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【シリーズ読書感想】恐怖箱シリーズ(計52冊!!)
わたし、note記事の各所で竹書房怪談文庫を推しています。
竹書房怪談文庫は、実録怪談の文庫。
Kindle化している既刊に加え、毎月の新刊5・6冊もKindle Unlimited対象になります。
毎月の新刊より月刊読了巻数が少ないと、無限に実録怪談を読めることになります。
という、活字中毒にはありがたーい文庫となっています。
問題点があるとしたら、どちらかというとマイナー文庫なので、Kindleの検索がうまく機能していません。
おすすめ表示や、著者検索、シリーズ名をプラスして検索など、色々と工夫を凝らして探さなければなりません。
まぁ、Kindleの検索が機能していないのは今に始まったことではないので。
実録怪談がアングラジャンルなのも相まってら工夫しながら探すのもちょっとした楽しみになっていたりします。
で。
その中に、「恐怖箱シリーズ」というのがありまして。
いや、それがどういうシリーズなのかどこにも誰も書いてくれてないのでよくわかりませんが。
そういうとこやぞ竹書房、という思いも少なからず笑
既刊85冊とかなりの超シリーズになっております。
Kindleでシリーズとして紐づけられているのは、そのうち51冊。
51冊というだけでも十分、たくさん読める。
2023年7月に新刊が追加され、52冊になりました。
残りの34冊はなぜに電子書籍化してないのか……竹書房さーんというところはありますが。
まぁ、とりあえず、52冊。
完走しました。
2023年で読もう、と思ってたんですが、8月にして終了。
というわけで、徒然と感想を綴っていきます。
好みの怪談、推し作家を探す!
単著はもちろん、共著でも百物語形式からテーマ怪談まで色々な形式があるので、自分の好みの怪談を探す楽しみが。
百式シリーズとされる百物語形式はイマイチだなーと気づいたり。
読んでみれば案外、百式以外の百物語は楽しめるかもしれませんが笑
元から、小説でも短編より長編が好みなので、実録怪談でも分量多めの方が好きなのかもしれません。
テーマ別怪談で気になった作家さんの単著をワクワクしながら読む、という楽しみ方をしていたと思います。
また、例年、竹書房怪談文庫を片っ端から、「今年はこのシリーズを読破するかー」という形の楽しみ方をこれまでしていました。
けれど、共著の中でも毎回際立って「この作家さん、いつもヤバい!」という方がいて、「この怪談作家さんの本をもっと読みたい!」という推し作家さんができました。
この怪談作家さんいいな、と思った三名を紹介してみたいと思います。
超絶好み! 厭系のつくね乱蔵さん!!
まずは、ダントツで厭系のつくね乱蔵さん!!
初めて単著を読んだ時には、単巻5冊感想で興奮を書いてしまったほど。
なんというか、わたしの理想の実録怪談はこれ!!
いや、理想を超えて、実録怪談は格あるべきというものを見せつけられてしまって、魅せられたというべきか。
カジュアルにサクッと楽しむような実録怪談では決してないんだけど、それでいて日常の隣に置いておきたくなるような、忘れたくはない怖くて厭な世界というか。
「実録怪談って何?」って方に勧めるなら、断然、夏の爽やかさと実録怪談の怖さが同居している『湘南怪談』になります。
こちらの神沼三平太さんも恐怖箱メンバーで、恐怖箱読破した今は、「あーそーゆー、上手くカジュアルにして、それでいて怖さもちゃんとある作風の方だよね!」とか思うわけですけれど。
けど、通というか、「実録怪談っていいねー」っていう方には、「つくね乱蔵さんって知ってる?」って話を振って盛り上がりたい!
まだ読んでないなら、むしろゴリ押しして読ませて「いや、これは無理」って反応を引き出したい!
小説みたいな一風変わった作風 雨宮淳司さん
うん、すごく好みが分かれる実録怪談作家さんだと思う。
実録怪談は、基本的に2〜3分で読めて、長くても5〜6分程度になるように編まれている。
実際に取材して集めてきた話だからこそ、重みを加えるというか、それ以上長くなると耐えきれないものがあるんだと思う。
それは、リアリティにしろ、怖さにしろ。
でも、雨宮さんは、10〜20分の話を書いちゃう。
もはや、小説に近い。
取材した話に基づいて、小説風に編み直しているという趣。
聞いてきた語りをそのまま書く、という点を重視している実録怪談の世界ではちょっと異端と言っていいかも。
というわけで、実録怪談に慣れている人こそ「え〜……? これは小説じゃん。冷める」っていう反応になってしまうみたい。
でも、わたしは「こういうアプローチもあるのか!」と思ったんだよね。
「撃墜王」とか怖いし、2月に読んだのにまだちゃんと内容覚えてるし。
精神科病棟の看護師さんというバックグラウンドで集めてくる話が一味違うのも魅力。
病院系というと山ほどありそうに思えて、雨宮さんの怪談は他と絶対かぶってない!ってくらい。
まぁ、世の中には、類話がたくさんあるからこそ「本当にこれは存在するんじゃない……?」みたいな、ダーレスがぶっ壊したクトゥルフ神話が本来狙ってた演出効果が出てくるってこともあるんだろうけど。
でも、雨宮さんの「他に類話はない」は「マジで隠されていた病院業界のヤバい実際の怪談が、今、ここに語られるーーー!」みたいな感じなのよね。
先ほどの「撃墜王」とか特に。
実録怪談好きも、「ちょっと違う実録怪談作家さん」と思って読んだら、感想は違ってくるんじゃないかなー。
「これは実録怪談ちゃうわ!」と思われる可能性もあるけど、ここは、ひとつ、楽しめる怪談の幅を広げるとか、そういう心づもりで挑戦をお勧めしたい。
本当かどうかわからない、というのは、ほら、どの実録怪談だって同じわけですし。
初参加でトリ!? 若本衣織さん
85冊もシリーズが続いていたら、当然、著作陣の入れ替わりもあるわけで。
2022年から初参加の若本さん。
いや、初参加にして、最後2話という美味しいポジションを掻っ攫っていく。
しかも、これが、「もっとこの方の実録怪談読みたい!!」って感じの話なの!!
だから、じっくり味わっての「いい!」というよりも、もっと読みたい、知りたいという「いい!」かな。
恐怖箱シリーズ読み終わったら、「若本さんの単著や、共著で参加してはるシリーズ読むんだー(ワクワク)」みたいな。
え?
50冊以上も実録怪談読んで、飽きないのかって?
うーん、読破していって、「当分いいかなー」とは思うんだけど。
でも、隙間時間に読もうとKUで貸出すると、結構面白く読めちゃう。
それが実録怪談の一番の魅力だと思う。
というところで。
さて、次は何を読もうか。
って、まずは、若本さんの単著ですけど笑
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