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社会的養護におけるお金の問題の背景
こんにちは!
「福祉×お金の教育」のテーマで活動をしている、Ocalea+です🌼
わたしは、児童養護施設や里親家庭など「社会的養護」の分野での、お金のトラブルを防ぐための活動をしています。 お金の準備をできるだけ簡単に整え、安心して出発できる社会を作ることを目指しています。
どうして「社会的養護」の分野にしぼってお金の問題に取り組むのかと言うと、社会的養護の出身者でお金のトラブルが多くて深刻ということ、そしてその背景にやっぱりその分野に独自の理由があるのかなと思います。
(もちろん全ての人にこういう背景や問題がある訳ではないです。施設によっても状況が違います。)
児童・家庭側の背景
虐待や親との関係などで、心理的な課題が大きく、それが金銭行動に影響があらわれる
金銭管理以前の基本的生活習慣の課題がある場合は、それが金銭管理にも影響する
親や家庭で金融リテラシーが乱れている、生活保護を受けているなどで、基本的な金融リテラシーが身につかなかった
施設側の背景
施設内で暮らしている間、生活が守られ支援も多いため、危機感が高まらない。「何とかなる」と考え、退所後に何ともならない状態になるまで気付きづらい
節約が意味をなさない制度(例:洋服購入費用が固定で節約しても次に繰り越せない、ごはんが余っても翌日に回せないなど)
大人と一緒に買い物する経験が少ない(以前よりは改善しているが、例えばティッシュがなくなったら備品として出てくる。ドライヤーがいくつもあるなど。)
大人自身が「節約しなきゃ」「貯金しなきゃ」という場面を見ることがない
職員が将来を案じて、貯金をしてくれたり、貯金しなさいと伝えるが、重要性が伝わらずかえって反発し自立時の開放感でお金遣いが荒くなる
職員自身が金融リテラシーを身に付けづらい(一人暮らしを未経験、食費などあまりお金かからない)
職員が多忙すぎて、またその他の生活課題が多いなので、お金の指導までに手が回らない
退所後に関する背景
施設との関係が切れると、相談できる人がいなくなる
1人になった淋しさや解放感などによってお金の問題が起きる
(貯められた児童手当など)多額を突然持たされることにより、気が大きくなってしまう ※退所後も施設が銀行口座を管理することも多くあります
進学や就職と同時に措置解除になる場合は、変化が大きすぎて対応できない
親などからお金をせびられるなどのトラブルがおこりやすい
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上記のように、心の課題などすぐに解決できない問題も多いので、お金の教育や知識などですぐには解決できない。だけど(だからこそ?)一定のお金の教育によって、最低限のことは頭では分かっておくことが必要だとも感じます。
それを、できるだけ職員さんの負担にならないように、そして個別状況にも合うように、サポートしていけたらなと思っています!