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【最新作云々72】あの頃、夢中になった剣と魔法の冒険世界がそこに... はぐれ者たちが試練を乗り越え仇敵を倒す,古式ゆかしい愛と勇気の冒険活劇映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

 結論から言おう!!・・・・・・・・・こんにちは。
 今日はスティーブ=マックィーンの誕生日らしいですが、初めて通して観た彼の主演映画は『大脱走』でも『タワーリング・インフェルノ』でもなく、『マックイーンの絶対の危機』(人喰いアメーバの恐怖)だった、O次郎です。

たしか、中学生の頃のとある秋口の連休を利用して両親が夫婦で旅行に出かけ、
僕は実家に一人でお留守番。(兄姉は既に進学して実家におらず)
課題の息抜きにとお昼過ぎに何気なくテレビを点けたら本作が放映されてました。
1958年の映画だけあってアメーバのチャチさ等は気にはなりましたが、
夜な夜な人間動物問わず無機質に捕食されていくスリルはなかなかでしたし、
頑迷固陋な田舎町の絶対の危機にアウトローの若者が
リーダーシップを発揮する展開はなんとも気持ち良いもので。
後年になって彼の代表作を観てから若き日の主演作の本作を思い出した次第です。
それにしても作品チョイスが通好みなのかそれとも単に投げやりなのか…
流石は関西ローカルの異端児サンテレビや。

 今回は最新のハリウッド映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りです。封切りは3/31ですが、先日当選した試写会にて一足先に観てきました。
 1970年代に端を発するアメリカファンタジーテーブルトークRPGダンジョンズ&ドラゴンズ』をモチーフとしたSFアドベンチャー大作。
 実物をプレイしたことはなくても80年代末~90年代初頭に花開いたその派生たる剣と魔法の冒険世界のボードゲームゲームブック、TVゲームのRPGジャンルの薫陶を受けた世代にはこの上ないノスタルジーに浸れる作品であり、現実との地続きや複雑に絡み合った人間模様等の余計な現代的アレンジが加えられていないことが功を奏しています。
 加えて、剣戟や魔法演出は現代技術の粋が尽くされていますので、得作り的な古さは感じられず、普遍的な一致団結の物語は世代を問わず響くところではないでしょうか。
 少年期に『ウィザードリィ』や『ウルティマ』といったRPGに親しんだマイコン族の皆様、はたまた水野先生の絶望的な筆の遅さにヤキモキしつつも『ロードス島戦記』に魅せられた方々、読んでいっていただければ之幸いでございます。
 なお、ラストまでネタバレ含みますので予めご了承くださいませ。
 それでは・・・・・・・・・・"風のファンタジア"!!

※個人的に『ロードス島戦記』はアニメから入ったのでこのEDのイメージ。
この何とも言えない浮遊感が印象的で、OPより好きでした。
OVAだけど深夜のアニメ放送枠で観たんだったかな…?



Ⅰ. 個人的ボードゲーム&ファンタジー思い出あれこれ

 本題に入る前にちょっと寄り道をば。
 僕は昭和60年生まれですが、既に発売されていたファミコンは親戚宅でプレイし、3,4歳の頃には兄姉が親に買って貰ったゲームボーイが有りつつ、数年後にはスーファミも実家に来ましたので、何かにつけて新しい物好きな子どものこと、敢えてそれより前時代のツールであるボードゲームをプレイしたいと思うようなことはそうそう無かったように思います。
 ただまぁ、TVゲームも多人数プレイは当時はせいぜい2~4人、携帯ゲーム機などは通信対戦するには付属機器があれやこれやと必要で子どもには現実的でなく、それ以上の人数で集まった時に"トランプでは味気無いのでもっと気の利いたゲームを"的な要請でボードゲームの出番だったような気がします。

当時の多人数プレイといえば『ボンバーマン』(ただしスーファミは2人以上はマルチタップが必要)
『桃太郎電鉄』 あたりがせいぜいで、"パーティーゲームといえばハドソン"のイメージ。
『桃鉄』はケンカに発展しないようにCPUを一名混ぜてプレイが安全でしたね。(゜Д゜)

