ウチの6畳間がこんなに廣い訳が無い
私の部屋は平凡な6畳間。間取りは1Kです。
フローリングの洋間だったものを頑張って原状回復可能な様にDIYしてこんな感じで収めておりますが、決して廣い訳ではありません。
本棚だの何だのと置いていくと、それなりに狭くなってきます。
しかし、この6畳間と云うのは今日では一つの部屋として謂わば標準的な面積と言って差し支え無いでしょう。
ところで、私が密かに作っているRPGツクールの作品は割とよく見かける所謂「ファンタジーもの」ではなく、それとはかけ離れた日本の時代劇の世界観なので、當然その部屋の造りも自ずと和室になってきます。
そこで、どうしても避けて通れないのがこの和室の廣さと云う事になります。
そうです。
いくら架空の世界と雖も、あまりにも現實離れしたものは作りたくないのです。
やはり私の作品は或る程度は實物に則って然るべきだと考えております。
世に和風のゲームは数多存在しますが、中にはトンデモナイ和室があるものを幾つか見てきました。
畳1枚が途方も無く巨大なものから出鱈目な敷き方で何十畳もの畳を一部屋に敷き詰めた部屋等、見るに堪えないものも少なくありません。
日本人である以上、やはり自國の文化たる和室にはそれなりにこだわりがあるのです。
しかし現實的に「RPGツクール」でそれを表現するのは意外と難しく、失敗の連續でもありました。
そして行き着いた答えとして「庶民の家はそれ程廣く作らなくても宜しい」と云う事だったのです。
畳の大きさは3尺×1間(910mm×1820mm)を基準に考えておりますが、それをマップを構成する部品としてどう落とし込んでいくか…。
始めは畳一枚をマップの部品2×4マスで表現していたところ、或る日「畳1枚の上に大人4人が寝られてしまう」と云う事や「建具の高さが大人の身長の2倍位になる、または1間の間口を塞ぐのに襖が4枚も必要になる」事や「この縮尺では大人の身長は1mも無い」と云う事に気附き、あれこれ紆余曲折の果てに「畳1枚は1×2マス」と云う結論に達しました。
この規格でマップを構成する部品を1から自作したのです。
私のゲームでの基準の大きさに準拠しておりますので、他のゲームでは恐らくは非常に使いづらいマップパーツだと思います…。
このサイズで實際に部屋を組んでいくと何だかこぢんまりとした空間が出來上がりますが、そもそもこれ位の廣さだったのではないかと改めて思わされます。
しかし、部屋が狭くなると存外生活感が出てきて却ってリアルになっていく様でもありました。
かの有名な歌にある「三畳一間の小さな下宿」とはこんなものではないでしょうか…。
この基準で作ると4畳半はこんな感じです。
折角なので畳の敷き方の違いで2間續きにしてみました。
6畳間(床の間附き)です。
私の部屋もゲーム上ではこんな廣さなのだと實感致します。
8畳位になってくると少々ゆとりが生まれます。
尚、変形8畳は祖父の部屋を參考にして作りました。
更に廣くしていくと同じグラフィックでも高級感も出てきます。
昔、エアコンのコマーシャルで「12畳超えたら~♪」なんてのがありましたが、ゲーム上で見ると小さな印象ではないでしょうか…。
旅館の廣間なんかで見かける敷き方は本來縁起が惡いとされていますが例外的にアリの様です。
なるほど一般人の家はこれで良い。
そもそも町の人の家屋を廣くする必要などあまり無く、せいぜい1~2画面程度に収まれば作る方も樂なのです。
江戸庶民の長屋もこんな感じです。
そもそも日本建築は複数の部屋を繋げて一つの大きな空間にすると云う特徴があり、ゲームでもなるべくその様に作っております。
これは序盤に登場する(ごく簡單な)からくり屋敷の1階部分なのですが、あまりだだっ廣い空間を作っても仕方が無いので、こうして数歩で歩き渡れる位の部屋を幾つも用意して全軆を拡げております。
(ちなみに、このダンジョンは玄關の土間から入っても行き止まりなので縁側から侵入し、掛け軸裏の隠し戸から小部屋へ進み2階へ、そこから中2階を見つけてボスを倒し鍵を入手、それを持って1階の壁で區切られた部屋へ降りる階段から床の間へ降りる縄を下ろして最後に入手した鍵で扉を開けて囲炉裏の中の隠し階段から地階へ、そして捕らわれている仲間を救出…と云う内容で友人からは「狭いくせに面倒」と云うお褒めの言葉を戴きました)
但し、お城や攻略對象のダンジョンとなる大きな屋敷等は話が別で、こう云う場合は開き直って作っております。
或るお城の本丸
その上階
さて、現實では私も6畳と云う限られた面積の中で生活し、その廣さで何とか色々な物を収めようと腐心しておりますが「狭い乍らも樂しい我が家」とは良く言ったものでありまして、それは作る側としてもなかなか面白いものでございます。
「大きい事は良い事だ」等と云うのは最早死語なのかもしれません。
現實もゲームも小さくとも内容を凝縮する事に重きを置いております。
(日本の家の事を「ウサギ小屋」などと言ったガイジンよ、恐れ入ったか!)