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WE Run | Write, Eat, Run

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私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン
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#一度は行きたいあの場所

はじめましての方へ、おすすめの記事。1-100記事篇

■はじめまして  『WE Run』は、“私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン”というコンセプトのもと、走るをテーマに綴っていく共同運営形式のマガジンです。   “Write, Eat, Run”という3つのキーワードから生まれたマガジン名が象徴するように、書くことを通じて走ることについて考え、食事を楽しむように走ることを楽しもうとするメンバーが、書き手として参加しています。   目指すは、“読み終わったら走り出したくなるwebマガジン”。距離やペースにと

延伸した北陸新幹線に乗って敦賀の友と邂逅し、能登でボランティアをする旅(合間にちょっと走る)

2024年3月30日 午後4時すぎに、私は出張先の長野駅から北陸新幹線に乗り込んだ。ここから、一週間ほど前に延伸したばかりの終点の地「敦賀」に向かう。 明日の朝から『ふくい桜マラソン2024』に参加するので、福井県内に前日入りするのだ。 敦賀駅に到着したのは、午後6時すぎ。5度目の来訪になるが、もちろん3階に新設された新幹線ホームに降り立つのは、今日が初めてである。 2階に降りて、在来線との乗り換え改札を抜ける。どうやら新幹線構内から直接外に出る術はないようだ。 在来

瀬戸内で『夢の中』を走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off㉒~ "

2024年3月9日、土曜日。時刻は午前6時を少し回ったところだ。 私は東京駅から高速バスの深夜便に乗って、岡山駅前に到着した。 この旅の目的地は、明日の午前中にハーフマラソンを走る瀬戸内海の「ゆめしま海道」だ。しかし、ここから直接向かうわけではなく、一旦四国入りしていくつかの途中下車を経てから、明日の朝に現地に到着する旅程を組んだのだ。 せっかくの遠征なので、少しでも多くの場所を訪れてみたいではないか。駅前で朝マックのブレックファーストを摂り、さっそく四国への移動をはじ

走るため フェリーで行って 飛行機で 帰る場所でも 東京なのだ “ 東京そぞろ走り #8 ”

2024年1月6日、土曜日。時刻は22時を回ろうとしている。 私は港区にある竹芝客船ターミナルに到着した。 これからフェリーに乗る予定なのだが、まだ切符も購入していない。お目当てのフェリーはすでに接岸しており、乗船手続きも始まっている。まずは切符売り場に急いだ。 「八丈島まで1枚」。受付で伝える。早く乗りたいので、早く売ってくれ。「あちらで乗船票にご記入の上、乗船口に進んでください」 切符の右側に付いている乗船票に個人情報を記入し、乗船口に急ぐ。なんとか出航5分前に乗

ふがいない僕は (世界平和のために) 空を見上げ、走る “東京そぞろ走り #4“

2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻した。 その前日、私はランニング仲間たちと米軍基地の近くにある港町で遊んでいた。極東の島国でぬるく生活している私は戦争の足音に耳を傾けておらず、それは青天の霹靂であった。 今から30年以上前、私が高校生の時に湾岸戦争が勃発した。ブラウン管越しに「スカッドミサイルvsパトリオットミサイル」の映像が、シューティングゲームのようなアングルで流されていた。画面の奥には大量の死体があるはずなのに、その存在は巧妙に隠されていた。そして多

下関で『海峡』を走る " 旅先で『日常』を走る ~episode43~ 山口編 "

前回のあらすじ~ 太田で『足跡』を走る ~ " 今朝の出来事のように、テーマを決めて世界中で同時多発的に繋がることによって、我々は『オンライン』と『オフライン』の中間的な体験をしているのだ。" 下関で『海峡』を走る 2019年10月8日。九州を旅行中だった私は、熊本から長崎・佐賀を経由して前夜は福岡に宿泊した。元々はラグビーW杯の試合を熊本で観戦するために、半年以上前から計画を立てていた。そこに、たまたまこのタイミングで転職することになったので、有休を使って4泊5日を

小豆島で『迷路』を走る " 旅先で『日常』を走る ~episode38~ 香川編 "

前回のあらすじ〜 倉敷で『夜景』を走る 〜 今まで取って付けたような観光地だと思っていた場所が、そこへの侵入方法を変えるだけで見え方が一変し、特別に面白くなる。夜という観光地の寝込みを襲うようなシチュエーションによって、より一層その魅力を満喫できた。” 小豆島で『迷路』を走る 1996年12月、私は人生で初めて中国四国地方への旅行を企てた。広島県から入り岡山県を巡った。そこから電車で瀬戸大橋を渡って四国に入り、高松駅に到着した。夕方に到着したので陽は傾きかけており、なん

角館で『小京都』を走る " 旅先で『日常』を走る ~episode34~ 秋田編 "

前回のあらすじ~ 山形で『日の入』を走る ~ " 今回はアクシデントでトンボ帰りの憂き目に会ったが、山形とは意外に相性が良いのかもしれないなと、思い直した " 角館で『小京都』を走る年末年始休暇を利用して東北地方の各地を走ろうと企画したが、大雪に阻まれて山形で走ることを断念し、山形滞在時間わずか3分で仙台に引き返した。詳しくは上記リンクからどうぞ。 ということで、今回は秋田県角館に向かうところからスタートする。 奥羽本線で山形から北上する予定だったが、大雪のため計画運休

伊勢で『参道』を走る “ 旅先で『日常』を走る 〜episode30〜 三重編 “

前回のあらすじ〜 駿府城で『元旦』を走る 〜 “ 車窓に流れる景色を眺めているうちに、不意に記憶の扉が開いた。担当を外れてから私が14年間も静岡を訪れなかった理由、それにピンと来たのだ。” 伊勢で『参道』を走る 2020年1月2日、私は名古屋市栄のビジネスホテルで目覚めた。人生で初めて一週間の年末年始休暇を与取得し、せっかくなのでこの休暇を利用して旅に出ることにしたのである。大晦日に東京を出発して静岡県を二日かけて横断し、元旦の夜遅くに名古屋に到着した。今日はここから三