新プロジェクトX オウムVS.科捜研 ~地下鉄サリン事件 世紀の逮捕劇~(ドキュメンタリー)
10/26(土) 午後7:30-午後8:15
公式サイト
1995年、国家転覆をたくらむ化学者集団でもあったオウム真理教が起こした「地下鉄サリン事件」。教祖の麻原彰晃は当初、犯行を否定。逮捕までには57日間に及ぶ攻防戦があった。その陰にいたのが科捜研の若手研究員で緊急結成された「科学班」。今回、オウムの実験ノートや化学工場の映像などテレビ初公開の新資料が発掘。研究者たちは、科学の力を駆使し、どのように麻原たちを追い詰めていったのか、頭脳と執念のドラマ。
(以上公式サイトより)
あれから約30年。阪神大震災と同年に起きた厄災を思うと、なぜあんな巨悪団体を放置していたのか憤りさえ感じる。捜査の目処をつけていた矢先に先手を打たれたとの言及もあったが、それならば情報が漏れていた可能性は否めないし、背後に彼らを支援する闇の手先が存在していたのか?とさえ思ってしまう。
そんな厄災の裏に、科学捜査員として奮起して功績をあげた服藤恵三さんの努力と信念は賞賛に値する。彼の存在が無ければ、もしかしたらオウムのサリン生成の証明は遅れ、第2第3のサリン事件が起きていた可能性もあるだろう。
番組中、オウムの化学担当者と対峙する場面があった。黙秘で徹底抗戦する相手を諦めさせたのは、研究熱心な服藤さんが見せた科学者としての矜持だったのかもしれない。
この彼に限らず、オウムには高学歴で真面目な青年が多数存在していたことに、恐怖と落胆を禁じえない。それなりの教養もあったと推測されるのだが、そんな彼らが何故あんな不潔で荒唐無稽な教祖まがいに従ってしまったのだろうか?
誰にも理解されない孤独につけ込むように取り入ったのだとしたら、これほど巧妙で卑劣な手口はないと思う。
オウムの事件から30年経つが、世の中はあの頃より閉鎖的で不気味になってきているような気もする。このような時こそ、ひとりひとりが強く賢く"敬天愛人"の精神を持つべきなのではないだろうか。