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kintoneのエキスパートが語る、トイレ掃除の話

トイレには神様がいて、きれいに掃除すると何かいいことがある。
昔からよく聞くこの言葉には、小さな努力をコツコツ続ける大切さが込められています。
コツコツ続けていることをどこかで神様が見ていてくれる、そんな世の中であってほしいものですね。

さて、2024/11/24に開催されたkintone Café HYOGOに参加し、
Rosso Academy 飯塚洋平さんのLTを初めて聞きました。

飯塚さんは、kintoneに関わる方をつなぎ続ける 「学びとつながりとキントーン」というポッドキャストを配信しています。
kintoneの認定資格のエキスパートを持った人や、kintone hive登壇者がゲストで登場し、業務改善やその背景、hive登壇のきっかけやその後変わったことなど、毎回ゲストの深いところの話が聞ける番組です。

その中で、飯塚さんのLTには印象的な一枚のスライドがありました。
カイゼンマネジメントエキスパート、システムデザインエキスパートを持った方とのお話を一言で紹介したものです。

▲ 飯塚さんのスライドより

こざかなさん 「kintoneは月2回の使用が7年間」
yamaさん    「こっそりありがとうアプリ」
きったん   「トイレ掃除」
ちゃんえりさん「プログラム経験ゼロからkintone hackチャンピオンへ」
ミウミウさん 「対面開発の好きなところ」

皆さんエキスパートらしいkintoneとの関わりのお話を・・・ん?

トイレ掃除のお話?

もう少しkintoneのエキスパートらしいものはなかったのかなと思いながら、昔のことを思い出していました。

▍kintone導入で変わる働き方

当社では2020年3月、新型コロナウイルス感染防止のため在宅勤務環境を整える必要があり、kintoneの導入が決まりました。

導入時の主な使い道としては、2点あります。

  • 受注・売上、発注・仕入、入出庫・在庫などのデータをkintoneに集約

  • 有給休暇や経費精算、日報などをプロセス管理で申請・報告

これにより自宅や外出先からでも会社のデータを確認でき、簡易的なワークフローを回せるようになったことで在宅勤務が可能となりました。

しかし、それまでノートや紙、Excelで運用していた社内データや申請業務をわずか1ヶ月足らずでkintoneに移行することになるため、他のメンバーには戸惑いは大きかったと思います。

そうなるとやはりこういう問題が想定されます。

「アプリ作ったのに使ってくれない」
「入力してくれない」

いわゆる「反対派」の存在です。
反対派がいるのはどこでも語られていることなので珍しいことではありません。当然、当社でも導入当時反対派の存在がネックに・・・

は、なりませんでした。

それはそれは驚くほどスムーズに、kintoneへの移行が進んでいったのです。

▍スムーズなkintone導入のカギ

当社でスムーズにkintoneの導入が進んだ理由のひとつは、「kintoneの使い方を業務に合わせて柔軟に使い分けた」ということ。

※導入当時の具体的方法は別の記事で紹介しています。

もうひとつは、kintoneでやろうと「私が」言ったこと。

私たちは「kintoneを使って業務改善をしていこう!」ではなく、「それまでじっくり進めてきた業務改善にkintoneを取り入れることで加速した」と位置づけていました。

kintone以前から様々な手段を使って業務改善進めてきた私が言ったからこそ、良くも悪くも反対派が出ずに進んだのだと感じています。

▍トイレ掃除から始まった小さな変革

さてkintone導入よりさらに前、私が製造現場から経理に異動になった今から12年ほど前のことです。
当時の業務はかなりアナログで、業務の効率も精度も高くありませんでした。しかしそれよりも私が問題だと感じたのは、その非効率な業務を「当たり前」と思い、変える必要なんてないと思っている文化だったのです。

私はとにかく何かを変えていかないといけないと思い、行動を起こしました。

ひとつはアナログだった業務をエクセルを使って製品や顧客などのマスター作りから受注・売上、発注・仕入、入出庫・在庫などをデータ化したこと。
これがのちにkintoneへの移行につながります。

もう一つが、そう、トイレ掃除です。
それまでは女性のパートさんが掃除をしてくれていましたが、その方も辞め、月一回業者が来てくれてはいましたが毎日やる人はいませんでした。
そこで私は毎日始業前にトイレと事務所の掃除をすることにしたのです。

もともと掃除は嫌いではないので苦ではなかったし、他の誰かにもやってほしいと言ったことも思ったこともありませんでした。
「誰もやらないけどやるに越したことはない」ただそれだけの理由で、毎日続けていました。

トイレがきれいなことが誰かの損になることなんてあるわけがないんですから。

▍小さな行動が生んだ変化

それからどれだけの期間続けたかははっきり覚えていませんが、
やがて周りに変化が現れました。

それまでただ見ているだけだった一人の社員から提案がありました。

「朝の掃除を当番制にして全員で回していこう」

私は何も求めていませんでしたが、私の行動を見て「自分たちも動かなくてはいけない」と思ったと言います。そしてその提案はスムーズに受け入れられ、全員参加の朝の掃除当番制が始まりました。

あれだけ変わることを拒んでいた社内の文化に、新しい風が吹き込んだ瞬間でした。

それが今では積極的に何でも、とまではいきませんが、私から何かを言わなくても自ら進んでアソシエイト試験の動画を見る人がいたり、「そのkintoneの入力俺がやっていいですか」と言ってきてくれて作業を引き継げたりと、今までとは違った文化ができていると確信しています。

「変わりたくない」「今のままでいい」という文化はどこにもありますが、誰もが心のどこかで「変えたい」という気持ちを持っているのだと思います。ただ変えないほうが楽だと思っているだけなのです。
そのわずかでも存在する「変えたい」という気持ちを何とか自ら引き出してくれた、その結果「掃除当番制」につながったのでしょう。

▍言葉の重みと行動の力

言葉には「重み」があります。

同じ言葉でも誰が言うかで、その伝わり方は変わります。

「何を言うかではなく、誰が言うか」

私はこれこそが言葉の重みだと思っています。

そして言葉の重みとは、その人がそれまでにやってきたことや、普段の意識や言動の積み重ねから生まれるものです。
つまり、どれだけいい言葉を発しても、行動が伴わなければ誰の心にも届きません。逆に、行動で信頼を築いた人は、何も言わなくても人を動かすことができます。

私がトイレ掃除を続けたことが、kintoneでやっていくと私が言った時に皆がついてきてくれたことの一つの要因なのかもしれない、と今になって思うのです。


トイレには神様がいて、きれいに掃除すると何かいいことがある。
コツコツ続けていることをどこかで神様が見ていてくれる、そんな世の中であってほしいものです。




ということで、「すごくない」kintone アドベントカレンダー 2024の記事でした。

おかげさまで今年もたくさんのアウトプットが集まりましたね!
これをきっかけにアウトプットの1歩目を踏み出した方が、2歩目3歩目とづづけていけることを願っています。

書いてくれた方、読んでくれた方、書いても読んでもないけど知っててくれた方、皆さんに愛と感謝とリスペクトを捧げます。

やっぱみんなすごいやん!!!


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