筒井康隆の世界〜文学界の巨人 90歳のメッセージ〜 (ドキュメンタリー BSNHK)
初回放送日:2024年11月10日
実験的な小説「残像に口紅を」で人気が再燃している作家・筒井康隆。SF始め多様なジャンルで先駆的な作品を発表してきた文学界の巨人の全貌と魅力を本人と著名人が語る!
(以上公式サイトより)
筒井康隆といえば、私には「時をかける少女」一択。そういえば最近全然読んでないなぁ。
この番組を見て、改めて大文豪だと再認識した。
松本清張・司馬遼太郎は鬼籍に入っているが、まだ筒井康隆大先生がいるじゃないか!そうだ、読まなきゃ今すぐに!!
なんて思いながら見たこの番組は、わかりやすく丁寧にまとめられていて、初心者にも読書したい熱を促す秀逸なつくりだった。
それにしても、筒井氏が作品の中で既に今を予見していた事が凄いと思った。
「東海道戦争(1965)」のあらすじは聞いたことがあったが、そこには"マスコミによって作られる大衆の空気"というテーマがあったとは。
さらに1993年に氏の断筆のきっかけとなったのは、てんかんに対する表記による抗議だったとの事。これなんて、少し前から顕著に見られる言葉狩りと同じやん。
意識せずに好きなものを書いている、そんな作家にイチイチ文句つけるなんて、非常にナンセンスではないだろうか。そりゃ酷すぎるものはダメかもしれないが…。
明るく長生きな先生が一つだけ心に秘めた辛い思い、これは親としても共感した。ひとり息子さんを亡くし、彼と夢の中で話すという小説を書いていたとは。
「自分が死ぬより、もっとつらいことがある」
それでも生きていく、まさに試練なのかと悲痛な気持ちになった。
そんなこんなで、まだまだ読んでいない筒井氏の作品をこれからは読もうと決めた。