牧のうどんの「肉うどん」は、僕を甘やかしすぎて走馬灯がよぎる。
こんにちは。福岡に移住してフリーランスをしています酒井です。
iPhoneの写真フォルダには娘とうどんの写真しかありません。
さて、うどん屋さんに行って「肉」と書いてあった場合、「牛肉」であることは、もはや義務教育レベルの教養となっています。
「いやいや、かしわってこともあるやろう」
と言ってしまったあなたは、北九州の方ですね。
そもそも「かしわ=鶏肉」が方言でありますから、その認識はお忘れなきよう。
というわけで、日本のうどん屋さんメニューに置いて「肉=牛肉」はどの店でも高価格帯に位置する皆の憧れであり、ハレの日の食べ物であると高らかに宣言したいのであります。
もちろん、僕が敬愛する「牧のうどん」でも「肉うどん」は鎮座しておりまして、その価格620円。
回転寿司で言ったら「金皿」、
ウナギ屋で言ったら「特上」、
ステーキで言ったら「シャトーブリアン」。
と言った位置付けになっておられます。高貴な食べ物なのです。
肉うどんは、人間を甘やかす食べ物である。
牧のうどんの最上級メニューを食べるからには、聖地に赴くしかありません。
厳かな面持ちで、本店に家族へお邪魔いたしました。
さすがメッカ、満車です。
そして、元気なおばちゃんに、若干緊張で上擦った声で、
「に…肉を。」と伝えると「はぁい↑」という、なんとも小気味の良い返事をいただき、嬉しさが溢れる。
まもなく着丼した一杯がこちらになります。
非常に幸せである。
本当に美味しいものって食べる前から美味しい。めでたい。
この牛肉の色。どれだけの時間をかけて仕込んでくれたんだろう。
ネギも飴色になっちゃって、もー…
スープもいつもの透明スープではなく、肉の旨みが溶け込んだ色に。
いつもの魚のガツン系の魚だしに、肉のコクの旨みが合わさったWスープになっちゃってるわけですよ。旨み成分グルタミンが致死量レベルで溶け込んでいることは見ただけでわかっちゃうわけです。
で、一口食べてみますと…
「ありがとう」
と合掌したくなるほど美味い。
何日も食べていない人間が、久々に食事をした時に涙が出てくるようなことがあるらしいですが、ほぼ毎日うどんを食べている僕でも、涙が出てくる。
「美味い」「旨い」の語源は「甘い」であると言われています。
甘さは旨さに通じ、人間は甘さの味覚を先天的に持っているため、甘さは人間が経験する最初の美味しさの感覚といえます。
なんか、赤ちゃんが母乳を飲んだ時に美味しいと感じるために先天的に「甘さ」に対しては美味しいという反応を示すそうです。
肉うどんは、そう言った人がもつ先天的な感覚を満たす「甘さ」がじわあっと口の中に広がるんですよ。
見えてくるんです。ゆりかごの中にいた頃の自分の姿が。
母の胸に抱かれて、好きなように過ごせていた自分がそこにいた。
って、あぶなああああああああい!
今、肉うどん食いながら、走馬灯のようなものが見えていたぁ!!
幸せすぎて死にそうになるような甘い味わい。肉うどん、恐ろしい子!
卓上のネギが、バッチリ合います。
実はウエストの「豚肉得うどん」を食べた時にも感じたのですが、
甘い味付けのうどんって、ネギがめっちゃ合うんですよ。
牧のうどんにも「卓上のネギ盛り放題」制度はありまして、ここにも本当に感謝の気持ちしかない。
なんか、この卓上ネギが…
・ウエスト=辛め太め
・牧のうどん=甘め細め
と感じるのは僕だけでしょうか?
肉の甘さを走馬灯が流れるくらい味わった後には、一味とネギで味変!
これが、また美味いんです。
甘辛ループが丼の中で爆誕しちゃってるんですね。
この肉うどん食べている間って、本当に味集中システムが働いてしまっているので、いつもだったら家族とそれぞれの丼をシェアするんですが、この日はするのを忘れてしまう…いや本能的に丼を離さない何かが反応してしまったのかもしれません。
忘却のかなたへ、幼少期にタイムリープできるうどんをぜひご賞味くださいませ。