【静岡 浜松】ひとり旅①うなぎパイ、おいしょ
6月末の平日に2連休があったので、その前夜、静岡の浜松に行くことを決めた。
先日は岡山の倉敷に日帰りで行ったので、今回は一泊することにした。
大阪から浜松へは、車で3〜4時間。
10時前に家を出ても、お昼過ぎには着きそうだ。
前回の倉敷旅ではリッター200円という高速道路のガソリン代に驚愕したので、今回はしっかり満タンにしてから、いざ出発。
新名神高速道路から伊勢湾自動車道に入り、刈谷パーキングエリアで休憩。
お腹も空いたので、愛知県のソウルフードきしめんを食べる。
寄り道しながら、その地域のものを食べるのが楽しい。
東名高速道路を走り、浜名湖サービスエリアに到着。
職場の後輩の故郷である浜松。
よく話に聞いていたので勝手に親近感をもっていたけど、上陸は初めて。
恋人の聖地でひとり高らかに愛の鐘を鳴らそうと思ったら、鐘は固定されていて、びくとも動かなかった。
初めての静岡にテンションが上がり、着いたそばから大量に買い物をする。
静岡おでんやしらすの缶詰、浜名湖のり佃煮、お菓子と、みかんジュース。
浜松西出口を出て目指すは、うなぎパイファクトリー。
昨日Googleマップで浜松市内の地図を眺めていて、こちらの施設を発見。
ホームページを見て、「え、絶対行く」と即決。
https://www.unagipai-factory.jp/
焼きたてのうなぎパイが食べられる、有料(500円)の窯出しうなぎパイツアーに参加したかったが、生憎この日は開催がない。
ツアーの開催日に旅行をずらそうかと思ったけど、直近の開催日はもう予約がいっぱいだった。
大人気らしい。絶対いつか参加する。
無料の自由見学は、予約不要で毎日開催されている。
見学記念にうなぎパイをもらえた。
かなり嬉しい。
誰かが「うなぎパイファクトリーの所要時間はサクッと30分くらい」って言ってたけど、30分で帰れるわけがないと思った。
だってこんな細長い棒状の生地が・・・
機械のトンネルを潜った瞬間、一瞬であの姿になって・・・
機敏に動くハケに秘伝のタレを塗られ・・・
こんがり焼き上がったと思ったら・・・
待ち受けていた人間にサササーっと捌かれ・・・
気づいたら梱包され、広い工場内を、コンベアに乗ってビュンビュン駆け巡ってゆくのだ。
動画でお見せできないのが残念だけど、本当に目が回りそうなスピードで、X線検査を通過したりしながら、うなぎパイが流星群のように、大量にビュンビュンと流れ続けている。
うなぎパイができるまでの工程を解説している映像が、かなり良かった。
女の子は可愛くて、うなくんは間抜けで、工場長のセリフは棒読みで、面白かった。
パイの生地は職人さんの手作りであること、秘伝のタレのレシピは社内でごく一部の人間しか知らないトップシークレットであること、うなぎパウダーは舐めると魚の味がすること等を学んだ。
施設の中には、うなぎパイカフェがある。
季節限定の「ニョロっと!うなぎ、砂丘をのぼる」にしようか迷ったが・・・
冒険できず、絶対美味しい方にした。
静岡茶のセットで、1350円。
このクオリティのスイーツセットを大阪で食べたら2000円は超えるんじゃないかと思うくらい、全てが美味しかった。
うなくんの言動から薄々感じていたけど、うなぎパイファクトリーって、かなり遊び心に溢れているというか、ちょっとふざけすぎているというか、うなぎパイへの愛がぶっ飛んだ方に向かっているなと感じた。
来た頃は「誰このおじさん」と思っていたけど、帰る頃は「うなくん!」と嬉しくなっていることに気づく。
せっかくなので、うなくん号で販売しているうなぎパイジェラートも食べよう。
高級ブランデーが使用されたうなぎパイの最高峰「うなぎパイV.S.O.P」のジェラートをいただく。
粉砕されたうなぎパイV.S.O.Pが冷たいジェラートの中にふんだんに使われている。
ジェラートのすっきりした甘さと、芳醇なV.S.O.Pの風味と、ザクザクしたうなぎパイの食感で、口の中が幸福に満たされる。
