【忘却度100%】倉橋由美子「聖少女」
1992年5月15日。
覚えてなくて悔しいなあ。日記にも「これはすごい」と書いてあるのに。
まったく関係ない話をしておきますと、西城秀樹さんの歌で「聖・少女」というのがあります。松本隆さんと吉田拓郎さんという超豪華な作詞作曲。
♪セイエイエイエイ少女愛してる〜わと〜。
<ネットで調べてみる>
「これはすごい」感覚を味わうために、この忘却図書館で初めて(押入れのダンボールのどこかにあるかもしれませんが)、いまアマゾンで購入しました。
でももう古書しかないのもびっくり。私はそもそも電子書籍では読みませんけど、キンドルにも入ってなくてびっくり。
1965年の作品で(私ですら生まれる前)、父かもしれない男と娘の近親相姦的な話だというくらいの情報で後は見ないでおきます。
<追記>
上記から約2週間後、再読しました。確かに「これはすごい」でした。
でもこの当時、若いときに読んだときのほうがよっぽど衝撃だったのもよくわかります。完全に「食らう」には少し私が年を取りすぎました。
全共闘の時代をまたいでの、主人公の17歳と22歳の話。あるとき知り合った謎めいた少女。数年後に自動車事故で記憶をなくした彼女から、父かもしれない男との情事を綴ったノートを渡される。そこに綴られたことは真実なのか。
というところから始まり、さらに主人公も少女もそれぞれ別の話にも展開していったりしますが「これはすごい」。
そしてつくづく思うのは、(小説とはいえ)当時の20歳前後の男も女もひじょうに知性もセックスも言動も「大人」であるということ。主人公は22歳で自分を中年と自嘲するくらい。
そして青山界隈を中心とする東京の街の魅力的なこと。私も70年代半ばのきらきらした東京を描いた小説を書きましたが(残念ながら未発表)、懐古趣味でもなんでもなく、当時の映画とかでもそうですが、やっぱりいまより圧倒的におしゃれです。
それにしてもこれだけの小説を当時20代で読んでるわけですが、今回再読してみるとまったく覚えてなく(読んでるうちに思い出すかと思ったのですがそれもなく)、完全に初めて気分だった自分に、いつものこととはいえ、がっかりです。
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