第14感 あとおいトレンド
人生は有限。
こんなことは昔から知ってるんだけど、ついつい忘れてしまう。
しかし30歳を迎え、周囲の友人が続々と結婚し、子供を儲け、そうなってくるといよいよ実感せざるを得ない。
かの有名なジャネーの法則によれば、体感時間で言うと人生の半分は19歳らしいので、もう10年前には折り返してしまっている。
じゃあそんなことを再認識したからと言って、今すぐこの一瞬一瞬を大切にできるかと言えばそういうわけでもなく、やはり無為に過ごしてしまうことが多い。
僕は何かをするときに、音を欲してしまう。
家事をしている時、移動時間、部屋でただただスマホを触っている時。
こういうとき、僕は何度も見た動画を流す。
文字通り本当に流しているだけだ。注視することなどなく、気づけば動画が終わり、もう一度同じ動画を流してしまう。
これはさすがにまずい。無為にしすぎている、無為の極みだ。
そう思った僕は色々と考えてみた。どうすれば自分の中で折り合いがつくのか。
まず初めに考えたのは、日常に自分の趣味を盛り込む作戦だった。
僕であれば、映画を見ること、MARVEL作品を見ることが趣味なので、これを摂取しようかと思った。
しかし僕にとってこれらを摂取するにあたって、ながら見、ついで見は許されない。
好きなものだからこそ、真剣に向き合いたい。
だから、この選択肢は外れた。
次に思いついたのが、話題になった、もしくは気になっていたドラマやアニメを見るというものだった。
確かに、ドラマやアニメというのは1タイトル辺りの時間が映画に比べて長く、話題になっていたとしてもあとから手を出すにはどうにも気が引けてしまう。
2020年、いわゆるコロナが流行り始めた頃はそれにしても時間があったため、色々と挑戦してみたが、それ以来ぱったりだった。
よし、この作戦にするか。
ドラマやアニメが好きな人からすれば、ながら見など許せないという人もいるだろうし、ましてや作り手側の人からその点を指摘されればぐうの音も出ない。
しかし、これだけ娯楽が飽和したこの世の中において、全部を真正面に受け止めることなどほぼ不可能であり、そして同時に、大抵の娯楽は少数の熱心なファンと、多数のにわかによって支えられている気がするのだ。
だから僕は、映画に関してはできるだけ少数の熱心なファンでありたいと思うし、それ以外の娯楽については、もし触れられるのなら多数のにわかとして触れようと思う。
そしてもしも製作者や熱心なファンの人と会うことがあれば、そのときは、へりくだって接するつもりだ。
何もその時にながら見しました、というほど無礼な人間でもないし。
ということで、この一カ月弱ほどでいくつかのドラマ、アニメを見た。
と言っても今回の「ながら見」という目的上、日本の作品に限っている。
やはりせっかく作品を見るのなら、その国の言葉で見たいというのが僕の根底にあるため、ずっと画面を注視している必要がある字幕の作品は向かないからだ。
いざ見てみると、やはり面白いのだ。
まあ現状は話題になった作品だけを見ているため、外れくじを引いていないからだが、しかし面白い。
こういうときに度々思うのが、無駄に逆張りする正確でなくてよかったということだ。
僕はミーハーだ。ミーハーだからこそ、世間でいいとされるものをいいと思うし、笑える作品では笑い、感動する作品ではうるっと来るようになっている。それでいい。
また自分の中でこういう風に割り切ったことで、ドラマやアニメを見ることに対してのハードルが下がった。
というか、勝手にハードルを上げすぎていた結果、越えられなくなっていたのだ。
つくづく、愚かなことをしたと痛感している。
今回のこともこのラジオで話しているのでもしよろしければ聞いてほしいし、今後も何か見た際には話していこうと思う。
結局ラジオで話したことばかりである。
まあでも、それもまたご愛嬌。こういうのも魅力なのだ。
今日はこれくらいにしておきますか、いやもう少し書きますか、いや……
もうええでしょう!