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妹の結婚式Ⅱ
「こんな襞の間に隙間開いちゃって、汁漏れるよ」
「そんな剥かないでいいよ」
「綺麗にピンクだ😍😍😍」
妹とは「お前にそっちは任せたぞ」「こっちは俺に任せとけ」
みたいな分担が出来ていると思っていた。
そっちというのはつまり、私が母の腹にわすれてきた”普通にイイヤツ”の要素を”食物繊維のイメージ絵”みたいにゴッソリ持って出てきた妹にこそ取れる生き方で、こっちというのは”食物繊維のイメージ絵を見た人”みたいに「俺ってこんなに普通にイイヤツわすれてきてんだ」に気付けた私にこそ取れた視点。
その視点を以て言えば、初見で私の妹はスーパーなんでも出来るガールなのだった。
御曹司などとは言い条、中流階級で御手伝いさんの一人もいない”共働きの実家”でキッチンを任されてきたのが兄:私だった。「その視点」などは皆目なんの役にも立たず、唯一得意な家事が料理で、そんな私が妹に伝授できる嫁入り知識はキッチンの中に限られる。
スープを作る時はコトコト煮る時間よりも、根菜をよく炒める時間を意識する事。もっと言えば味覇と溶き卵を入れておけばだいたいの御湯が旨くなる事。てかそれがベースで、あとは酸なり辣なり気分のシーズニングやスパイスを好みでぶち込んで、…父は問答無用で塩振ってyourselfで…結句小さじ一~三杯の臨機応変がスープには大切だという事。ピクルスの残り汁には醤油を足して鶏を煮込んで甘酸っぱ煮にする事。母は五香粉を嫌う、緑の粉チーは実はコスパ悪い、食器片すまでが料理etc.
そうやって私は今日、一汁一菜献立とレシピをまとめて、御手紙を書いている。献立も御手紙も、いらん冗談といらん情報を判断、取捨選択するのが難しい。「おめでとう」これを伝えるだけの筈が本当に周りくどくて、書き始めすら書けていない。
妹の結婚についての記事は二本目になるのだが、私の生き方が秀逸というか綴り方が妙妙ってかぶっちゃけここが兄貴人生の特異点なので、三部構成の二部にして、序破急の「破」、起承転結の「転」となる。すごいことだ。
…↑今読み返すと未熟ながらも一生懸命脱線して本筋を進めない語り方を意識しているのがかわいい🤭褒めてくれた方々、応援して下さった方ありがとうございます…
要するに、
私は今手紙を書いている。
そこで序破急とはなんだ!起承転結とはこうだ!なんて説いていても仕方ないわけで、では何が言いたいかというと、妹の結婚式に出席するにあたり、ナルコレプシーなどは真の懸念ではなかったということ。本当の脅威に焦点が当たって来る。
先日、大手企業に就職した同級生の年収が一千万円だと聞いた。29歳で。私が遊んでいた間も社会人をしていた奴だ。そこで気付いた、
大卒、IT企業に就職、25歳で結婚、マイホーム所有。妹は実に能動的にその生き方を実践してきたわけであって、私はただこの自慢の視点を持って傍観していただけなのかもしれない。「こっちは俺に任せとけ」とはつまり、「傍観は俺に任せとけ!」と威張っていたのだ。
比喩的に言って、ただのファンがドジャースのスタジアムまで飛んで行って熱狂的に叫んだとして、能動的なのは大谷翔平である。てか、会社休んでそんな事しているもんだから、社会から見たら同僚達の方がよっぽど私より能動的なのかもしれない。ただのファンが私、大谷翔平が妹、同僚達が社会人の皆様、という比喩である。
ただのファンがスーパーなんでも出来るガールの大谷翔平にアドバイス出来る事なんてあるだろうか?「お前日本帰ってきて働けよ」同僚はそう言うだろう。或いは、(御手紙なんて大した事書けないのだから)「なんのはなしですか」を書きなさいと。
そうやって同僚に説教されている居酒屋で不貞腐れ、テーブルの上に遠慮して一本だけ残された手羽先と唐揚げを、枝豆の鞘の空洞やIQOSの莢、ピンクのまま乾いて冷めた肉と襞が開いちゃってる餃子の穴を眺めているのが私だ。比喩的に言って。
それでも悩んで、なんか伝えたい。
むかない方が大事な栄養がある。穴開くぐらいなら襞つくんな。ピンクのチャーシューつくんのはムズイ。私の経験から言って。
「一瞬の光を切り取れ」「切り取ったらそれはもう一生だ」「それでも絶対に許容できない事があるかも」先輩達の経験から言って。
「なんで結婚したの?」に面倒臭い顔をしない人はいないし、面倒臭い顔をしないのなら、きっとそいつはウソつく。
「こんな事めったにない」が毎日起こってる
「なんで私が」ってみんな言ってる
「これは閃きだぞ!」は毎秒みんなの天啓で、その日の終わりには全てすべって消えてる。
