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【最新作云々70】"僕だって、警察の横暴を知ってしまったら、闘うしかないじゃないか!" 飽くなき探求心を持ち続けた大人子ども達の友情と、国家権力を盾に同族を庇う子ども大人達の法廷闘争映画『Winny』

 結論から言おう!!・・・・・・・・・・こんにちは。(*´罒`*)
 来週末に発売を控えた『バイオハザード RE:4』の体験版をプレイしてみて、グラフィックにしろゲーム性にしろ、正直なところ巷で言われてるほどのトンデモ進化は感じられずでいよいよもって感性の鈍化にショックを受けてる、O次郎です。

いや、まぁ綺麗過ぎると却って見辛かったり、
酷い時は画面酔いしちゃったりするんだけど、それも含めての老いか・・・。(゜Д゜)
老いついでに百回話だけど、個人的には『4』より前に『CODE:Veronica』の
リメイクを是非ともやって欲しかったわけで。
ドリームキャスト 初出の『CODE:Veronica』はポリゴンテクスチャーで流石に時代を感じるけど、
ニンテンドーゲームキューブ初出の『4』は今見ても十分綺麗に見えるんだけど…
00年代以降のゲーム機がファーストコンタクトの世代の方々にはどっちも明確に古いんだろうか。
ともあれおそらくは、
これまでの『RE:2』『RE:3』=グラフィック向上に加えてシステムもアップデート
『RE:4』=グラフィック向上したもののシステムはほぼそのまま
という驚きの差だと思います。

※ちょろっと調べてみたら、非公式リメイクを作ってた海外の開発者グループがつい昨年末にカプコンからの要請を受けてプロジェクトを中止した、とか。カプコン側としても相当の需要が有ることはあらためて実感したでしょうし、是非とも公式で製作のアナウンスをしてほしいもんですが。(´・ω・`)

 前置きが長過ぎたので反省しつつ、今回は最新の邦画『Winnyの話です。
 革新的なファイル共有ソフト"Winny"を開発した金子勇さんが著作権法違反幇助の疑いで逮捕され、弁護団とともに警察・検察側の権力やメディアと闘った延べ7年余りの後半生を映画化したノンフィクションドラマ。
 実は個人的にはこの当時の世事の記憶は曖昧模糊としているというか、Winnyの開発が始まったという2002年は高二、金子さんが逮捕された2004年は浪人生だったので深く考えはせず、道具の開発者とその悪用者の罪業の在処ということでダイナマイトみたいなものか、というぐらいの印象だったのが正直なところです。
 ただ、思い返してみると確かに逮捕当時の喧しさに対して最終的に無罪を勝ち取られた際の報道の印象は薄かったこともあり、一方で映画的な脚色は有るにせよ渦中の人々が開発者の権利と未来を守るために闘われた経緯はこういう形で俯瞰出来て良かったと思いました。
 また一方で渦中の事件と同期する形で地方県警察の組織的な会計不正の問題もスリリングに描かれ、真意の見えない不気味な原告としての警察の暗部として双方の事件が収斂していく展開はミステリーとしても秀逸だったように思います。
 予告編等の情報からするとどうしても地味に映って鑑賞するか否か躊躇っている方々もいらっしゃるかと思いますが、一つの参考になればと。
 ラストまでネタバレ含んでおりますのでその点ご容赦くださいませ。
 それでは・・・・・・・・・・ベリィ・トゥ・ベリィ!!

ハイキックの方が周囲の敵にもまとめてダメージ与え易かったから、
一体一体振ってくる場面でだけチャレンジしてたな。
6』の時には背負い投げになってたけど…腰やっちゃったか。(゜Д゜)



Ⅰ. 作品概要

 物語の滑り出しは金子さんの純真無垢さと、それを意図的に利用する警察との一方的な騙し討ち展開にただただヤキモキ。
 「後から書き換えられるから」と悪意を認める作文を書かされたり、良心をくすぐられつつ予め描かれたストーリーに誘導されたり。
 目に見えた恫喝も描写されてはいましたが、それにも増して相手のためを思っている体を装って選択を誘導するその態様は実に薄ら寒く、国家権力による国制詐欺を見せられているようでなんとも強烈です。
 また、渡辺いっけいさん、渋川清彦さん等、実力派がその悪意を信念の下に行っている人物たちとして体現されているため、巨悪を相手にする映画としてのヒロイズムも十二分に醸し出されています。

 そして、体良くスケープゴートにさせられそうになっていることにすら半信半疑状態の東出昌大さん演じる金子さんの窮地に颯爽と現れる弁護団ですが、中でも兼ねてより「もし開発者が逮捕されてしまった際には弁護を引き受ける」と宣言していた弁護団事務局長の檀さん(演:三浦貴大さん)の意気軒昂さは頼もしい限り。
 「自分が罪になるぐらいで済むのなら」と後ろ向きな当初の金子さんに対し、後進のためにも闘うしかないと「僕の向こう4年をあなたの裁判に捧げますから、金子さんの残りの人生をこれからの開発者のために捧げて下さい」と静かに迫る様は性急に見えつつも、立場は違えど同じ分野に精通する者として運命共同体の盃を交わす愛の告白のようです。

