予後は必ずしも良くありません。
しかし「がん」や「糖尿病」などと同じように、これらは予防することが可能です。
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もちろんがんや糖尿病と同じように、種類によっては…という注釈がつきますが、継続的に食事や運動を管理するのに比べれば、正しいデスクワーク環境を整えるというのは、非常に簡単に取り組める予防活動ではないでしょうか。
自らの姿勢のクセや、作業内容、体型や性別によって、最適なデスクワーク環境を理解し、改善に取り組む。自分に合ったワークチェアの形状・高さ、デスクの広さや高さ、その他のアイテムたち、それらを整えれば、自然に座っているだけで、将来の病気を予防できるのです。
多くの疾患予防について発信されている諸先生方のように、私も「作業姿勢」からの視点で、この「正しい予防的な知識を身につけ、将来の医療需要を押し下げる」取り組みに参加していこうと思います。
定期的に記事を書いていきますので、ぜひ読んでやってくださいね。
もちろん、引き続き医療現場のDXにも引き続き取り組んで、現場側・患者側の両方から2025年問題に立ち向かっていきますよ!