「葛飾北斎 天才絵師の秘密」 (ドキュメンタリー NHK 歴史探偵)
葛飾北斎の"神奈川沖浪裏"。
タイトルだけでは?でも、絵を見ると「ああ、アレか!」と思う人は多いだろう。
海外でも大人気のこの浮世絵について、また北斎や富士山にについて、楽しくわかりやすく検証した番組だった。
特に"神奈川沖浪裏"に関しての検証が素晴らしく、録画しといて良かった!
あの波を人工的に起こし、更に船まで浮かべての大実験。
そこから研究者が呟いた「これはアニメーションですね」の一言。
更なる発見を導く展開にも納得した。
まず、あの波の特徴的な形。「三角波」の先端には、実際に鉤爪のような形状が一瞬現れるのだ。
そしてその波に乗る小舟の3段階の動きや傾きが、一枚の絵に同時に描かれている。
スーパーカメラでしか見られない一瞬の間と、流れる時間を一枚の絵として構成する着想は、まさに天才である。
更に遠近法の消失点に富士山を置く、もうこれは究極の芸術といっていいだろう。
葛飾北斎という絵師の神業というか、彼にしか描けない世界、その脅威を見てしまった気分である。
北斎は絵ひとすじに生きた人だが、その天才性はレオナルド・ダヴィンチと同等ではないだろうか。
まさにGreat Waveそのものの葛飾北斎。
いつか"すみだ北斎美術館"へ行きたいと思う。