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二級建築士 独学合格体験記 その10 ~製図試験に向けて~


市販のテキストでは足りない!

学科試験以上にどうしてよいか分からなかったのが製図試験です。
最初は独学で頑張ろうと思いましたが、数冊のテキストを買ったところで早々に諦め、通信で製図の勉強に切り替えました。

というのも、市販されているテキストでは「すべての書き方が網羅されていない」のです。

製図試験では
・平面図
・立面図
・1F天井、2F床伏図
・矩計図
を描くように求められていたのですが、あるテキストには「天井、伏図」の解説が無く、他のテキストには「立面図」の書き方が詳しく載っていないなど内容が不十分でした。

また、製図のテクニックについても各テキストによってマチマチなので、何を信用してよいのか分からず仕舞いでした(最終的はいろいろなテクニックをピックアップして戦えたことは良かったですが)。

そのため通信講座に申し込むことにしました。

どの通信講座に申し込むか

私の場合、仕事をしながら勉強時間をどう取れるか分からなかったので、通信講座しか選択肢にありませんでした。
何より集団で勉強することが苦手なので……

最終的に色々と調べて広島にある「ハウジングインテリアカレッジ」さんに申し込みました。

理由として
①安い
②問題量が多い
③基礎講座が動画で見られる
④添削がスマホやPCで見られる
⑤メールでの質問が無制限
だったからです。

値段は大手資格学校と比較するとかなり安かったです。
当時で12万円くらいだったかと思います。
まぁ、12万円自体はそこそこの金額ですけれども……

問題量も他と比べて多く、コスパ良いなと。
テキストも分かりやすかったですし、練習用も含めて各用紙も余るほどたくさんいただけたのも有難かったです。

基礎講座の動画はお試しで見られるものがあったはずなので、合うかどうかを確認してから申し込める点も評価が高かったです。

また、製図した問題用紙は封筒で送るのですが、添削されて返却される前にスマホやPCで添削された図面を見ることができたので、タイムロスも少なく済みました。

細かな質問はメールし放題なので、これもかなり助けられました。

申し込みは早めに

学科試験から製図試験までは2カ月ととにかく時間がありません。
学科の自己採点で合格点をとれていたら、なるべく早めに製図の講座に申し込みましょう。

今まで製図をしたことがない人はテキストでの学習はかなり厳しく、第三者の添削は欲しいです。

私は申し込みが7月中旬になってしまい、そこからテキストや問題が送られてくるまで1週間ほどかかり、手元に届いたころには7月末になっていて試験まで1ヵ月と少ししかなかったので、8月の勉強が相当大変でした。

製図のための道具も揃えるようなので、とにかく早め早めに行動すればよかったです。

道具を揃える

実際に試験で使用した道具はを紹介します。

学科試験が終わると怒涛の勢いでネットショップから在庫がなくなりますので、学科試験明け1週間のうちに集めたいところです。
そこを過ぎると到着が7月末になる商品もあったので、やはり早めの行動が鍵になります。

①平行定規


これに図面を固定し作図します。
当時は横に平行線を描く機能があるもののみ有効で、ドラフターのように傾斜や直角が描ける物はダメでした。
どのようなものが持ち込み可なのか試験公式サイトを確認してください。
メーカーは色々ありますが、個人的に信頼しているステッドラー製にしました。

メルカリなどで中古を買うこともできますが、試験当日に壊れたという話も聞いていたので「高いなぁ」とは思いつつ壊れてしまっては元も子もないので新品を購入しました。

②三角定規 大・小

三角定規は大活躍しました。
大は小を兼ねなかったので両方とも重宝しました。

平面図や伏図の外回りや、矩計図では大きな三角定規を使いますし、
部屋内の細かいところ、立面図の窓や扉などでは小さな三角定規を使いました。

大きい三角定規は本当に大きいくて、小回りが利かないので両方あるに越したことはないです。

③勾配定規

屋根を描くときに便利なアイテムです。
直角を描くこともできるので小さな三角定規の役もこなしてくれることがありました。

製図用紙のマス目を数えて勾配を描くこともできますが、こちらの方が圧倒的に早いです。

④マルチ三角定規

最も役に立った定規はこれです。
円や四角のテンプレ定規もあり、勾配も書いてあり、ツマミがついてるのもポイント高いです。

これは本当に買ってよかったです。

⑤筆記用具

製図用のシャーペンは万一に備えて2本は欲しいです。
濃い図面は評価が高いと言われており、実際に描いてみると薄い図面は見にくいですし密度も低く見えて、イマイチに見えてしまいます。

芯が濃いと汚れやすいと言いますが、HBやBくらいの薄い芯で筆圧を高くすると消したときに跡が残りますし、描くのにすごく疲れます。
また、採点者が何枚も答案を見ることを考えたら、濃くしっかり描いてある方が見やすいとも思い、2Bの芯を選択しました。

実際の試験で、答案回収をしたときに他の方の図面が目に入ったのですが、遠めに見てもダントツに見やすい図面になっていました。
ちなみに太さは0.5mmです。

消しゴムは一般的なものとペンタイプの物を用意しました。
細かいところはペンタイプが活躍したので両方あっていいと思います。
とはいえ、無くても支障はありませんでした。

⑥無くても良かったもの

買ったけれどあまり使わなかったモノたちです。

・消しカスを掃除する刷毛
→高い専用の物を買わずとも、必要であれば100均にあるテーブルダスターで十分です。

・図面を止めるためのテープ
→平行定規に薄いマグネットが付いてくるので全く使いませんでした。

・円、四角のテンプレート
→上で挙げたマルチ三角定規で十分でした。
 そこにない大きさの円を描く必要があれば買っても良いかもしれません。

・三角スケール
→持っていても損はしませんが、あまり使いませんでした。
 マス目を数えて描くことが多かったので、外周部の大きさの確認のために
 使ったくらいでした。

・各用紙
通信講座に申し込むと、使いきれないくらい用紙もいただけるので、自分で買う必要はありませんでした。

通信講座優先で課題集はお好みで

通信講座の課題を優先して、それ以上に問題を解きたければ市販の課題集を買っても良いかと思います。

私は購入して解いてみましたが、結局のところ自分の答案が合っているかどうかの判断ができないので「こういう問題が出るかもしれない」というのを知るには良かったです。

ただ、ハウジングインテリアカレッジの問題が一番難しく、ボリュームも多かったので通信講座の課題を3週くらいして、市販の課題集は1回解いて終わりでした。
主観ですが、市販の課題集の難易度はあまり高くなく、これだけで勉強すると実力不足になりそうな感じがありました。

また、中には意味の分からない問題もあり、割り切れないと独学ではドツボにはまってしまう気がするので注意が必要です。

買ってよかった点は、色々な描き方があるのを知れたことです。
その中で自分が一番早く描けるものを採用しました。

本稿のおわりに

製図試験に向けた準備はとにかくスピードが大切です。
私はここで出遅れてしまったので、厳しい戦いを強いられてしましました。

特に、道具がネットショップで在庫切れになるのは予想外だったので、通信講座の決定から道具の購入までを学科試験終了から1週間以内に済ませたかったです。

学科試験から製図試験までは本当に時間がありません。
振り返ってみると、通信講座の申し込みと道具の準備を素早く済ませてから、それらが届くまでの間に少し一息つくようにすれば良かったです。


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