田村佐和

田村佐和

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ロマンティックラブイデオロギーに脳みそを支配された顛末

愛を尊いと思うからいけないのでしょうか。 愛は本来、傷をつけるものだったのかもしれません。傷によって湧き上がる痛みや哀れみをすくい取って、我々は愛と呼ぶのかもしれません。そうでなければどうして、この純粋な気持ちが、こんなにも酷く私に沁み、頭から離れることがないのかわかりません。 愛あれば、と人は謳います。それは極めて美しく、儚く、果てなき未来へ向かって投げ出される文句で御座います。私もそう信じていました。愛あれば、人を救い、人を生かし、そしてまた自分も、愛によってこそ生き

    • 佐和ちゃんの2019年覚書

      始まりましたね!ミスiD2021! 初めましての方もそうでない人も、どうも田村佐和と申します。 ミスiD2020にエントリーし、小林司さんにたいそう気にかけて頂いて、ジーニアス賞を受賞致しました者でございます。 そして、まず自己紹介の第一声にミスiDでの遍歴しか書けないほど、普段は一般人というような者でございます。 ミスiDのことを偉そうに語れるほど僕は業界だったり人間関係だったりに精通してはいないですし、100%選ばれる/人の注目を集める方法を知っているというわけで

      • 言っておくけどこれを読んだからといってぱやちの先生のこと好きにならないでおくれね。

        ぱやちの先生のことを呼ぶとき、僕はやはり「先生」とつけてしまいたくなる。 先生、という括りをつけるとき、その対象のことを何らかの「職業」に就く者として認識しているのだろう。自分とは一線を跨いだ関係にある、そんな空気を醸し出す称号のはずだ。 僕は、感情や突発的・無意識的な行動から自分が何を考えていたかを後出しに探るという手段をとりがちなので、今回も僕の「ぱやちの先生に対する異常な執着」という突発的かつ無意識的な行動から僕という人間を探ってみよう。 … ぱやちの先生を知ら

        • 絶対にしんみりなんてしてやらんぞ最終日

          最後最後ってしんみり立ち返ってバカみたいに感動するふりで自分を騙して”いい思い出”とやらに変えてしまうなやめてくれ。美化しないでくれ、立ち返ってくれ、反省してくれ。 最後。僕の参加しているオーディション、”ミスiD”のセミファイナリスト期間が、本日23:59を持って終わろうとしています。ミスiDってなんですかという方はこちらから…… 僕は卒業式で泣かなかった人間です。映画なんかで泣いてしまうことも多いような涙腺のゆるい人間ですが、絶対泣かないぞと思っていました。 中森明

          かくれんぼ(小説)

          僕が高三の夏に書いた小説です。本を読むのが苦手な僕が書いたので、読みやすい話だと思います。短いですので、ぜひ。 ***  西暦が三千年を回ったころ、地球人たちはようやく気が付いた。それまでずっと、すべての始まりから現在、そして未来に至るまで指数関数的に広がり続けていくと考えられていた宇宙が、収束を始めているということに。  それまでの理論はすべて見直された。誰しもみんないつかこの世がなくなるなんて思ってもみなかったものだから(よっぽどの心配性を除いて)、その現実は簡単に

          かくれんぼ(小説)

          田村佐和アイドル化計画

          佐和ちゃんはミスiDに応募する前からずっとアイドルをしています。 グループ名はありません。メンバーは私一人です。活動期間は……物心が付いたときからです。ライブの開催経験はありません。持ち曲も踊れるダンスもコールも自己紹介も写真の掲載もかつて一度もありません。 ですが僕はアイドルです。田村佐和、は私が作り出したアイドルです。 おっと、これを"無理をして別の人格を作り出してる"なんて思われてしまっては困りますよ。 私はより良く(良いというのは色んなベクトルにおいてなので、

          田村佐和アイドル化計画