最近話題のTwitter Files。
米国の3文字機関が国内を監視し、言論統制をしていた件が次々と暴露されていますが、なんと、それよりも前、去年の秋に国土安全保障省(DHS)絡みのえげつない話がレポートされていました。
この件はサナメさんのまとめ記事でも紹介されていますし、自分のまとめ記事でも取り上げていますが、元のレポートのごく一部しかご紹介できなかったので、改めて詳しく書いてみました(これでも未だ全部書ききれていないのですが…)。
<注意!!>長い、長すぎる、本当にとんでもなく長い記事になってしまいました…。長いのは無理!とか、動画のほうが好き!という方は、こちらをご覧ください…。
レポートはTwitter Filesとは別物
最初のレポートはニュースチャンネルThe Interceptのものでした。
ということで、Twitter Filesとは別のルートで入手した情報を元に分析したようです。
ちなみに、The Interceptの記事の執筆者を見ると、Ken KlippensteinとLee Fang。あれ、Lee Fangって、Twitter Filesの第8弾の人…?
そうか、だからTwitter FilesでのDHSの件は、この人がレポートしたんですね。Twitter Filesと、この内部リークは、いろいろ繋がっていそうです。
そしてこの記事を、元国務省の外交官だったというMike Benz氏が立ち上げた、Foundation For Freedom Online (FFO)というサイトで紹介していました。FFOの記事はこちら。
という感じで始まるんですが、確かに読んでいくと「おいおいおい」という突っ込みの感想しか出てきませんでした。
濃すぎる登場人物達
まず、このスキャンダルの登場人物達を見てみましょう。全員、キャラが濃いです。これだけでお腹いっぱいになると思うので、ご容赦を…
政府側:DHS
たぶん、このブラックウォーターというのは、これのことじゃないかと思います(違っていたらすいません)。軍事分野のブラックウォーターのように、汚れ仕事を民間に委託した、と皮肉っているのでは、と。
政府側:CISA(DHSの下部組織)
動画でだるそうに歩いてるのが、CISA責任者のChris Krebs。とんでもなく偏ってます。
こんな思想信条の人がCISAのトップだったとは…。
で、2020年の選挙直後に解任された、と。
解任後のびっくりな活躍は、記事の後半で…
CISAにはあの人物も
そしてCISAには、あっと驚く人物が出てくるのです。それは…
Kate Starbirdさんは後でご紹介するとして。
ビジャヤ・ガッデ!
マスク氏がTwitterを買い取った直後に、解雇されてましたよね。
Project Veritasのリークでも出ていました(解雇されたニュースの時に気づかなかった…)。
そして、どうやら、Twitterを解雇される前から、CISAにいたようなんです。うへぇ。
民間側(外注先):EIPの4つの組織
EIP:スタンフォード大学インターネット観測所
所長はAlex Stamosなんですが…
なんと、元顔本の幹部。そしてなかなかエッジの効いたキャラだったようです。
例え話も酷いし、OANNとかNewsmaxって虎さんの報道をしてくれる放送局ですよね(確かケーブルテレビ)。どれだけ目の敵にしているのか…
EIP:ワシントン大学情報公開センター
こちらの代表者もなかなかの人でした。
こんな偏った思想信条の人物の研究に、政府が助成金出してるなんて…いやはや。
EIP:CIAや狩人さんと繋がっている「太平洋評議会」さん
例のロシアゲートですな。結局何も出てこなかったけど。
そして、「大西洋評議会」さん自身もいろいろありまして。
おーっと、ここで3文字機関が登場するとは。
で、出たー、狩人さん。そんな「大西洋評議会」さんがEIPに入っていたなんて…。
さもありなん…
EIP:Graphika
げっ。Graphikaの担当者が、元顔本の幹部で、「太平洋評議会」の研究員で、NATOの報道官???繋がりすぎでしょう…
見事なまでに偏ってますね…
表向きの言い分
曲者揃いのEIPは、2020年の選挙での活動を自ら報告書にまとめて公開しています(な、なんだってー?!)。そこでの表向きの言い分はこちら。
よくもまあ、ぬけぬけと綺麗ごとを…。
ロシアゲートとの関係
