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EPSとは? EPSを見る際の注意点、投資への活用方法を解説

「EPSとは?」、「EPSからわかることは?」、「EPSの算出例を知りたい!」「EPSが増減するタイミングは?」「EPSを見る際の注意点は?」、「EPSの投資への活用方法は?」

こういった疑問や要望に答えます。

記事の内容

  1. 「EPSとは?」: 当ブログ記事では、EPS(Earnings Per Share)の基本的な定義をわかりやすく解説しています。EPSとは、株式一株あたりの利益を示す指標であることや、なぜ企業の業績を評価する際に重要なのかという点について深く掘り下げています。

  2. 「EPSからわかることは?」: EPSを通して、企業の利益性や成長性を把握することができます。当記事では、EPSの数値が示す意味や、それをどのように解釈するかについて具体的に説明しています。

  3. 「EPSの算出例」: 実際の数字を用いて、EPSの計算方法をステップバイステップで解説。初心者の方でも理解しやすい内容となっております。

  4. 「EPSが増減するタイミングは?」: EPSは企業の業績や外部環境の変動によって増減します。記事内では、どのような要因でEPSが増加または減少するのか、具体的な事例を交えて詳しく解説しています。

  5. 「EPSを見る際の注意点は?」: EPSだけを見て企業の健全性を判断するのは危険です。当記事では、EPSを適切に評価するための注意点や、他の財務指標との併用の重要性についても触れています。

  6. 「EPSの投資への活用方法は?」: 投資家としてEPSを効果的に活用する方法について、具体的な戦略やポイントを紹介。投資判断の一助として、EPSの正しい読み方や活用方法を学べます。

記事の信頼性

記事を書いている私(きらく)は、投資歴5年の投資家で、年間200冊以上の決算書を読む決算書マニアです。運用資産は、1500万程度。

下記の記事の内容は、動画でも確認できます。


EPSとは?

EPSは、英語で「Earnings Per Share」の略で、直訳すると「一株あたりの利益」となります。

具体的には、企業の純利益を発行済みの株式総数で割った値を指します。この数値は、株式一株あたりの企業の収益性を示す指標として利用されます。

投資家やアナリストは、EPSを参考に企業の株価が適正かどうかを判断することがあります。

高いEPSを持つ企業の株は、将来的な収益性が期待されるため、投資の対象として注目されやすいです。

また、EPSは、同業他社や過去の業績と比較することで、企業の業績の良し悪しを評価する材料としても使用されます。

EPSからわかることは?

EPSは、一株あたりの利益を示す数値です。具体的には、企業が1年間で得た純利益を、その企業の発行している全株式で割ったものとなります。この数値は、企業が株主に対してどれだけの収益をもたらしているかを示す指標として用いられます。

EPSの解釈方法

  1. 高いEPS: EPSが高いということは、一株あたりの利益が高いということを示します。これは、企業の収益性が高い、または企業が効率的に運営されていることを意味する場合が多いです。しかし、EPSが高いからといって、その企業の株が絶対的に良いとは限りません。他の財務指標や市場環境も考慮する必要があります。

  2. 低いEPS: EPSが低い場合、一株あたりの利益が少ないことを示します。これは、企業の収益性が低い、または経営上の問題がある可能性を示唆する場合があります。ただし、一時的な要因や業界全体の動向など、外部環境の影響を受ける場合もあるため、一概に悪いとは言えません。

  3. EPSの成長: 過去のEPSと比較して、現在のEPSが増加している場合、それは企業の収益性が向上している可能性を示します。一方、EPSが減少している場合は、収益性が低下しているか、経営上の問題がある可能性が考えられます。

  4. 業界平均との比較: 企業のEPSを業界平均と比較することで、その企業が業界内でどれだけ収益性が高いかを評価することができます。EPSが業界平均を上回っていれば、その企業は業界内での競争力が高いと言えるでしょう。

結論として、EPSは企業の収益性を示す貴重な指標となりますが、企業の全体像を把握するためには、他の財務指標や業界動向、経営戦略なども総合的に考慮することが必要です。EPSだけに偏らず、多角的な視点での分析が重要です。

EPSの算出例

EPSは、純利益を発行済みの普通株の総数で割ったものとして計算されます。

公式としては、以下のように表されます。

EPS=純利益/発行済み株式数

例えば、ある企業Aが年間の純利益として10億ドルを上げ、発行済みの普通株が1億株である場合、EPSは以下のように計算されます。

EPS=10億/1億株=10ドル/株

この場合、企業Aの1株あたりの利益(EPS)は10ドルとなります。

EPSが増減するタイミングは?

