きっぷちっぷ

知らない街と知らない人、知らない始発列車がわたしを乗せて、知らない線路を走ってゆく

窓にぼんやり映る顔に、朝日が重なって、知っているわたしを塗りつぶしていった

帰ろうとしていたはずなのに、帰って寝ようとしていたはずなのに

駅のホームでたまたまわたしを待っていてくれた列車に、思わず乗り込んでしまったようだ

徐々に賑やかになっていく列車内、少しだけ眠りたい

知らない街と知らない人、知らない始発列車に乗って、知らない線路を走って

知らないわたしに、逢いにゆく

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