「なんでも出来る」は金銭的に余裕があり、女性の社会進出が充分推進されていればの話。
教育を受けれない少女達やFGM根絶の為に声を上げる事が出来るし、あいつは見当違いでヘタクソで私はこんなセックスがしたいのだと正直な性欲を叫ぶ事も出来る。でもキッチンには立ってみて欲しい。女だからってキッチンなんか立つか馬鹿野郎お前のレシピなんてクソ食らえだとこれをゴミ箱に捨てる事だって出来るけどそれは家族間での私のアイデンティティをとことん愚弄する事になるので私は泣く。ぴえーんぴえん。だからもしもあなたのおばあちゃんが魚ぐらい捌けないでどうするのとあなたを叱った時、確かに頭に来るけど、まあまあ。少しぐらい付き合ってあげてもいいのかもしれない。
かく言う私だってミソジニストのジョークで笑う事があるしフェミニストか?と訊かれればうーん。男性としての保身を第一に考える。
科学的に、男か女で、私は男だ。
非科学的に、根拠がある正義があってその相対にも正義があり、根拠がある。
相似的に、殺虫剤は核兵器ぐらい生殺与奪のバランスを壊すのに倫理的に問題がない。
現実的に、ホロコーストタルサアパルヘイト文革etc.書かれても書かれても今だって殺してる。私はただ見ているだけ。明日のニュースで数字を知るだけ。
同級生のふるさと納税額が十三万円ってことは、断定的に29歳でだいたい年収一千万。数字知っただけで当事者感覚で驚く。
なにか不安を見つけないと気が済まないのか?めでたかったのに、気付けばこんな事ばかり考えている。書いている。情緒は比喩的に、ゆあーんゆよーんゆやゆよんのブランコ。そいやブランコに挟まった人がいた。
今週の記事達読んで、悩んでいる人だらけだった。
・小学生と一対一、裏表の探り合いに悩む人。
・推しを慮って推しかた一々に悩む人。
・ママ友との一発目のLINEに悩む人。
・牛乳奥から取る人に悩む人。
・好きな人にオーガズムを与えたいと悩む人。
・会話一つあればそこに悩みが生じる人。
・スカート履いてチャリ乗った人が前から来て目のやり場に悩む人。
・どんな言葉を二回続けたらスケベに聞こえるか悩む人。
・妹の御手紙に悩む私。
要するに、
私は今手紙を書いている。取捨選択している。
いやこれ、全部「捨」だろwwww
なんだけど、
この悩み、そのまんま記事にすればいい。
妹よ、…兄貴あの飛ばすやつ出来ないから…奇跡的に読むふりしてここまで飛べ。
要するに兄貴はね、
年収一千万ほじぃぃいいいいい🙄🙄🙄
だからこんな頭ぐちゃぐちゃになってる。解決できない事に悩んでる。でも↑上の人達はみんな悩んでるから面白い。この悩みを突き詰めた先、妹の結婚式Ⅲは最高の結末に決まってる。
悲しい事あっても笑えるし喜んだ時でも悲しくなる。お前にオジサンラインだと笑われて悲しかった事もわすれていないから御手紙書くの億劫だ。
オジサン構文上等だ。絵文字はY2Kの文化遺産だ。画面上にしか綴れない文学だってある筈だ。男はアラサーでもうオジサンらしい。どうせお前の友達は俺(オジサン)の緑頭見て
…ねえねえアレが兄貴らしいよ😏…やっば頭緑じゃん🤣…なんで…大喜利みたいなタトゥー身体中に入ってるらしいよ🤫…なんで…やばいよ…なんで…なんでじゃないよ。やばいでしょ…そか。やばいね…
なんて言うんだろうけどさ、これが年収一千万だったらどうなっていたか、
…ぶっひょーー!…えぐえぐえぐえぐ…噂の御兄さんだ…頭緑なのって、ドル札風呂入りすぎて御札の色が移ったらしいよ…個性あるね🤩…LINE交換したぁあああい😻…緑だけにね🤭…なんで…ほらLINEのアイコンって緑でしょう…
そう、年収一千万あったらお前の友達と、チッピチピのルーギャーのチャンネーとインラー換交できたんだ。
やっぱりくやじィイイイイイ😩😩😩
夢見ていた自分からは遥かに遠い。貯金もない。うちの会社だって絶対に継がない方がいいし、お前が言った様にアラサーサラリーマンは緑頭じゃダメだ。あの頃肯定出来た物、振り返ってみれば全部否定したい。
でもね、あなたはやっぱりスーパーなんでも出来るガールなんだ。どれだけ悲観的に見たってそれは否定できない。「こんな事ばかりあるの?」はばかりある。「みんな閃いてない」は閃いてる。「なんで私」はみんな言ってる。「答えて」「助けて」と言われてももう俺がどうにかできる範疇ではないだろう。でもあなただ。俺はあなたの存在を選択を否定できない。
要するに、
風が金木犀の匂いをしらせてくれる夕、いかがお過ごしでしょうか。私は今日、黒染めしました。
ここまで書けたよーーー🤗🤗🤗
って思ったらさっき、LINEが届いた。
どうしよう結婚式の費用700万超えたwwwwww
今色々落としてる
破ぁああああああ😩😩😩😩😩