やっと何か書きたくなってきた。その3

前回、不安が強過ぎて「死んだ方が楽になる」と思い、自殺する方法を必死に調べたところまで書いた。

ネットで色々調べた挙句、練炭自殺が首吊りが良いだろうという結果に辿り着いた。十数年前、TBSの女子アナ「川田亜子」さんが練炭自殺で命を絶った事に衝撃を受けたことを思い出した。

あんなに美しくて、女子アナという羨望の眼差しを向けられる様な職業につきながら、どうして彼女は死を選んだのだろうと不思議でたまらなかったのだ。今では人の悩みというものはいつだって相対的な物で、どんな人とだって分かちあえる事なんて出来ないと分かるのだが、当時の私は世の中を二元論でしか見ていなかった。恵まれた環境にいるような彼女も、彼女にしか分からない不安や恐怖に苛まれていたのかもしれない。

私が世の中で一番怖い事。それは自分を心から嫌いになること、自分に失望すること、自分のしたことが全て間違いだったと、自分など生きていても無意味だと思うことだ。

さて、実際に行動に移そうとしたところ、予想以上に身体が動かない。ヘロヘロである。よく、うつ真っ只中の時は自殺しようとしても出来ない。少し良くなって来た時が身体も動くし一番危ないと言われるのはこういうことだ。私は悩んだ挙句、ロープさえ買えば良いし、やはり首吊りにしようと考えた。

ヘロヘロになりながら、車に乗り死に場所を探した。他人にすぐ発見されない所、かつ、2、3日したら他人に発見される所、そしてちょっとやそっとでは折れない丈夫な枝ぶりの木が生えているところ。

意外と近所で見つけた。

画像1

この木である。写真は去年の冬撮ったのだが、ちょうど私が自殺をしようとした三年半前と同じくらいの日付だったと思う。驚いた。あの時の記憶に銀杏の葉のことは全く残ってないのだ。ただひたすら枝の高さと太さを確かめることに必死で、私の大好きな黄色い葉が美しく地面を彩っているなどと、全く思わなかった。去年の冬、私は改めてうつの時は周りが全く見えてなかったのだと、薄ら寒い思いがした。

さて、良い場所と良い木を見つけた。後は踏み台を運んで、ロープを買いに行くだけだ。練炭だと七輪など重くて持てる気がしないし、少し怪しい感じがするかもしれないが、ロープだったら買っても怪しまれないだろう。

私は次の日の昼間に家にあった、ちょうど良い高さの木製の椅子を銀杏の木の下まで運び込んだ。その日はそれ以上動けなかった。次の日の昼にロープを買いに行って、夜中に家を抜け出し決行しよう。さぁ、ロープの結び方をよく調べてから抗うつ剤と抗不安剤と睡眠導入剤を飲んで、少しだけでも寝よう…。薬を飲み始めてから約一週間経つが、全く良くなる気配は見られなかったが、すがるような気持ちで飲み続けていた。

いいなと思ったら応援しよう!