映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:43 合意形成
2021/8/31曇天。飯田哲也さんが待ち合わせに指定した場所は長野県南佐久郡野辺山のレストラン“最高地点”。かなり早めに着いて名物の天ぷらせいろ蕎麦をいただく。めちゃくちゃ旨くてこれだけでも来てよかったと思った。
この日は、飯田さん率いるisepがアドバイザーとして関わる野辺山営農ソーラーの建築現場の撮影。二本松の農場と同じく、荒れ野を整地して巨大なソーラーシェアリング農場を作っていて、パネル設置は2ヶ月後から始まる予定だ。事業者のお一人、ほうれん草農家を経営する土屋梓社長、isepの飯田さんと山本精一さんが現場の進捗を建設会社の方々から聞く。壮大な完成予想図を見せてもらうと、こちらも二本松のようにワクワクする計画だ。ハウス栽培のほうれん草なので、ソーラーパネルの上にさらに透明の屋根を設置するので自分が見たことのない形体になる。
自然エネルギーの事業者は、みなさん完成までに3つの壁を越えなければならないと言う。1.資金の壁、2.地元の方々との合意形成の壁、3.自治体の許認可の壁だ。isepはこの3つの壁を事業者と一緒に越えてゆくことを使命としている。野辺山の場合は合意形成に時間を要したという。ソーラーパネルは地元の方々には間違いなく異物だ。景観の問題、開発した農地の地盤や利水の問題などなどを説明会を重ねてご理解いただいたとのこと。結果的に地域で独立した電力を生み出し、災害に強い地域づくりや地元に雇用を生むという利点は、地域づくりに大いに役立つと合意を受けたのだ。
現場を離れ、飯田さんに案内されて野辺山営農ソーラーの代表・宮下博満さんが経営する花農場を訪ねた。宮下さんが飯田さんたちをいかに信頼しているのかは笑顔を見ればよくわかる。飯田さんが最もイキイキして見えるのは自然エネ事業者の方々と触れ合う姿だ。本当に楽しそうだ。
映画公式サイト
https://saibancho-movie.com
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