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最後の目的地を目指して

夏の旅行2日目にして最終日です。

〽新しい朝が來た♪

廣縁の障子を開ければ清々しい青空。
希望の朝。喜びに胸を開き、大空を仰ぐのであります。
然して朝一番は何と言ってもお風呂です。早速浴衣の着附けを整えて大浴場へ朝風呂に向かいます。

〽この香る風に開けよ♪それ1,2,3~♪

早朝6時半。今では薄暗いこの時間も夏はこの通り明るい日差しに満ちていた事が夢幻の様であります。凡そ同じ時間とは思えないところに四季の移ろいの無常さと味わいを感じます。

森の木々を見乍ら

お風呂上りにくつろいでおります。
窓の外には山の深い緑。この鳥渡した空間が良き時間を演出する様であります。

ロビーの壁面

少々マッタリした時間を過ごしてから朝食會場に向かいます。
ロビーの壁面の巨大なオブヂェがお出迎えであります。

朝はやっぱり和食が一番!

私にとって非常に望ましい朝食です。
やはり温泉宿の朝御飯はこうでなくては…と思うところであります。

いつもの決まりモノ

食後にモーニング珈琲をお忘れなく…。

さあ出掛けよう

一切れのパンもナイフもランプも要りません。
鞄に詰めるのはホテルの賣店で賈う當地のお土産。

「あたくしの帰りの鞄にはまだ若干の余裕があります!」
あとはこの日の猛暑を乗り越える飲料を詰めるだけです。

木のトンネルを駆け抜けて

我が愛車に跨り、輕やかに出發進行!
帰りは下り坂で樂々。まさしく「〽緑の中を駆け抜けていく灰白色な自轉車~♪」なのであります。

ポルシェでなくともそのハンドルを氣儘に切って馬鹿にしないでよと一人旅。かの山口百恵さんの歌を自然と口ずさんでおります(…鳥渡古いかな)

尚、ホテルに隣接した場所に「お丸山公園」と云うのがあり、非常に見所が多い場所だったのですが、この日は別に訪れる豫定の場所があり、そこへ向かう汽車の時間に間に合わないので今回は見送りました。いづれ再訪した際に「play back」と洒落込みましょう。

喜連川温泉に別れを告げて

別れの言葉は勿論「I'll be back !」で決まりです。
季節の風がその時々の風情を運んでくるのを感じたら、また來ます。

青い空に映える碧い山々、そして白い雲。
全てが今となっては素敵な思い出です。

夏の峠を自轉車は進む

往路よりも樂なものです。
ペダルを漕がずとも自轉車は輕快に進みます。

どこまでも續く夏の道

自轉車が走れば肌に感じるのは涼しげな澄んだ風。
あらゆる夏の風情に囲まれて驛迄を疾走致します。

補給を忘れずに

途中に在る賣店で飲料を補給。
後輪が丸坊主なのと雪駄が寫り込んでしまいましたが氣にしてはいけない!

戻って來ました氏家驛

汽車の時間には充分な余裕を持って間に合いました。
なにせここの便は一つ乗り遅れると大変です。
通称「宇都宮線」を名乗っておりますが、れっきとした東北本線。
今や本線も名のみの存在。これも時代の流れかと存じます。

どこもかしこもガングロ電車

黄色に茶色の帯のツートンカラーはなかなか良い感じの組合せでお洒落なのですが、イマドキはお顔を眞っ黒にしてしまう様です。最近の流行なのでしょうか…。

〽汽車は往く、汽車は往く♪
遥々と、遥々と♪
(…鳥渡古いかな)

無機質な感じの電車でも車窓はいつでも旅人の心を温かく包んでくれる様です。
眞っ直ぐに伸びる線路を子氣味の良いジョイント音を響かせて快走。
ほんの数十分の乗車時間でも旅を愉しむ心は大いに躍動する様であります。
私の傍には小さくなった自轉車が輪行用バッグの中で暫しの休息。
斯くして目的地の驛に到着致しました。

風鈴の音がお出迎え

電車を降りるなり涼しげで綺麗な音色が聞こえてきます。
嗚呼、如何に時代が下ろうとも旅情と郷愁はその人の中に確かに芽生えるものだと強く思うのであります。

矢板驛

やって來たのは矢板驛。
ここから目的地へ自轉車漕いで移動開始であります。
我が愛車はバッグから飛び出して準備万端整っております。

さあ、發進!當地の道路を微速前進!!

續く…
<記事本文1,600字丁度>


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