ただ、面会の場面で裁判費用の有志募金の集まりを示す
通帳を目の当たりにして金子さんが涙するくだりは
ちょっと演出として持って行き過ぎな感は有りましたが…。

 Winny弁護団全体としても個性派ぞろいで実にビジュアル的にも作品要素としても面白く、昭和のロートルでPC関連はさっぱりながら人情派の偉丈夫の桂弁護士(演:皆川猿時さん)に、敗訴不可避の刑事裁判に勝ってきた辣腕の秋田弁護士(演:吹越満さん)など、映画的な誇張はあるにせよ、それが判っていても実に魅力的なキャラクターが揃っており、チーム戦の醍醐味を体現しています。
 特に警察・検察の真意を搦め手で炙り出す吹越さんのカッコ良さは強烈で、彼のフィルモグラフィーの代表作の一本に挙げてもよいのではないかというレベルでした。

加えてその弁護団各々の人間性の豊かさが、
「自分はプログラムでしか語れない」という金子さんの不器用さと
コントラストを為しつつも、彼の才能の非凡さの説得力と
社会性の補強となっており、なかなかどうしてでもありました。

 また、スリリングな法廷闘争の合間合間に挿入される大衆食堂や居酒屋での食事シーンが印象的で、自宅ではお菓子とジュースを頬張りつつパソコンに一心不乱に向き合っていた金子さんが、公権力との闘いというこの上ない悲運に見舞われる最中とはいえ、ぎこちなくも周囲の支援者との社交性を開花させていく過程はなんとも言えない朗らかさを感じさせます。

作中で明言はされなかったものの、僅か42歳での急性心筋梗塞による急死の遠因が
不摂生にあったであろうことも想像すると…
その開発者としての一途性が諸刃の剣でもあったのかなとも感じます。

 他方で着々と描写が積み重ねられるのが、愛媛県警の仙波巡査部長(演:吉岡秀隆さん)の地道な孤軍奮闘ぶり。
 警察署内で公然と罷り通る裏金作りに頑として関与を固持し続けるも、組織倫理に絡め取られていく若手人材の煩悶に憂慮を重ね、意を決しての新聞社への訴えも先方の弱腰姿勢に絶望し、一大決心をしての大手弁護士団の助力を得ての告発会見へと動きます。
 金子さんサイドがワン・フォー・オールの物語であるなら、仙波さんサイドはまさしくオール・フォー・ワンの闘いの経緯であり、それまでの長い警察官人生の中で見てきた不正を見て見ぬふりしてきた自らのそれまでと、若い清廉な人材がこれ以上盛大な身内擁護に毒されないようにというこれからを思っての訥々とした会見はややヒロイズム過剰の嫌いは有るものの、吉岡さんの抑えた佇まいで画に締まりが有りました。

不正に直接的に手は染めずともそれを看過してきた老兵と、
多くの同輩たちとともに最初に躓いてしまって身動きの取れない新兵。

 そして迎えた2006年の京都地裁での金子さんへの有罪判決……初戦の敗訴というインパクトに加え、世評に鑑みての失職とそれに連なる国内研究環境の喪失。
 エンドロールでの本人の会見映像とともに流れるテロップが示す通り、最終的に勝ちとった最高裁無罪判決への世間の無関心と、そこに辿り着くまでの金子さん自身と弁護団の膨大な時間浪費とのアンバランスは公権力による横暴をこれ以上ないまでに端的に表しており、研究開発活動の再開から突然死までが僅か半年余りだったということで、なおのこと研究者から時間を奪った罪業を感じさせる幕切れでした。

吉田羊さん演じる金子さんの姉のもとに弔問に訪れた檀さん。
飛行機のフライトシミュレーターの話で大盛り上がりして生前の金子さんと
空を見上げていましたが、クライマックスでも同じく中空を仰ぎ見て、
「宇宙の果てには到達できないけど、プログラム開発の宇宙でなら」という
彼の言葉に胸を馳せ思い出を胸に刻んでいるようでした。



Ⅱ. おしまいに

 というわけで今回は最新の邦画『Winny』について語りました。
 本作を観てとみに感じたのは、他人から著しい時間を奪うということはそれだけで取り返しのつかない暴力だということです。
 公権力は言うに及ばず、大きな組織ほど所属している人間の多さからして一人一人の労力の重みを軽視しがちで、相手方の組織が小さければ小さいほど、ましてや個人であればどれだけ致命傷となるか慮ることは難しいでしょう。つくづく警察側が原告ということの異常さを感じたところです。
 とりとめがなくなってきたので、今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。




そういや、この巨大サラザールはリメイクではどうなってるのか。
ここんところだけ当時いくらなんでもギャグ過ぎた気がしたのよね。(⦿_⦿)

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O次郎(平日はサラリーマン、週末はアマチュア劇団員)
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