酒種あんぱんのあんこを選ぶ楽しみよ【銀座木村屋(銀座本店)】
銀座の大通り。数メートル離れた場所から賑わいが漂う。
その時は、まだパン屋さんだとは思わなかった。
「キムラヤノパン」という縦看板は目立つはずなのに、街に溶け込む。
吸い込まれるように人が入っては出て行く。
店にだんだん近づいて、ガラス貼りの店内が見えたら、入らない理由はなくなっていた。
数種類、ずらりと並ぶ、あんぱん。
「お決まりの方、どうぞ。」
女性の店員さんが、慣れた手つきでお客のあんぱんをピックアップしていく。
さすがは、あんぱんの元祖「木村屋」。
”つぶあん”か”こしあん”か、という既存の選択肢は意味をなさない。
うぐいす、柿とクリームチーズ、栗、桜。
あんこが色づく。
常連さんなのだろうか。みんなテキパキと選び、買っていく。
1つ160円程度のあんぱんを買う楽しみを知っている人が、銀座にはいる。
初めてだったから「けし」を選ぶ。
「けし」のあんこは、”こしあん”パンのことだけど、パンの表面にけしの実が沢山くっついている。ちなみに”つぶあん”は「小倉あん」になります。
銀座木村屋の店内は、あんぱんだけではなく、様々なパンが売っている。
若いお兄さんが、男性の店員さんに「こんにちは」と声をかけ、予約の品を受け取っていた。
その人は、受け取った、やや大きめの荷物(中身はパン)を自転車のカゴに入れ、颯爽と銀座の街にまぎれてしまった。
あれは、銀座のサンドイッチ屋さんかもしれないなぁ。だったら食べてみたいなぁと一人思いを馳せる。
自分で買ったあんぱんは、翌日の朝食にしようと決めていた。
コーヒーも合いますね。
少し考えてみれば、西洋から来たパンに日本で生まれた餡子が入ってる。
洋なのか、和なのか、断定しなくてもいいじゃない。
曖昧さを残すところに日本人の優しさがあるのかもしれない。
住所:東京都中央区銀座4-5-7
電話:03-3561-0091(代)
定休日:無休(大晦日、元旦を除く)
営業時間: 1F ベーカリー:10:00~21:00
公式HP:銀座木村家(銀座本店)
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