マントラと音楽 デヴァ・プレマール/ミテン
私たちのライフワークは、人々がともに祝祭と瞑想のために集まれる集会を、この惑星のいたるところに創造することだ。
―デヴァ・プレマール/ミテン
デヴァ・プレマール&ミテンとの出会い
デヴァ・プレマールとミテンが、マントラの詠唱をコンサートやCDアルバムなどで世界に紹介しはじめてから、ほぼ20年になります。今ではツアーで世界中をまわり、毎回、コンサート会場には数千人の観客が押し寄せるほどになっています。
彼らのマントラミュージックが、まだ世界でそれほど有名になる前、来した際に東京でのコンサートを企画開催したことがありました。そのときは会場をいっぱいにするので精一杯でしたが、現在の彼らと比べると隔世の感があります。
2014年、彼らに久しぶりに出会う機会がありました。オーストラリアのバイロンベイにあるラハシャ博士の自宅セミナーハウスでのコース最終日に、彼らが突然現れて、20人足らずのコース参加者を前に、マントラミュージックを披露してくれたのでした。
ラハシャは自身のワークショップでも、瞑想のひとつとしてプレマールのマントラミュージックを流すことがよくあります。
彼らもバイロンベイの近くに住んでいるということで、ラハシャがミニコンサートをアレンジしてくれたのでした。
また、その年の夏に、ユニティインスティチュートのツアーでプラサードたちのいるセドナに訪れた際にも、ちょうど彼らのコンサートがセドナの高校で開催され、そこでも再会することができました。プレマールとミテンはリーラたちとも親友なので、演奏後に会わせてくれたのです。
そして今年、ふたたび行われたバイロンベイでのラハシャのコースでは、近くのマロンビンビという村の市民会館で彼らのワークショップが行われており、そこでのコンサートでまた再会しました。
そんな偶然とハプニングが重なったこともあり、今回のOauマガジンでは、デヴァ・プレマールとミテンの活動を紹介することにしました。
マントラが子守唄
マントラミュージックを歌っているデヴァ・プレマールは、彼女が母親のお腹のなかにいるときから、父親がいつもヒンドゥー教の最も神聖なマントラのひとつ《 ガヤトリーマントラ》を詠唱して聴かせてくれていたと話してくれました。それはまた、毎晩彼女を寝かしつけていた子守唄でもあったのです。
プレマールは、そのときの思い出を、次のように語ってくれています。
「私が母のお腹のなかにいたとき、妊娠期間の最初から最後まで両親は《 ガヤトリーマントラ 》 を歌って、私を歓迎してくれていました。そして、私が成長していくにつれ、私たちは寝る前に、いつも一緒に《 ガヤトリーマントラ 》 を詠唱しつづけたのです。自分がなにを歌っているのかも、その理由も知りませんでした。ただ、そうするように言われ、そうしていただけです。その貴重な時間と、両親が私に与えたかったものに感謝するようになったのは、ずっとあとになってからです」
インドでは、《 ガヤトリーマントラ 》 は最高のマントラといわれ、唱える人々を悟りへと導くだけでなく、その周囲にもよい影響を与えるといわれています。
インドの聖人マハトマ・ガンジーも「《 ガヤトリーマントラ 》を唱えることは、病を癒し、魂を向上させる手段として非常にすぐれたものである。堅忍不抜の精神と、純粋な心でガヤトリーの唱名を行えば、苦境において起こりうる障害と災いを取り去ってくれることだろう」と紹介しています。
祝祭と瞑想のために
1991年、デヴァ・プレマールと彼女のパートナーであるミテンは、当時二人が瞑想を学んでいたインドのOSHO瞑想リゾートで出会いました。
1998年にリリースされたデビューアルバム『The Essence』は、世界のニューエイジ・ミュージックチャートのベストセラーとなり、彼らのマントラミュージックは世界中に広がっていきました。
書籍『ニュー・アース~意識が変わる、世界が変わる』で有名な作家のエックハルト・トールは「聴いているうちに、マインドの彼方にある聖なる空間が、自然に、楽々と出現する」と語っています。
デヴァ・プレマールとミテンは「私たちのライフワークは、人々がともに祝祭と瞑想のために集まれる集会を、この惑星のいたるところに創造することだ」と述べています。
マントラを唱える瞑想というのは仏教などではよくありますが、マントラを歌う瞑想というのはとてもハートフルです。
コンサートでも、彼らは音楽を演奏し、歌って聴かせるだけでなく、ともにマントラを歌うことを促し、会場は観衆全員のマントラの歌声で満たされます。
彼らのコンサートは、ともに瞑想する機会として開催され、観衆は拍手するのではなく、マントラのバイブレーションのなかで瞑想することをアドバイスされます。
そして、演奏が終わっても、スタンディングオベーションやアンコールなどはなく、ただ静けさに満たされたなかで終わっていくのです。
愛と瞑想の波動に包まれて
彼らのアルバム『Mantras For Life』は、瞑想実践をサポートすることに焦点が置かれています。
また、21日間のオンライン瞑想シリーズ『The Spirit of Mantra』を上演し、これは世界中から20万人以上の瞑想者が参加するという企画でした。
文明は発達して便利になり、生活は快適になっているものの、世界中では環境破壊が進み、津波や噴火、大洪水などの大災害が起こり、また、経済危機やテロなどといった人々を不安と混乱に陥れるような、さまざまな出来事が起きています。
そのなかで求められているのは、心の平安や人々とのつながりと思いやり。頭ばかりが偏重される社会のなかでの、愛と瞑想の必要性です。
デヴァ・プレマールとミテンのマントラ音楽は、ただ聴くだけで、心に安らぎとヒーリングをもたらし、愛と瞑想の波動に満たされることでしょう。
デヴァ・プレマール/ミテン
クラシックの教育を受けたドイツの歌姫デヴァ・プレマールは、ニューエイジ・ミュージックの分野において、特に生涯の伴侶で共同制作者であるミテン(彼自身も1970 年代のイギリスのブルース・ロックシーンの一翼を担った定評のあるミュージシャン)が提供する現代音楽スタイルでのマントラの詠唱という独自のスタイルで最もよく知られている。
プレマールの最初のアルバム『The Essence』は1998 年にリリースされ、つづいて2000 年には『 Love Is Space 』がリリースされた。
2008 年、プレマールとミテンは自らの以前の作品を編集した最新作『Into Silence』をリリース。2007 年作品『The MOOLAMANTRA』は、即座に複数ジャンルのチャートでトップを占めるニューエイジヒットとなった。
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