 というわけで、クラスメイトの誰かのお誕生日会(言葉の響きだけで懐かしい…)やお正月に親戚の子ども一同が集まった際に出番が来るのが『人生ゲーム』や『モノポリー』。その場ではTVゲーム以上に楽しく遊べるんですが、人数集める必要性も有って毎日稼働は無いから子どもなりにコスパの悪さを感じており、自分では親にねだったりはしなかった記憶が有ります。

やんちゃな男児が居る家のボードゲーム版は
ルーレットを紛失してしまっていたりもしたので、
その際はサイコロ等で代用、の巻。
と言いつつドンジャラは実家に在ったっけ?
よくよく考えると、多人数対戦が最大のアドバンテージの
ボードゲームに於いて4人ってのは少ないか。
そして語感の響きからか、ドラえもんモチーフだからドンジャラという
ネーミングなんだと思ってました。(=^・ω・^=)
結局、ドンジャラ止まりで大人になっても麻雀を覚えなかったのが
良かったのか悪かったのか。

 あとはゲーム性の方面ではゲームブックを思い出します。兄に一冊貸してもらったところ、本文中の選択肢から選んだ展開に合わせてページを往ったり来たりがゲーム性が有ってたいそう新鮮で楽しく、何度リスタートで読み返してもベスト展開に辿り着けずにヤケになってページ通りに読み進めるも当然ながら話が物切れで訳わからず…という苦い思い出もあったかなという。

ジャングルウォーズ
たぶん最も読んだのはコレだったかと。
元々はゲームボーイソフトではあるのですが、個人的には
圧倒的にゲームブックのイメージです。
我ながらよく覚えてる、というより、ジャンルに早々に飽きて
総冊数的には大して読まなかったのかも。

 そして剣と魔法の世界観については、『ドラクエ』や『FF』よりも『ナイトガンダム物語』。
 当時購読してた児童誌『コミックボンボン』でコミカライズが連載されていたのが大きいですが、親戚宅に遊びに行く度にちょっとずつプレイさせてもらってたのを思い出します。

しかしながらファミコンのゲームあるあるとして
ゲームバランスがめちゃんこ悪くて児童にはあまりにも厳しい場面も多々。
涙目になる自分を見かねて親戚のお兄さん方がサポートしてくれたり。(´;ω;`)
人気シリーズだったから続篇が何本も出たけど良バランスなタイトルが果たして何本あったか…。
友人宅に遊びに行った際、当時展開されてたOVAのビデオを持ってるその友人のお兄さんが
みせてくれた時の嬉しさたるや!!
しかし一方で80年代後半から90年代初頭はTVシリーズが無かったので、
リアルタイプのガンダム作品への憧憬がより強まってしまったのもまた事実。
そしてSDガンダムといえばカードダス
通学路の駄菓子屋で1枚20円でカリカリとガチャを回したもので。
上級生がダブったか何かでカードを大量に捨ててる人気の無い駐車場に
友人と拾いに行って先生に怒られたりもしたなぁ。

 あと、中学生ぐらいになってから急に『マジック:ザ・ギャザリング』にハマってその魅力を延々語るクラスメイトが居ましたが、当時は初代プレステセガサターンが鎬を削り、キラータイトルはミリオンはおろかダブルミリオン、トリプルミリオンもしょっちゅうのTVゲーム全盛期。
 既にそのTVゲームジャンルでもファンタジーよりリアル世界観が求められていた気分もあって、自分として傾倒していくことはありませんでした。

 しかしながらこうして個人的思い出を振り返ってみるだけでもボードゲームがその後のゲーム機の奉じる世界観の地ならしをしたことは間違い無く、TRPGの根強い人気を垣間見るに単なる懐古勢だけでなく全世代的に刺さるものがあるコンテンツということでしょう。
 前置きが長くなりましたが、以下、映画の中身について。