CISAの設立の経緯には、どうやら例のロシアゲートが絡んでいるようです。
ありもしない「外国からの脅威」を想定し、DHS内にCISAという部門を作り、ロシアゲートが不発に終わったら、対象を「海外」から「国内」に切り替えた…ということらしい。本当にやれやれです。
CISAとEIPが2020年の選挙でやっていたこと
濃すぎるキャラたちが2020年の選挙で実際に何をしていたのか?というと。
監視AIを使ってネットワーク全体をマッピング
芋づる式に監視できるようにしたわけですね…
大量のtweetに”誤報”のラベリング
「スロットリング」とは…?よくわからんのですが、こういうことのようです。(詳しい方いらっしゃいましたらお教えください…)
ちなみに、2020年の選挙前にジャーナリスト向けに「ラベリングのトレーニングセッション」を開催していた、というんですから呆れます…
セッションの動画には、GraphikaのNimmoがいますね…
例題が虎さんの投稿ですよ。あからさま過ぎ…
まあ、これがフラグのようなものだったわけですが。
虎さんの投稿を「大嘘」認定
虎さんの投稿はこちら。
虎さんの影響力がよほど怖かったのでしょう。Kate Starbirdは、2021年11月にオンライン開催された”2021 Digital Publics Symposium(クイーンズランド工科大学メディアリサーチセンター主催)”でのKeynote講演で、これを「大嘘」の一例として挙げています。
ちなみに、FACT CHECKまでされていました…。
郵便投票を批判する投稿にフラグ
そして、この虎さんの投稿に反応して、他の郵便投票の投稿にフラグを立て始めます。
そんなこんなで、最終的に2000万を超える投稿にフラグを立てたということのようです。しかも、Twitterだけで、です。
Youtubeも…
Youtubeにもフラグ立て。
DiscordやWikiも…
いわゆるGAFAだけじゃなかったのか~…
ブラック企業のような体制で監視
いやー、ブラックですね…。
2022年の中間選挙でも…?
奥さん奥さん、EIPは性懲りも無く、2022年の中間選挙でもいろいろやってた可能性があるみたいですわよ。
あちゃー…
解任された後のKrebs氏
2020年にCISAを退任したKrebs氏。退任後もますますご活躍だったようです。
濃すぎるメンバーで民間コンサル会社とか…
流行り病も統制の対象に
2020年の選挙のあと、EIPは新たなテーマに手をつけました。
そうです、例の流行り病です。
プロジェクトのホームページに行くと、確かに見慣れた名前が…
やっぱりねーそうだよねー、という感じです。
言いたい放題ですねー…
Virality Projectのレポートでは、具体的なアカウントが「偽情報のインフルエンサー」として紹介されています。
567関係は、FFOでもまだ調査中で後で記事になるような感じでした。(Virality Projectのレポートはすいません、理解が追いつかず…)続報をお待ちください。
政府の「代わりに」言論統制していたEIP
さて、最後に。今回の件で何が問題なのか、という点です。
賢い読者の皆様にはお分かりかと思いますが、いわゆる「言論の自由」は、米国では修正第一条で保障されています。
民間企業が自分の好きなようにルールを決めるのは、まあ許される(のか…?)としても、政府は権利を守る立場です。統制なんてしちゃいかんわけです。
ですが、今回のレポートで明らかになったのは、政府側のCISAが「政府の代わりに」民間組織であるEIPに言論統制をさせていた、と。
The Interceptの記事では、このEメールを「政府側が民間側に言論統制を促している証拠」としていました(個人的にはいまいちピンとこないのは、英語的な言い回しに慣れていないからでしょうね…)。
まだまだ続く、闇深さ
ここまで長らく辛抱強くお読み頂いた皆様。ありがとうございます。
最後は、この件がまだまだネタがあるぞ、という話で終わりたいと思います。
なんということでしょう。この件はとんでもなく規模が大きくて、闇深いですね…
個人的な予想ですが、Twitter Filesと連動して、さらに記事が出そうな気がします。もし、567関係が出てきたら、頑張って書いてみようかと思います。
それにしても長かった…
最後までお読みになって頂き、本当にありがとうございました。