救急車に乗ったおおかみ💦
気分は岡慎之助くんだった
布団の上にふわっと浮き上がり、右から左へ、勢いよくグルっと回転
どすん!っと布団に落ちるとともに、今度は世の中が回りだした
グンルグンルグルグル
容赦なく回る。さすがに気持ち悪い…
…というところで目が覚めた
何これ?
右側に頭を向けると、今度は逆向きにグルングルン回る
気持ち悪い、ドッと冷や汗が出てくる
後頭部も重痛くなってきた
しばらくじっとしていると、とりあえず回転がゆっくりに
時計も回ってるけど、長針と短針が90度だから、たぶん夜中の3時くらい
ふぅ…と思って、左隣のママぶたのほうへ寝返った瞬間
グンルグンルグルグルAgain
さっきより多く回っておりますぅ~
おめでとうございますぅ~
染之助・染太郎師匠でもここまでは回してなかったぞ…
目が回ったついでに、頭も回った
今、死ぬといろいろまずいやろ…
おおかみの父、おばあちゃんより早く死んじゃった
結果、おおかみは大変な目にあった
詳しく書くと、それだけで1万文字を超えそうだから割愛
けれども、やっぱり、親子は順番に逝くのが何かと都合が良い
おおかみの母はまだ健在だから、今、死ぬとこぶた達が面倒な目にあっちゃう
あ、あと次女のフー、来週入籍だっけ?
結婚式は来年の春だっけ?
まごちゃんも8ヶ月
もうちょっと見てたいよね~
と、頭もグルグル回り
とにかく
安全なほうへ振らんといけんな
…と判断し
隣のトトロのようなママぶたの腕を鷲掴み
「恐ろしく世界が回ってる…」
と訴えると
「あぁ…それね…私もなったことあるけど…」
再び寝ようとするママぶた💦
こんなに薄情だったっけ💦
再び強く腕を握って、メイッパイ振り起こす
「救急車!」
すると、さすがのママぶたも飛び起きた
慌ててスマホを持ってきて曰く
「電話番号、何番だっけ?」
大丈夫か?我が妻?
けれども、妻の認知症を心配してる余裕はない
「ひゃくじゅうきゅうばん…」
と、つぶやくと、ようやく119番してくれた💦
電話でいろいろ確認される
とりあえず、手は両方とも動かせる。にぎにぎできる
手がしびれてるかと言われると…しびれてる気もするし、気持ち悪くて冷や汗かいてるから、それでしびれたように感じてるだけな気もする
吐き気とともに💩も催してきたので、床をはってトイレへ
この感じだけならノロウイルスっぽい
ここで力尽きてトイレの外でダウン
ママぶたとフーにいろいろ聞かれるけど、答えるたびに「うっ」と込み上げるものが…
ほどなく救急隊とうちゃこ
どうやら徒歩5分の消防署から来た様子
その割にはちょっと時間がかかってたような…きっと仮眠中だったんだろうな。申し訳ない…
目を開けられなかったから良く分からないけど、布のようなものを尻のしたに入れられて、そのままエレベータに乗せられた様子
エントランスについてからストレッチャーに載せ替え
救急車の中へ
救急車に乗ると心電図やら何やらつけられ、いろいろと測ってもらう
体温計…3回測られる
35度前半だったらしい
冷や汗をたくさん書いたからかも…と伝えると、そうですね~とのこと
心拍数が50を下回ってる…と
平静時とは言え、そこまで下がってたらQちゃん並みなんだが…
しがない市民ランナーのおおかみ、通常は70を切るくらいなのだよ💦
ほんと、寝っ転がって超安静にしてれば60切ることもなくはないけど…
心電図、P波がちょっと…と
ちょっと…と言われてもねぇ
でも健康診断とかで異常と言われたことがないと伝える
ただ、おおかみの母は心筋梗塞でステントが3本も入ってる
念のためそのことを伝える
そんなこんなで救急車に乗ってからかな~り長い時間検査
脳と循環器系と両方みられる病院をさがしてくれた
いまから思うと、ここでこれだけ時間をかけたってことは
「まぁ、大丈夫なやつだな」と、救急隊の方々も思ってたのかな?
