雨の日の展望台も悪くない。
展望台というのは、景色を眺める場所である。
だから展望台は、晴れた日に行くところだとばかり思っていた。
当たり前の話だが、晴れていた方が色んなものが見える。
もちろん空が青い方が景色が綺麗だし、写真を撮っても映える。
展望台の公式ホームページには、晴れ渡った写真が使われていることがほとんど。
晴れている日の方こそが、展望台の本領発揮といったところだろう。
では、雨の日の展望台は行く価値がないのだろうか?
悪天候の日の展望台って、どんなかんじなんだろうか。
今回は、規模は小さいけれど、私にとっては意外に大きな発見だったお話。
雨の日の東京タワーに行ってみた
とは言っても、別に雨の日を狙って行ったわけではない。
少し話は逸れるが、私は今月から全日本タワー協議会が実施している「All-Japan タワーズ スタンプラリー」というものを始めた。
このスタンプラリーは、全日本タワー協議会に属する19のタワーを巡ってスタンプを集めるというもの。
制覇すると認定証や記念品が貰えるという特典があるのだという。
全タワー完全制覇を達成した方は既に1,000人を超えているらしい。
北は北海道から南は九州まで、対象のタワーは全国幅広いのに、中には2回以上達成している人もいるというから驚きだ。
タワー愛に溢れている人って意外と沢山いるんだなと思う。嬉しい。
対象のタワーには東京タワーも含まれている。
ちょうど東京方面に用事があったので、そのついでに東京タワーに行き、スタンプを押すことにした。
私は旅行に行く際はいつも、1週間ほど前から天気予報を気にし始める。
そして、どんな服装で行くかをめちゃくちゃ考える。
あと、お願いだから晴れてくれ…!とめちゃくちゃ祈る。
しかし残念ながら今回は、何度調べてもどれだけ祈っても雨予報。
だんだんと降水確率も上昇し、テンションの上がらない日々を送っていた。
そして迎えた当日。見事に雨。
しかもめちゃ寒い。
こんなかんじで空はどんよりしていて、晴れる気配は全くない。
写真では少し明るく見えて分かりにくいが、傘を差さなければやってられないぐらいには降っている。
窓口でチケットを購入して地上150mのメインデッキへ。
フットタウンのお土産物売り場やレストランには思ったよりお客さんがいたし、展望台も意外と人がいるのかな?
むちゃくちゃ空いてる。
平日ということもあり、予想通りほとんど人がいない。
というか、予想以上にいない。
少し暗めの写真も撮ってみた。哀愁すら感じる。
人がいない瞬間を狙って撮ってはいるけれど、週末の晴れた日だったらこんな写真はまず撮ることができないだろう。
こんな東京タワー初めて来た……穴場すぎる。
窓の清掃作業も行われているではないか……
お客さんが少ない時ならではの風景。
こうやって清掃してくださるおかげで、綺麗な景色を見ることができるんだなぁ。いつもありがとうございます。
そして、肝心の景色はというと…
晴れている日に比べたら、やはり見えるものは少ない。
空と同じで全体的にどんよりと暗い雰囲気が漂っている。
でも……思っていたよりちゃんと景色が見える。
もっと何も見えないかと思っていたので、少し驚いた。
晴れた日には見られない渋くていい感じの景色。
今回の東京タワーはハズレだと思っていたけど、逆に結構いいのでは?
やはり遠くの方は霞んで見えない。
でも、これはこれでミステリアスな雰囲気があってなんかいい。
145mの高さから真下が覗ける床・スカイウォークウィンドウ。
いつも大人気のこちらも、人が少ないから写真撮り放題。
何度も東京タワーには登ったことがあるけれど、雨の日に登るのは初めてだったので、今まで知らなかった東京の一面を見ることができた気がした。
思い込みを取り外してみたら
「雨の日の展望台も悪くない」
そう思いながら、雨の日の景色をもっと撮りたくて、気付いたら夢中でシャッターを切っていた。
スタンプだけ押して帰るだろうと思い、滞在時間30分を予定していたけれど、雨の東京を見るのが楽しすぎて結局1時間以上東京タワーで過ごした。
雨の日に行った方がいい施設は少ない。
というか、ほとんどないと思う。
でも、だからといって絶対に行ったらいけないなんてことはないんだな、と思った。
雨の日の東京タワーへ行くのに何か特別なきっかけがあったわけでもないし、正直この思い込みがなくなって生活が一変したわけでもない。
でも、雨の日の展望台も悪くないという新しい考えと、東京タワーから見る景色の新しい魅力に出会うことができた。
展望台は晴れた日に行くところ。
そんな、思い込みとも思わないぐらい小さな思い込みを取り外してみたら、今まで知らなかった楽しさがありました。
こういう小さい思い込みから少しずつ取り外していったら、世界ってもっと広くなるんだろうなーなんて、なんだか大きなことまで考えたり。
東京タワーだからこそ楽しめたというのも一理ある。
もっと高い展望台ではこうもいかないだろうし、屋外型なんて論外だろう。
…これも思い込みかな?
とにかく、今回学んだことは、
雨の日の展望台も楽しい。
雨の日の東京の景色も魅力的。
p.s.
期間限定で飾られている鯉のぼりが雨でびしょびしょだったのは悲しかった…
次はもっと元気よく泳いでいる日にリベンジ!