見出し画像

ドキュメント72時間〜長野 伊那谷の産直市場〜 (ドキュメンタリー NHK)

9/27(金) 午後10:00-午後10:30
公式サイト

日本アルプスに囲まれた長野県南部・伊那谷。とうもろこし畑を抜けた先に1軒の産直市場がある。売っているのは色とりどりの野菜はもちろん、キノコ類やイノシシ・シカといったジビエ肉、さらにイナゴ、ハチノコといった昆虫食まで。ここには多様な食文化が根づいている。地元の農家が品物を持ち込み、お客もまた地元の人が多い。命をいただくこととは何か。産直市場を通して見つめてみる。
(以上公式サイトより)

最近、なんだか農家が気になる。
"令和の米騒動"が話題になっているのも一因だが、農作物というのは人の生命に直に繋がっている実感がある。
今回の舞台は長野県伊那谷だが、私は毎夏南牧村の産直市場で野菜を購入している。販売されているものも、店員さんやお客の様子も雰囲気はほぼ同じ。「こういう場所で育つと、とても素直で健康な人になれるに違いない」と、八ヶ岳へ行く旅に思うのだが、伊那谷もきっと同じだろう。

市場周辺に住む方々が出品者であり、お買い物客でもある。どの方にもドラマがあって、興味深かった。

大手メーカーをパワハラ退職。脱サラして農業を始めた方の充実したお顔。後悔は全くみじんもないと言い切る潔さに、私まで勇気づけられた。

若い頃を東京で過ごし、90歳で実家に戻り毎朝5時から畑仕事に励む94歳のおばあちゃん。
「生きてるうちはやっぱりね、動かなくっちゃダメなんですよ」
はい、全くその通りだと思います。

4人の子育てを終え、親を看取り、夫の反対を押し切って57歳でお蕎麦屋さんを始めたマダム。その頃から83歳の今も、毎日のようにお買い物に来ているそうだが、もうリスペクトしかない。

なかでも大阪から生物部の高校生4人組が、昆虫食を実体験する為にやって来るエピソードが秀逸だった。この日のためにお小遣いを貯め、青春18切符で遠回りしてたどり着く。
蜂の子やザザムシの佃煮など、お目当ての昆虫食以外=ダチョウ肉フィレや熊肉の大和煮缶詰(¥2000)にも興味を示す彼ら。高いやとか言いながら、ここで金に糸目はつけないとお会計へ。
リアル「スタンドバイミー」みたいで、なんか泣けた。こういう子達が、未来の日本を支えてくれるのかなと期待もしてる。

最後に出てきた新婚若夫婦の、農業=幸せを絵に描いたような幸せそうな様子も素晴らしかった。

「ま、自由に食ってってくれと。そのかわり、いいやつも、ちゃんと残してねと」
そう言って野菜を収穫する脱サラ男性の様子。
農業が自分自身や周囲のものまで幸せにする、そう思わせる神回だった。

いいなと思ったら応援しよう!