昧爽(まいそう)
旅館に泊まると、興奮して早く起きてしまうことがある。
朝焼けをまじまじと見たのは初めてだったけれど、夕焼けとほとんど一緒だった。
違いのわからない人間だとわかってがっかりだったけど、同じに見えることに安心感を覚えた。
日が昇ることに望みを託し、日が沈むことに哀愁を感じる。毎日がそんな感じだったら気持ちのアップダウンが激しすぎて大変だ。
地球のルーティーン活動と捉えてしまった方が、むしろ楽なのではないかと思う。
始まりは希望で、終わりは絶望と考えたとしても、交互に入れ替わるから大丈夫だと思える。
「巡っている」ことが重要だ。
人の体も血が巡っていないと動かなくなってしまうし、ちゃんと回れば快調だ。
ルーティーンはつまらない作業で、AIにやらせればいいかもしれないけれど、毎日同じ部分があるというのは人間を安定させる。
地球のルーティーン活動をドラマチックに捉えなくても、中々健やかだ。
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