【単巻5冊読書感想80】『あれは閃光、ぼくらの心中』『メトロ怪談』『図説 本の歴史』『おやすみの歌が消えて』『爆弾犯と殺人犯の物語』
お久しぶりです。
何してた……というと、2024年400冊を目指してひたすら読んでた、トイ言いたいところですが。
図書館の貸出期限と予約取置き期限と戦っていましたね。
何が問題って、ブックガイドの紹介本をリスト化して全部読もうとしていることですね。
ブックガイドって、眺めて読みたい本を読めばいんだよ、と誰か教えてやってください。
さて、3・4記事溜まってるので、サクサク行きましょう。
読んだのが先月末な、5冊はこちら。
【1冊目】竹宮ゆゆこさん読破の旅『あれは閃光、ぼくらの心中』
2024年は、昔から好きな作家さんを読んでいこーということもしておりまして。
『とらドラ!』が大好きな竹宮さん。
でも、逆に『とらドラ!』が好きの頂点すぎて、他の小説を読んでも「うーん」なことが多いんですよね。
が。
今作は良かった!!
ピアノしかないけど音大に進学できなさそうな高校生と、生きるのやめるのも保留してるホストが出会って、共同生活を始める……という感じ。
あらすじからして、エモい。
まぁ、大抵エモいんですけどね、竹宮さん。
でも、今回はテンションがエンディングまで持続して、しかもエンディングもエモいっていうね。
読んだのが一ヶ月以上前まので、ふわっとした感想になっております。
でも、一般文芸での竹宮さんで一番好きなのがこれ、ってくらい楽しんで読んで、読後感も良かったですね。
【2冊目】鉄道系の実録怪談はダメです!!『メトロ怪談』
※Kindle Unlimited対象
電車・駅内・踏切の怪談を集めてほしんですよね。
今回はメトロなので、踏切じゃなくて地下空間とかになるのかな。
でもね、実録怪談の鉄道系はですね「沿線」っていう意味なんですね〜。
鉄道系怪談じゃなくて、地域系怪談なんですよ。
そんなの、タイトル詐欺やん。
『阪急沿線怪談』ってのを、今年の二月くらいに読んでまして。
こっちはタイトルに「沿線」って入ってるから分かりますけど、でも神戸色もあんまりない、阪急電車も関係ない話が多くて。
で、『メトロ怪談』。
地下鉄って阪急沿線より広いし、地下鉄に関係する話ばかり集まってるんだ!
と、期待高で読んだんですが……。
『阪急沿線怪談』よりは、鉄道系の話は多かったけど。
でも、そこそこないんですよね。
それ以上に、文章が合いませんでしたね。
複著(ほぼ単著)というのがキツかったです。
実録怪談は12月末発売のつくね乱蔵さんの新刊までいいかなー……。
【3冊目】うーん……『図説 本の歴史』
NDC攻略。
見開き1ページごとに各トピックが解説されて行くんですが、
写真が多くて、実際の文字数はもっと少ないんですね。
で。
導入とまとめで三分の一くらい。
しかも、これが結構、適当というか、正直、下手。
読んでて結構、ストレスでした。
大抵のことは、司書課程で履修済みですしね……。
分厚くても、しっかり学術的に構成が練られている本がいいなーと思った次第。
【4冊目】無差別銃撃で兄が殺されて『おやすみの歌が消えて』
無差別銃撃犯が学校に。
兄が犠牲になってしまい、家族がバラバラになる中、必死に生きる小学生主人公。
銃撃犯は、母子ともに仲のいい学校の警備員さんの息子。
母親は、犯人の親を有罪にする運動に身を投じていき。
しかも、父親はどうやら不倫していて。
という、読んでいくと辛くなる。
でも、必死に生きようとしている主人公を応援しながら、一気読みしちゃいました。
涙が止まらない……。
こういう、子どもの一人称目線の小説、没入感がやばい。
誰もが通ってきた道だからかな?
『夏と花火と私の死体』とか、『向日葵の咲かない夏』とかも無茶苦茶面白いですしね。
子どもが主役の一人称小説、もっと読んでみたいなーと思いました。
それで。
主人公が『マジックツリー・ハウス』という長編ベストセラーの児童書を読んで助けられるというシーンがある。
両親とも、本の内容を教えたり、一緒に読んだり、関係を改善させていく……という描写が。
『マジックツリー・ハウス』はタイトルだけ知ってるんだけど、まだ読んだことがなかった。
というわけで、このシリーズもちょこちょこ読み始めています。
51冊の長編ですが、1冊15分くらいで読めますしね。
また読み終わったら、シリーズ感想でまとめたいと思います。
【5冊目】厨二になりすぎずエモい恋愛小説『爆弾犯と殺人犯の物語』
タイトルに惹かれて借りてきたこちら。
しかし、爆弾犯と殺人犯……となると、なんというか、厨二設定になりすぎて、置いてけぼりになりそう。
ストーリー破綻したラノベによくある感じで。
と思いながら、読み始めたんですが。
杞憂でしたね〜。
ふわっとした文体がまず包み込んでくる感じ。
短編のうち2編は、爆弾犯の方が主人公なんだけど「彼女は本当に殺人を犯したのか?」というミステリ仕立てになっているんですね。
これで、リアリティがちゃんとあって、作家さんの独りよがりのストーリーになってない。
それが、めちゃくちゃ良かった。
最終話、主人公がトーチャンになるんですけどね、子ども目線の一人称で。
これが、あれだけ色々ぐだぐだ考えている爆弾犯、まぁ他人から見たらこんなのんびり男に見えるよなー!! という。
そこらへんもエモかったですね。
作家さんのフェチもしれっと盛り込んであって、恋愛小説としても楽しめました。
オススメ。
さて、久々の読書感想でした。
あと数記事分、溜まっているので連続投稿するかもしれません。
2024年もあと少し。
みなさまの読書の充実を祈りつつ。