死にたいと思ったらしてほしいこと
やっと1学期が終わった
通常の半分の人数で受けた最初のオリエンテーションから3か月半
1教科5時間にも及び全成績の半分を決める地獄の期末テストを オンラインのカンニング祭りと共に終えた
先週は外に出たい欲と勉強しなきゃいけない葛藤の狭間で自分にものすごい圧がかかった
にも関わらず 家で1日中スマホ漫画を読んで過ごし 夜も深くなってきた頃 何もしていない自分に絶望し自己嫌悪に陥る なんて腐った生活をしていた
秋晴れの美しさを窓越しに眺めては 目の前のルーズリーフとラップトップから目を背けた
そんな日々もようやく終わりを告げて
天気予報に反して見事なまでに快晴だった昨日
30分延長されたバイトが終わり次第ダッシュで家に帰り カメラと鍵だけポケットに突っ込んで再び飛び出した
夕日が落とす木々の影は 赤や黄の絨毯に濃淡を残して
あまりのその美しさに歩きながら 写真を撮りながら 涙目になるのを堪えきれなかった
ずっとずっと死にたいと思っていた
自分が嫌いで 大っ嫌いで
先週まで自分の不甲斐無さに絶望して まただ なんて思いながら目の前の現実から逃げて
甘えと弱さの塊でいつだって逃げ道を用意している 卑怯でずる賢いあたし
こんな世界にこんな形で生まれてきたこと 誰よりもその事実を深く受け止めてその全てを悔いた
自分が愛せなくて
この世の全てを疑って恨んで
破壊衝動が毎日のようにのしかかってくる
何かに縋ってなきゃ立つことさえ難しいのに それはどこにも見つからなくて
もういいよ なんて許しを請うような言葉で自分を責めた
だけど もう 全部どうでもよくなった
あたしはこの世界に生きているってことが 奇跡だと思えた
この世界に立って この景色を見ていることが 何物にも代え難いぐらい素晴らしいんだって
そう あのあたしが 思えたの
秋の夕暮れ
死にたくなったら 一度全財産をはたいてカメラを買って秋に向かって旅行してほしい
自然の中でただ思いのままに写真を撮って
死ぬ予定だったはずの場所で 自分の撮ったものを見返してみて
思ってたよりその機械の中の秋は美しくないの
やっぱり本物には何一つ敵わないの
もう一度あの感動を味わいたくなるから
それでも覚悟が変わらないなら たぶんのその選択は正しいよ
決して死を推奨するわけじゃないんだけど 死ぬ前に一度くらい 生きててよかった って思ってもバチは当たんないでしょ
ずっとずっと死を抱えて生きてきたあたしが 初めて自分の生に感謝した瞬間だったの
自分の住んでる場所から徒歩3分の公園だよ
なんて手身近なんだろう
特別がまた1つ出来た秋の終わり 黄金色に世界が染まる時間
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