Ⅱ. 作品概要

 物語としては、"盗賊と戦士のコンビが、かつての仲間である詐欺師に盗賊の娘を奪われ、クセ者揃いの仲間を結集して彼女を救い出しつつ、詐欺師とその黒幕の野望を打ち砕く"という、ただそれだけです。
 それだけなのですが、それだけなのがよく、これ以上何かを加えると蛇足にしかならないので絶妙なバランス。ファンタジー世界の中で凡そ物語を転がし得る鉄板の展開の数々を一つ一つ丁寧にこなしているため、スピード感は若干削がれていますが、じっくりギルドの各キャラクターに感情移入させつつ、巨悪を倒すカタルシスを十二分に与えてくれます。

二人してクサい飯を食った仲の腐れ縁の盗賊と戦士。
二人きりのシーンの尺は全体として然程無いものの、
会話のツーカー感と動きのコンビネーションで過ごした歳月を物語る巧みさ。
仲間を集める過程も一人一人じっくり口説く感じがまさしく往年のRPGみたいでワクワク。
酸いも甘いも知った中年と青臭さの残る若者というドラマを生むために鉄板の組み合わせ。
そうそう、昔のRPGはめっちゃ強い新戦士は結局スポット参戦で終わることが多かったもんで。
冒険場所も今どきの矢継ぎ早なマルチバース世界とかではなく、
地下に潜っての如何にもダンジョンダンジョンしたダンジョンなので一安心。
"通り抜けフープ"的なもので危険回避したり、昔のドラえもん映画とかにも通ずるかも。
敵の城にチームワークで潜り込むスリルは『ミッション:インポッシブル』さながら、
逆にまんまと敵の術中に嵌るテンプレ展開も策を弄せず
王道に描いてくれるので却って新しいぐらい。
口八丁手八丁で生きてきた主人公が娘への愛の本心を不器用に語り、
バラバラになりかけていたパーティーも再団結!!
そしてタイトルに偽りなく、ドラゴンも複数種類、
サイズも挙動も様々に迫力を出してくれるのでご心配なく。
終盤のラストバトルでそれまでヘボで周囲の足を引っ張り気味だった
魔法使いの少年が覚醒、というこれまたベタとは判っていても胸アツな運び。
個人的に彼で思い出すのは『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のポップでしょう。
そういえばアレの連載当時のアニメは中途半端で打ち切られたけど、
近年の再アニメ化版はラストまで描いたので?

 昨今のSFファンタジー映画はキャスティングだったり登場マスコットの愛らしさだったり、いわば"媚び"が見え隠れするあたりに現代的アップデートを感じてモヤっとすることが個人的に間々あるのですが、本作は王道を王道のままの味でドンと出した潔さを感じます。
 何作も続篇が続いたりすると流石に変化球の無い真っ直ぐな中身に胃もたれしてしまうかもしれませんが、ともあれ、この雑味の無さこそ本作最大の魅力でしょう。



Ⅲ. おしまいに

 今回は最新のハリウッド映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』について語りました。
 ゲームのファンタジー世界をそのまま映画娯楽に落とし込んでコレジャナイ感を感じさせない必要十分な世界観とストーリー。少年期の思い出を崩すことなく良質なノスタルジーに浸れるので、その方面に一角の記憶のある方にはおススメいたします。
 このほどはこのへんにて。
 それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。




本日めでたく発売日…帰ったら早速プレイしなくちゃ。
さぁて、休日に寝食を忘れて無我夢中でプレイした(そして親に怒られた)
あの少年期の熱意の何分の一かでも思い出せるか。(*´艸`)
ちなみにオリジナルのゲームキューブ版は2005年1月だから18年前。
当時浪人生で入試真っただ中ということでソフトのみ購入確保して封印し、
受験終わって大学入学手続きと荷造りに追われる3月半ばに慌ててプレイしてたのが懐かしく…。


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O次郎(平日はサラリーマン、週末はアマチュア劇団員)
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