ママぶたによると、救急車の乗り心地はかなりひどかったらしい
けれど、世の中がグルグルで気持ちワルワルなおおかみは何とも思わず
病院についたら、救急隊のみなさんにはしっかりお礼しないとな~
とか思ってたんだけど、いつのまにか撤収されてた。さすが仕事が速い!
緊急処置室は看護婦さんのワンオペ
…なんと、すんごい美人だったらしい
次の日になってママぶたが教えてくれた
…なんてことだ。目が回ってたとはいえ、頑張って目を開けるべきだった
「めまいと吐き気をおさえる薬を点滴しますね~」
と、手首の辺りから点滴される
左腕全体がひんやりしてくる
「この点滴、けっこう速いですからね~」
とのことなので、まぁ、そんなものなのかなと
しばらく点滴を入れられた状態でMRI待ち
思いのほか長く感じられたんだけど、気のせいか?
救急車でつけられたマスクを交換される
つけてたマスクには針金が入っていたらしい
おおかみ、退職間際には医療機器関係のお仕事をしてたこともあり、脳MRIを撮られるのは、この10年で3回目
なので、そこそこ慣れてた
ヘリウムを圧縮するポンプの、スコンスコン音が懐かしい…
今回もお着換えされるのかと思っていたら、MRI室まで暗い廊下を着の身着のままで美人(だったらしい)看護師さんとランデブー💓
あぁ…目を開けられてたなら…Happyだったかも♬
そして、そのままMRIに入れられそうな雰囲気に
慌ててポケットの中とか確認
そこで、美人(だったらしい)の看護婦さんに
「何か入ってるんですか⁉」
とちょっと強めの口調で言われたんだけど…
それって、ここに運び込む前に聞かなきゃダメでしょ…
鉄のナイフでも入ってたら大変よ!
寝るとき、そんなものポケットに入れてる奴はいないと思うケド
でも、おおかみのポッケには、クリップとか洗濯ばさみくらいは入ってることもある。相手は3T、なめちゃいかん!
バックルはプラスチックだったよなぁ~とか
チャックは大丈夫かなぁ~とか
いろいろと頭を巡ったんだけど、目も回ってるし…
なんか片桐仁そっくしの技師さん、眠たそうだし…
だよね、深夜だもんね。申し訳ないよね…ってことで
ま、大丈夫でしょ💦
と、今から思うと恐ろしい判断をしてMRIにダイブ
脳のMRI。頭をギシギシに固定される
もう3回目だから余裕だぜっ!…と思ってたんだけど
元気な時と目がグルグルで吐き気がウズウズなときでは、体もメンタルも耐久性が天と地の差!
もう、途中からは気が変になりそう
(本当はよろしくないんだけど)足をモニョモニョ動かして、なんとか気を紛らわせたり…
閉所恐怖症のママぶただったら、発狂していたに違いない…
ほんっと、長かった
3回目だからって舐めてた
次からは気絶でもしてないと、入れそうな気がしなくなった💦
仕事辞めといてよかった💓
無事、ポケットの中から洗濯ばさみが飛び出すこともなく、MRI終了
処置室までの暗い廊下を、美人(だったらしい)看護師さんと再びランデブー
もったいない…
なんで片桐仁《じゅもくさん》似の技師さんを覚えてて、美人(だったらしい)看護師さんの顔を見なかったんだろう?
目の回しかたを根本的に間違ってた気がする…
処置室にもどると
「心電図は循環器の先生に診てもらって、問題ないとのことなので~」
と伝えられる。とりあえず心臓は無事らしい。めでたしめでたし
ところで、めまいで心拍が下がるってこともあるのかな?
…と、今なら疑問に思うところだけど、あの時はそんな元気もなく
とりあえずは一安心したところで次回へ続く