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マリー・アントワネット 最後の日々 (ドキュランドへようこそ)

フランス革命によりギロチンで生涯を閉じた、王妃マリー・アントワネットの裁判についての記録。

アントワネットといえば、巻き髪にドレス&豪華な宝石とお料理に囲まれたザ・お姫様として名高い。そして最後は断頭台の露と消えた悲劇の王妃である。

しかしよほどの勉強好きでないと、そこに至るまでのインチキ裁判と恐怖政治について詳しく知る者はいないだろう。

かく云う私も「ベルサイユのばら」程度の知識しか無かったので、このドキュメンタリーを見て初めてその真相を知った。再現ドラマと研究者のコメントによる進行はとても解りやすく、見て良かった。

憎悪が、如何に愚かな感情であるか。恐怖による支配が、如何に常軌を逸した仕組みであるか。両者の相乗効果で死刑に追い込まれたアントワネットが、最期までいかに強く闘ったのか。番組内で「革命が彼女の本質を見せた」と語られていたが、皮肉にもそれが真実なのだ。

浪費家で軽薄な王妃と言われたマリー・アントワネットは、革命派が悪意を持って過剰に盛りあげた姿かもしれない。王妃として、女性として、母親として燃え尽きた彼女が、今も好意的に取り上げられるのは、最期まで毅然としていた"真の王妃"だったからだ。

そんな彼女が最期まで気にしていたであろう、息子ルイ17世=シャルルのサイドストーリーには涙を禁じえなかった。

王子として生まれながら、幼いうちに母親と離され、虐待され、失意のなか夭折する。ひとりくらい人情を持った大人が側にいなかったのか、革命の残酷さに怒りさえ覚える。

せめてこの親子が天国で再会し、穏やかに眠っている事を祈っている。


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