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Rocktronicというジャンルを広めたい
Epic Vanguard4作目のシングル「Dirge For Freedom」を配信リリースしました。
リリース直後、いくつかの海外の音楽メディア・ブログやプレイリストでもピックアップしていただいています。
【メディア・ブログ】
UNDERGROUND N' PROUD(ポルトガル)
EXPANSIÓN RADIAL (メキシコ)
【プレイリスト】
UNP//INDUSTRIALIZED
New Sound From ASIA
Submithub Playlist
目指したジャンルはRocktronic
基本的なジャンルは今までどおりダブステップではあるものの、ここ2年ほどRocktronic(ロックトロニック)というSpotifyのプレイリストをよく聴いていて、自分でもこういうプレイリストに載りそうな音楽をEpic Vanguardの一要素としてやってみたい、と思って、ダブステップをベースにRocktronicを意識して作りました。
Rocktronic、というカテゴリ名はSpotifyでしか使われていないようなので、ジャンルとして明確に一般普及しているのかは怪しいですが、プレイリストに30万人以上がいいねしてるので、一定需要のある音楽性なんだろうなと思ってます。
なのでRocktronicがジャンルという仮定で解説すると、Rocktronicの音楽的な特徴は、
Rocktronicの音楽性
ダブステップかフューチャーベース、またはドラムンベースが主体になっていて、それにロック・メタル系のギターサウンドやボーカルが加わってる=サウンド面でのクロスオーバー
サウンド的にEDMの影響が強く見えるロックやメタルバンド(シンセの使い方、ヴァース→コーラス→ビルドアップ→ドロップという曲構成など)=バンド音楽文脈
メタルバンドの楽曲をEDMプロデューサーがリミックスしたもの=EDM文脈
という感じで、こういう傾向をまとめて「Rocktronic」と呼んでるようで、どちらかいうとボーカルを主体にした曲がほとんどになっており、アーティストとしてはIllenium、Dabin、Sullivan King、Kayzo、Phase Oneなどの名前をよく見かけます。あとは大御所ドラムンベースバンドPendulumもここに入ってきます。
例えばBeatportだと、プログレッシブハウス、ビッグルーム、ミッドテンポを総称して「メインステージ」という謎ジャンル名があったりするので、EDM界隈のジャンル名ってもはや制御不能、名乗ったもん勝ちな部分もあると感じてるんですが、
プラットフォーム上でこういった呼称が存在していると、こちらも意識したいターゲットがある程度見えていいなと思う面もあります。
Rocktronicに話を戻すと、IlleniumがたまにSpiritboxやI Prevailのようなメタルコアのバンドとコラボして曲を作っていることがあって、それらはとりわけよく聴いていました。
今回の新曲「Dirge For Freedom」は、このへんの曲を意識しつつ、自分流にRocktronicをやるとこうなる、という感じで作りました。
ゲストボーカルを現役のメタルバンドの人にお願いできた
本格的に作ろうと思ったきっかけは、去年の年末にEpic Vanguardにゲストボーカルで参加してくれる人を探していた時に、In Denialやいくつかのメタルバンドで活動しているKentさんというボーカルの方と知り合えたのが大きいです。
最初に参考として聴かせてもらった曲がこれで
とても世界観がしっかりあって、テクニカルで、ボーカルも吠えてて、元々ジェント系のバンドが好きだった僕は一発で好きになってしまい、そのまますぐにボーカル録りをKentさんにお願いして実現できました。
(制作中の時期にIn Denialのライブも1回観に行ったんですが、しっかり楽曲再現されててレベル高かったです)
歌入れをお願いしてるKentさんのバンド In Denialを観に初アンチノック。
— ochi (@pigeons_tail) February 11, 2024
テクニカルで世界観あってガッツリメタルコアという、個人的好みどストライクなバンドなんで、楽しかった!
In Denial、カッコいい曲ばかりなんで聴いて⬇️https://t.co/fdJKweCosk pic.twitter.com/UAMxUhO2as
Epic Vanguardはこれまで2作歌ものを出してますが、どちらも女性ボーカルのメロディアスな感じだったので、どこかのタイミングでパワフルな男性ボーカルの曲も出したいなあと思っていたところ、いきなりこんなガチな人に歌ってもらえて嬉しかったです。
曲のテーマは「運命を変えるための時間移動」
という感じでコンセプトを考えてました。
普段歌ものは僕が自分で歌詞書くことが多いんですが、今回は歌詞もKentさんにお願いしていて、平たくいうと映画の「ターミネーター」のようなストーリーで(仮タイトルも「John Connor」だった)、「終末戦争を題材に窮地で抗う」というお題だけ伝え、あとはKentさんの感覚にお任せしました。
そしたら、バッチリコンセプトどおりのものが返ってきて感激でした。
「未来から時間を遡って主人公を助ける」というコンセプト繋がりでFateシリーズも同じことが言える、というKentさんからの提案も反映された歌詞で、こういうアイディアのキャッチボールが出来るのがコラボの醍醐味だよな〜と思いました。
歌ってくれるだけの人ならたくさんいるんですが、ただこっちが指示したとおりに歌って終わりじゃなくて、どうせ参加してもらうなら曲の世界を一緒に作ってくれるような人が理想だったので、初めてのタッグと考えるととても良いケミストリーが生まれました。
(歌詞はYouTubeに上げているDirge For Freedom動画の概要欄に載せているのでぜひ見に行ってもらえると嬉しいです)
ちなみにタイトルの「Dirge For Freedom」とは「自由への哀歌」という意味で、未来からタイムスリップして自分の運命を変えるというのは、支配されている現実から逃れて自由を手に入れるという目的があるからだろうと考えてつけました。
Epic Vanguardはディズニーランドみたいになりたい
最近、人と話している中で出てきた言葉で「Epic Vanguardはディズニーランドみたいになりたい」というのがあり、どういうことかというと、
Epic Vanguardという名前の元に色んな音楽性があって、でもサイバーでファンタジーという雰囲気で全てまとまってる、という姿が理想だな、という意味です。
ディズニーランドの在り方がその状態に近くて、アラジンとリトルマーメイドは全然コンセプトの違う作品だけど、「夢と魔法の国=ディズニー」というブランドの中に併存している、みたいなそんなオムニバス的な音楽の多様性があるといいなと考えてます。
なので、今回みたいなRocktronic曲もあれば、「Alpha Ignition」のようなメロディックダブステップ直球の曲もあり、
「Lost Eden」のようなオーケストラが入った曲もあり、
それらが全てEpic Vanguardという範疇の中でエリアとして存在していて、それぞれのエリアで適したボーカルやゲストプレイヤーを招いて作っていく、というのがEpic Vanguardの今後の在り方と考えています。
同じことだけひたすらやり続けるのは苦手だし、基盤になる音楽性はありつつも、元々その時々で興味のあるサウンドやジャンルを取り入れたいタイプなので、自分の気質としてもそういう活動の方がいいなと思いました。
というわけで、新たにできたRocktronicエリアの最初の作品「Dirge For Freedom」をぜひいっぱい聴いてほしいです。