EPS(Earnings Per Share)は、企業の業績や外部環境の変動に影響されやすい指標の一つです。

以下に、EPSが増加または減少する主な要因と具体的な事例を挙げて解説します。

EPSが増加する要因

  1. 利益の増加: 企業の売上や収益が増加すると、その結果としてEPSも増加します。

    • 事例: Appleは、新しいiPhoneの販売好調により、売上と利益を伸ばし、EPSが増加した年度が過去に複数あります。

  2. 株式の買い戻し: 企業が自社の株式を買い戻すことで、発行株式数が減少し、EPSが上昇することがあります。

    • 事例: IBMは過去に大量の自社株買い戻しを行い、EPSを上昇させる戦略を採っていました。

  3. 効率的なコスト管理: 企業がコストを効率的に管理し、経費を削減することで利益率を向上させることができ、EPSの増加につながります。

    • 事例: トヨタは生産システムの効率化やコスト削減を進め、EPSの向上を果たしてきました。

EPSが減少する要因

  1. 利益の減少: 企業の売上や収益が減少すると、EPSも減少します。

    • 事例: 2008年の世界金融危機時、多くの金融機関のEPSは大きく減少しました。

  2. 増資による発行株式数の増加: 企業が新たに資金を調達するために株式を増資すると、発行株式数が増加し、EPSが減少する可能性があります。

    • 事例: ソフトバンクは過去に複数回の増資を行い、EPSが一時的に減少する場面がありました。

  3. 非常事態や災害による損失: 大規模な災害や事故により、企業が大きな損失を被ると、その影響でEPSが減少します。

    • 事例: 2011年の東日本大震災後、多くの日本企業が生産や販売の停止による損失を被り、EPSが減少しました。

これらの要因を考慮することで、EPSの変動の背景やその意味を正確に理解することができます。

EPSを見る際の注意点は?

EPS(Earnings Per Share)だけを見て企業の健全性を判断するのは危険です。

EPSはあくまで一つの指標であり、企業の全体像を捉えるためには他の多くの財務指標と組み合わせて評価することが必要です。

以下、EPSを適切に評価するための注意点と、他の財務指標との併用の重要性について詳しく説明します。

EPSを適切に評価するための注意点

  1. 一時的な要因: 企業の業績が一時的に良好である場合や、一時的な非経常収益が発生した場合、EPSは一時的に高くなる可能性があります。このような場合、その背景を詳しく調査することが重要です。

  2. 株式の買い戻し: 企業が自社株を買い戻すことでEPSを意図的に上げることが可能です。このような場合、EPSの上昇が実際の業績の向上を反映しているのかを確認する必要があります。

  3. 業界や市場の動向: 企業が属する業界全体の動向や市場環境によってEPSが影響を受けることがあります。業界平均のEPSとの比較や、業界の成長トレンドを考慮することが重要です。

他の財務指標との併用の重要性

  1. ROE(株主資本利益率): ROEは企業が株主の資本をどれだけ効率的に運用して利益を上げているかを示す指標です。高いEPSを持つ企業でも、ROEが低ければ資本の運用効率が低い可能性があります。

  2. PER(株価収益率): PERは株価をEPSで割ったもので、株価が適正かどうかを評価するのに使用されます。高いEPSだけでなく、PERも低ければ株が割安である可能性が高まります。

  3. 負債比率: 負債比率は企業の負債の状況を示す指標です。EPSが高くても、高い負債比率を持つ企業はリスクが高いと言えます。

  4. 営業利益率: 売上の中でどれだけの部分が営業利益として残るかを示す指標です。高いEPSを持つ企業でも、営業利益率が低ければビジネスの収益性が低い可能性があります。

結論として、EPSは非常に重要な指標ではありますが、それだけを頼りに企業の健全性を判断するのは適切ではありません。

多角的な視点からの分析と、他の財務指標との併用が必要です。

EPSの投資への活用方法は?

投資家としてEPS(Earnings Per Share)を効果的に活用するための戦略やポイントについて詳しく解説します。

1. EPSの成長トレンドをチェック

  • ポイント: 過去数年間のEPSの推移を見ることで、企業の収益成長の安定性やトレンドを捉えることができます。

  • 戦略: 連続してEPSが成長している企業は、収益の安定性や成長性が期待できる可能性が高いです。

2. 業界平均のEPSと比較:

  • ポイント: 企業のEPSを業界平均と比較することで、業界内でのその企業の収益性を評価することができます。

  • 戦略: 業界平均を大きく上回るEPSを持つ企業は、競合他社に比べて高い収益性を持つ可能性があります。

3. PERとの併用:

  • ポイント: PER(株価収益率)は株価をEPSで割ったもので、株価が適正かどうかを示す指標です。

  • 戦略: EPSが高く、PERが低い場合、その株は割安であると判断されることが多いです。

4. 一時的な要因の確認:

  • ポイント: EPSの変動には、一時的な非経常収益や非経常損失などの一時的な要因が関与することがあります。

  • 戦略: 企業の四半期決算や年次決算の詳細を確認し、EPSの変動の背景に一時的な要因がないかをチェックします。

5. 株式の買い戻しを考慮:

  • ポイント: 企業が大量の自社株買い戻しを行うことで、EPSが意図的に高まることがあります。

  • 戦略: 自社株の買い戻しを行っている企業の場合、その背景や目的を理解し、EPSの増加が実際の業績の向上を反映しているのかを検証します。

6. 他の財務指標との併用:

  • ポイント: EPSだけを見るのではなく、ROE(株主資本利益率)、営業利益率、負債比率などの他の財務指標と組み合わせて分析することが重要です。

  • 戦略: 複数の財務指標を総合的に分析することで、企業の健全性や収益性、リスクをより正確に評価することができます。

結論として、EPSは非常に有用な指標であり、投資判断の一助として活用することができます。しかし、それだけに頼るのではなく、他の財務指標や企業の業績、市場環境などの情報も併せて分析することが、成功の鍵となります。

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