うなくん号のテラスでは、結構なボリュームで「うなぎのじゅもん」という音楽がエンドレスでリピート再生され続けていた。
半ば強制的に聞かされているうちに、洗脳されてしまった。
メロディーも、歌詞も、小椋佳さんの歌声も、全てが最高である。
待ってるだけじゃ何も起きない♪
遠い道でも出かけてみよう♪
難しそうでもやってみようよ♪
つまずいたって諦めないで♪
うなぎみたいに 粘り強く長く♪
うなぎ〜〜〜 パイ、パイ、パイ〜〜♪
うなぎのじゅもん体操、だいぶ難易度が高い。
後日浜松出身の後輩に話すと、浜松の人間は皆歌えることを教えてくれた。
歌が上手な後輩も、小椋佳さんっぽく歌ってくれた。
私も最近、気づけば口ずさんでいる。
うなぎ〜〜パイパイパイ〜♪
ということで、1時間以上堪能したうなぎパイファクトリーを後にし、浜松駅近くのホテルを目指す。
長距離をひとりで運転するのは、楽しいけどめちゃくちゃ疲れるので、大浴場と駐車場があるビジネスホテルにした。
4時過ぎにチェックインし、少し仮眠をとったあと、夜の浜松の街へ繰り出す。
夜は絶対、浜松餃子とビールと決めていた。
このために一泊旅にしたと言っても、過言ではない。
ホテルから歩いて行ける、浜松にしかないお店で検索してたどり着いたのが、遠州男唄 濱松たんとである。
浜松駅周辺に数店舗展開している、勢いのありそうな居酒屋だ。
しかし、いささか勢いがありすぎた。
注文したビールを持ってきてくれたチャーミングなおばさまが、「当店では乾杯の際に、出世の盃として祝杯をあげてまして・・・」と何やら掛け声の説明をし始めた瞬間、嫌な予感がした。
が、私が考える前に「ご協力いただけますね!?」と勢いに押され、承諾してしまった。
ここまで来てモジモジするのもカッコ悪い。
いっそ元気に言うしかないか・・・。
おばさまに「では、お願いします!」と促され、私は今日イチのテンションと声を絞り出し、
「やらまいかー!!」
と言ったのと同時に、おばさまが2倍くらいの勢いで
「おいしょー!!!!!」
と叫んだ。
恥ずかしさと蒸し暑さと喉の渇きを洗い流すように、グビグビ飲み干したビールは美味しかった。
「やらまいか」は「やってやろうじゃないか」って意味らしい。
普通に日常生活を送っていたら、滅多に発しないワードである。
ビールジョッキにも「やらまいか!おいしょお!!」と書かれていたし、店内のBGMも、ドコドコ轟く和太鼓に「おいしょ!おいしょ!」という漢たちの熱い掛け声が繰り返されていた。
地味な女のひとり旅には、ちょっと男性ホルモンが強すぎる。
微妙に気まずいのもなんだか可笑しくなってきて、餃子だけのつもりが、おばさまオススメのカツオのたたきも食べた。
ほろ酔いで歩く、知らない街の静かな夜は楽しい。
鼻歌を歌う自分の息がにんにくそのものだったけど、ひとりなので気にしない。
何を歌ったかは覚えてないけど、うなぎのじゅもんだったかもしれない。
ホテルに戻り、貸切の大浴場で疲れを溶かし、サラサラのシーツに潜ったら、朝まで一度も目覚めなかった。
梅雨にも関わらず、2日目も晴れ。
朝ごはんに、昨日サービスエリアで買ったおやつを食べる。
誰に頼まれてもないのに、こうして写真を撮って記事を書くという作業が、辞められない性分だ。
しかしどうしても自宅に引きこもってしまうので、今回、旅先で気分転換をしながら記事を書くことを試みた。
前回の倉敷の記事も、執筆中である。
いつもと違った環境だと、作業が捗るのではないかと思いきや・・・
ホテルのロビーにあったキングダム最新刊を読んでしまった。
大浴場もあって、漫画も読み放題だなんて、最高すぎる。
しっかり朝風呂も入って、10時にチェックアウト。
2日目はついに、ずっとずっと行きたくてたまらなかった、あの場所に行く。
ということで、次回もお楽しみに!
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