【最新作云々72】あの頃、夢中になった剣と魔法の冒険世界がそこに... はぐれ者たちが試練を乗り越え仇敵を倒す,古式ゆかしい愛と勇気の冒険活劇映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
結論から言おう!!・・・・・・・・・こんにちは。
今日はスティーブ=マックィーンの誕生日らしいですが、初めて通して観た彼の主演映画は『大脱走』でも『タワーリング・インフェルノ』でもなく、『マックイーンの絶対の危機』(人喰いアメーバの恐怖)だった、O次郎です。
今回は最新のハリウッド映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』です。封切りは3/31ですが、先日当選した試写会にて一足先に観てきました。
1970年代に端を発するアメリカのファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をモチーフとしたSFアドベンチャー大作。
実物をプレイしたことはなくても80年代末~90年代初頭に花開いたその派生たる剣と魔法の冒険世界のボードゲームやゲームブック、TVゲームのRPGジャンルの薫陶を受けた世代にはこの上ないノスタルジーに浸れる作品であり、現実との地続きや複雑に絡み合った人間模様等の余計な現代的アレンジが加えられていないことが功を奏しています。
加えて、剣戟や魔法演出は現代技術の粋が尽くされていますので、得作り的な古さは感じられず、普遍的な一致団結の物語は世代を問わず響くところではないでしょうか。
少年期に『ウィザードリィ』や『ウルティマ』といったRPGに親しんだマイコン族の皆様、はたまた水野先生の絶望的な筆の遅さにヤキモキしつつも『ロードス島戦記』に魅せられた方々、読んでいっていただければ之幸いでございます。
なお、ラストまでネタバレ含みますので予めご了承くださいませ。
それでは・・・・・・・・・・"風のファンタジア"!!
※個人的に『ロードス島戦記』はアニメから入ったのでこのEDのイメージ。
この何とも言えない浮遊感が印象的で、OPより好きでした。
OVAだけど深夜のアニメ放送枠で観たんだったかな…?
Ⅰ. 個人的ボードゲーム&ファンタジー思い出あれこれ
本題に入る前にちょっと寄り道をば。
僕は昭和60年生まれですが、既に発売されていたファミコンは親戚宅でプレイし、3,4歳の頃には兄姉が親に買って貰ったゲームボーイが有りつつ、数年後にはスーファミも実家に来ましたので、何かにつけて新しい物好きな子どものこと、敢えてそれより前時代のツールであるボードゲームをプレイしたいと思うようなことはそうそう無かったように思います。
ただまぁ、TVゲームも多人数プレイは当時はせいぜい2~4人、携帯ゲーム機などは通信対戦するには付属機器があれやこれやと必要で子どもには現実的でなく、それ以上の人数で集まった時に"トランプでは味気無いのでもっと気の利いたゲームを"的な要請でボードゲームの出番だったような気がします。
というわけで、クラスメイトの誰かのお誕生日会(言葉の響きだけで懐かしい…)やお正月に親戚の子ども一同が集まった際に出番が来るのが『人生ゲーム』や『モノポリー』。その場ではTVゲーム以上に楽しく遊べるんですが、人数集める必要性も有って毎日稼働は無いから子どもなりにコスパの悪さを感じており、自分では親にねだったりはしなかった記憶が有ります。
あとはゲーム性の方面ではゲームブックを思い出します。兄に一冊貸してもらったところ、本文中の選択肢から選んだ展開に合わせてページを往ったり来たりがゲーム性が有ってたいそう新鮮で楽しく、何度リスタートで読み返してもベスト展開に辿り着けずにヤケになってページ通りに読み進めるも当然ながら話が物切れで訳わからず…という苦い思い出もあったかなという。
そして剣と魔法の世界観については、『ドラクエ』や『FF』よりも『ナイトガンダム物語』。
当時購読してた児童誌『コミックボンボン』でコミカライズが連載されていたのが大きいですが、親戚宅に遊びに行く度にちょっとずつプレイさせてもらってたのを思い出します。
あと、中学生ぐらいになってから急に『マジック:ザ・ギャザリング』にハマってその魅力を延々語るクラスメイトが居ましたが、当時は初代プレステやセガサターンが鎬を削り、キラータイトルはミリオンはおろかダブルミリオン、トリプルミリオンもしょっちゅうのTVゲーム全盛期。
既にそのTVゲームジャンルでもファンタジーよりリアル世界観が求められていた気分もあって、自分として傾倒していくことはありませんでした。
しかしながらこうして個人的思い出を振り返ってみるだけでもボードゲームがその後のゲーム機の奉じる世界観の地ならしをしたことは間違い無く、TRPGの根強い人気を垣間見るに単なる懐古勢だけでなく全世代的に刺さるものがあるコンテンツということでしょう。
前置きが長くなりましたが、以下、映画の中身について。
Ⅱ. 作品概要
物語としては、"盗賊と戦士のコンビが、かつての仲間である詐欺師に盗賊の娘を奪われ、クセ者揃いの仲間を結集して彼女を救い出しつつ、詐欺師とその黒幕の野望を打ち砕く"という、ただそれだけです。
それだけなのですが、それだけなのがよく、これ以上何かを加えると蛇足にしかならないので絶妙なバランス。ファンタジー世界の中で凡そ物語を転がし得る鉄板の展開の数々を一つ一つ丁寧にこなしているため、スピード感は若干削がれていますが、じっくりギルドの各キャラクターに感情移入させつつ、巨悪を倒すカタルシスを十二分に与えてくれます。
昨今のSFファンタジー映画はキャスティングだったり登場マスコットの愛らしさだったり、いわば"媚び"が見え隠れするあたりに現代的アップデートを感じてモヤっとすることが個人的に間々あるのですが、本作は王道を王道のままの味でドンと出した潔さを感じます。
何作も続篇が続いたりすると流石に変化球の無い真っ直ぐな中身に胃もたれしてしまうかもしれませんが、ともあれ、この雑味の無さこそ本作最大の魅力でしょう。
Ⅲ. おしまいに
今回は最新のハリウッド映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』について語りました。
ゲームのファンタジー世界をそのまま映画娯楽に落とし込んでコレジャナイ感を感じさせない必要十分な世界観とストーリー。少年期の思い出を崩すことなく良質なノスタルジーに浸れるので、その方面に一角の記憶のある方にはおススメいたします。
このほどはこのへんにて。
それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。