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名前を読む namen lezen
オランダ北東部に、第二次世界大戦中にナチスドイツによるユダヤ人・シンティロマ人・ロマ人・レジスタンス主導者などの通過収容所として使われたWesterbork収容所がある。犠牲になった人103,124名の名前を、6日間昼夜通して読み上げ続けるイベントが、今ここの記念館で行われている。
「エドガー・フレスコ 68才」「エリーナ・フレスコ 8才」「エリザベス・フレスコ 6才」「フランク・フレスコ 44才」(もち、全て仮名)と、ボランティアが交代で名前と年齢をひたすら読み上げ続ける。テレビ局ウェブサイトでライブ中継している。名前と年齢を聴くだけで、一人一人が迫ってくる。
ストリーミングを聴きながらこのnoteを書いている。「1才」「2才」「7才」など、幼い年齢を聴くと目が潤んでしまう。「4ヶ月」「10ヶ月」という月齢を聴くともうだめで、ティッシュが必要。みんなかわいい赤ちゃんだっただろうに、誰かに抱かれながら亡くなったのだろうか(それにしても、月齢を含め記録/保管しているナチスドイツの非情な緻密さに改めて驚く)。10代から90代の全ての年代の方々も、尊厳を奪われた最期はさぞ無念だっただろう。
ボランティアの方は一人10分程度ずつ名前を読み続ける。前年の9月にボランティア公募を開始すると、すぐに枠が埋まるほど関心が高いようである。子どもたちも多くボランティアとして登録しており、若い声で読み続けている。
これ以上書けることがない。攻撃ではなく、批判ではなく、共に悼み、前に進みたい。