感想「奇跡」林真理子
一気に読み終えた。
主人公ご夫婦は実名であるが、義理父さんや元ご主人の名前は、ぼかしてある。
さすがに実名で書くのは厳しかったと思うが、読めば、すぐに分かる有名な方々である。
主人公は超名家の奥様でありながら、他の男性とW不倫を経て離婚し、その男性と再婚している。
家族を追ったTVドキュメンタリーに出演した事もある奥様である。
恋のお相手の方は高名な写真家だった。
週刊誌ネタになってもおかしくなかったが、さほど騒がれなかった。
W不倫の是非は別にして、何かが真っ直ぐな女性のように感じた。
下衆なネタを跳ね返してしまうような強烈な真っ直ぐな何かである。
周囲を黙らせてしまう強い何かを持っている女性。
彼女の着物姿は、たおやかでそれはそれは美しい。
若造りでは決してない。
20代30代の人が逆立ちしても絶対に叶わない美しさだ。
本当は自分の恋を本にする予定は無かったそうだ。
しかし、コロナ禍にあり、沢山の方々が命を亡くしている今、自分の命もいつまであるかわからない。
だから自分の気持ちに従ってみようと考えた。
だいぶ端折っているが、そんな感じだった。
コロナ禍にあり、自分の命ですらいつまであるか分からない、自分の心に従ってみたい。
その主人公のプロローグにある言葉に私は強く共感した。
私も数年前から同じ事を考えているからである。
私の場合は30年以上勤務してきた場所から飛び出そうと考えている。
私のライフワークであり生き様だった仕事を変える事でもある。
50才過ぎてるんだから、自分の事は諦めて後進を育てるのが普通でしょ…そうも言われたりもする。
一般論はそうかもしれない。
うまく言えないが…ただただ何かが猛烈に違うのである。