年賀状はコンビニで写真印刷する時代。写真・画像工学出身の技術屋がついやってしまったサイズ再現評価
年賀状はメディアアートだと教えてはや10年、毎年のようにメディアをアップデートさせてきています。最近はMozilla Hubsを使ったメタバース年賀状を作ってきましたが、昨年ついにサービス終了してしまいました。
ことしは「紙焼きメディアのチカラ」を再認識しておりまして、コンビニで写真印刷する時代、つまりネットプリントを使った年賀状作成を意識しつつ、写真・画像工学出身の技術屋が、サイズ表現性能情報をまとめてみたいと思います。
※案件ではありません
なぜコンビニで印刷するか?
年末年始、特に年始は物流も工場も止まります。一方で、全国のコンビニは5万5千軒ぐらいあります。物流も、自分が行けば良いので気軽です。
どこのコンビニで印刷するか?
最近のコンビニネットワークプリントは、カラーコピー機だけでなく、写真画質のミニプリンターがついています。
紛らわしいのですが、大きく分けて、富士フィルムが開発し、セブンイレブンで展開している「ネットプリント」を使ったサービスと、シャープが開発し、ファミマ・ローソン・ミニストップ・ポプラグループなどで使える「ネットワークプリントサービス」があります。
今回のお話は主に後者の方です。
https://networkprint.ne.jp/sharp_netprint/ja/top.aspx
※筆者は前者のネットプリントもセブンイレブンも富士フィルムも、しまうまプリントやカメラのキタムラも大好きなのですが、値段が高いので、今回はすみません、シャープさんのほうを中心に説明させていただきます。
※案件ではありません
かつて面倒しかなかったシャープの「ネットワークプリント」
ログインして使う機能のパスワードが堅すぎて、まじでコンビニの店頭で使わせる気がないだろこれ、という難しさがありましたが、最近はこちらの「会員登録なしで利用する」という機能が便利です。
※会員登録する機能の良さも兼ね備えているので、そちらについては後ほど紹介します。
ご利用いただくにあたり、「ネットワークプリントサービス利用規約」および「ネットワークプリント個人情報取り扱いについて」をご確認いただき、同意してください。
1点注意なのですが、ファイルを削除する場合は、ファイルを登録したブラウザーから操作してください。別のブラウザー(シークレットモードなども含む)で登録したファイルは削除できません。
なお作者名義とか権利関係が混在するようなアカウントでの使用はおすすめできません、というか絶対にやめてください。というのも権利を持たない画像のネットワークプリントへの登録は(個人で楽しむならともかく)複製権や配信といったパブリシティ権にほかならないので、自分で権利を持っている画像以外をここで扱うべきではないです。イメージして欲しいのは、これは札束印刷機にもなる可能性があるということです。
規約の具体的な箇所では
といったあたりで明言されていますので「個人で楽しむならともかく」の部分もきちんと責任を持った許諾なりを得て理解して使いましょう。
使い方は簡単。
アップロードして終わりです。あっけない。
写真用紙 L判:30円 2L判:80円シール紙がL判:200円 2L判:300円です。
っていうかこれはとても安いです。
L版は127x89mm 2L版は178x127mmです。2L版がB5ノートの半分に一回り小さいぐらいなのではがきサイズ(100x148mm)の代用としては2L版がオススメです。
なお、セブンイレブンのネットプリント(ネップリ)のほうは、L版40円 2L版100円、はがきサイズが60円です。
つまりここだけみると「はがきサイズの印刷ならネップリのほうがいい…?」という値段になるのですが、その価値があるかどうかは試してみてください。
どちらのサービスも写真印刷はコインカウンターに統合された専用プリンターによる高画質印刷なのですが、画質や価格がそれぞれ違います。グラフィックス向きか、光沢紙でツヤツヤしているか、色の系は…など色々考えることがあります。
また、マルチコピー機によっては写真印刷プリンターが付いていない店舗もあるそうです。
ベストサイズで印刷するには?
周囲をどのようにカットするか、トンボなどはないのと、320x240ピクセル以上であればよくベストな解像度の設定などの情報はないので、あくまでシャープのサービスを使った上での実験です。
まず用意すべき解像度ですが、
はがきサイズなら148x100mm、すなわち縦横比1.48です。
L版127x89mm=1.42、2L版178x127mm=1.40です。
そこで2L版に合わせるべく1076x768(=1.40)というちょっと中途半端なサイズの画像を用意しました。色はあえて難しいRGB原色に近い要素です。
印刷してスキャンしたものがこちらです。左右、特に左側が切れます。
色については、緑が青に引っ張られることがわかります。
縦の筋はスキャニングで生まれたものです。画質自体はとても良い。
こちらもお借りして実験です。
Photoshopで切り抜いて測ってみると、たしかに紙の縦横比もデータの縦横比も1.40でしたが、カットはかなり内側で、さらに天地左右のマージンは異なるようです。
参考まで画像を添付しておきます。
また、右側にカット部分が白い紙色として出てきています。
塗足ししているので本当はここは白くないほうがいい…気になるなら白いデザインを右側に置くか、拡大しないか、デザインカッターで切ってしまいましょう。
プロいみなさんならきっと使いこなせるはずです。
なんならここまでのデータから名刺(55mm×91mm)や証明写真を印刷できると思います。
シェア機能ランキング
実はネットワークプリントにはシェア機能とランキング機能があります。
この手の機能はセブンイレブンも頑張っています。
通称「ネップリ」という名前でVTuber界隈ではやっています。
かんたんnetprintというサービスで、ローソンと同じく、パスワードなし画像登録ができます。
AICUでも、なにかサービスを開発してみたいと思います!
以上、会社のはみ出し技術ネタを個人ブログで披露する回、でした。