スパイダーマンというヒーローは、60年前に誕生した。そして60年間変わらない彼の特性、それは未成年のヒーローが大人や逃れられん運命や社会に翻弄され続けるという悲しいもの。 ものすごい過酷な運命を背負ってるピーター・パーカーを、2作続けてほとんどジュブナイル作品としてやってきておいて、ここで所謂「正体不明の愛すべき隣人」に昇華するという流れは、スパイディ大好き人間には辛くも感動的だった。 サブタイトル「NO WAY HOME」とは帰る場所がない、家には帰れない、元には戻れない
CODA(ろう家庭の子)が主人公。 両親と兄が耳が聞こえない。主人公だけが耳が聞こえる。この環境における聞こえる者聞こえない者の両者の苦悩と葛藤と超克が描かれる。 まず、環境設定が非常にリアルなのが良い。 とにかく土台がしっかりしているからただのお涙ちょうだいな話ではない。 漁師の家庭でお金はないし、上品でキレイな環境ではない。父は幼いころから漁業一本で生きてきた海の男で、会話もいちいち下ネタだらけ。兄はマッチングアプリにハマっているし、母もそれに注意をしないどころか話に入