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「Rise Above」全曲セルフ解説&歌詞&クレジット

ochiによる全曲セルフ解説

1.Myself

この曲は、自分が19歳くらいの時に初めてフルコーラスの作曲とアレンジをした、自分作曲第一号作品なのです。

何度かライブでもやったことがあり、初演から数えて20年近い期間の中でいくつかのバージョンがあるんですが、今回アルバムという形で残すならこの曲も入れておきたいなと思って、2020年版としてセルフリメイクしてみました。

ごく最近のバージョンだと、UZUSHIOというバンドをやってた時にこんなアレンジでやっていました。

この時はエモパンク系というか、ちょっと洋楽に寄せたテイストだったんですが、今回はもっと90年代感を出したくて、アレンジとギターを、ギタリストの松田貴嗣さんに、作詞とボーカルを13ゲルニカさんにお願いしました。

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Vocal : 13ゲルニカ

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Guitar & Arrangement : 松田貴嗣

ピアノの印象が強かった前作のアルバムと比べて、今回はどの曲もギターが前面に出ているので、いっそアレンジもギタリストに丸ごとお願いした曲があってもいいなというのもあったし、個人的に松田さんのロックスタイルのギタープレイが好きだったこともあり、お任せした結果、松田さんのおかげですごくギター曲になったと思ってます。
また、今回の全曲のマスタリングも松田さんにお願いしていて、曲に壮大さを加えてもらえて、その出来に感動しました。前作でもかなり彼に頼りましたが、ものすごく親身に対応してくれるのでおすすめです。

ボーカルのゲルニカさんは、w-mのサポートをしてた時に、w-mのサウンドアドバイザーのような役割で参加していたところで知り合いました。最近は彼のバンドのライブサポートをやらせてもらったり、世代も近くて通って来た音楽に共通点があったり、何より、彼の昔のライブ映像を観てアグレッシブなボーカルスタイルがカッコよくて、お願いしたらやってくれるかなあ…と声をかけてみたら快諾いただけたという流れでした。

Myselfは曲調的に普段のゲルニカさんのスタイル、という感じではないんですが、ゲルニカさん自身のオリジナルもすごくクオリティ高く、ハードでカッコいいのでぜひ聴いてみて欲しいです。(あと、彼のinstagramもセンスフルなので必見です!)

曲のテーマは「自分を超える」というもので、ゲルニカさんらしい刺さる言葉を随所に入れてもらい、過去の挫折や後悔を乗り越えるようなストーリーになっています。

Myself 歌詞

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※4/1にリリックビデオ公開しました↓

2.Anxiety

この曲はすでにシングルでリリース済みの曲です。

Sister Leyのギタリスト、オオシマトモヒロさんをフィーチャーしたラップ+ハードロックに、マーカスミラー的なスラップと、00年代に流行ったミクスチャーにはなかったミクスチャー感覚で作った曲です。シングルとして単品で聴くのと、アルバムの中の1つとして2曲目という流れで聴くのだと印象違いますね。最近ではオオシマさん自身のライブでもこの曲をやってくれているみたいで、それも嬉しいです。

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Guitar & Rap : オオシマトモヒロ

この曲はシングルの状態からいじるところがほぼなかったのでミックスバランスはシングルの時のまま、マスタリングだけ他の曲と合わせる形でやっています。

また、今回のアルバムのアートワークとMyselfのリリックビデオもオオシマさんにお願いしていて、自分では出ない発想の作品を作ってくれました。

曲のテーマは「不安を超える」というものを第三者視点で書いてもらっていて、オオシマさん独特のワードセンスがとても好きです。

Anxiety 歌詞

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3.Solitude

この曲は、もうかれこれ2年くらいサポートさせてもらってるバンド、波紋のメンバー全員に協力してもらってできました。

波紋

R to L / Vocal : サイトーヨーダ Drums : 和也Rainbow Guitar : 松田貴嗣

Solitudeは、元は前作のSound Sphereの時に書き下ろしの新曲として用意していて、結果的にMistralを収録することになったので途中で差し替えた曲なんですが、何らかの形で出せないかとずっと考えて、今回歌ものとしてリアレンジしてみました。

で、元々インストで想定していたメロディーなのでボーカルのサイトーヨーダさんには結構ご苦労をかけてしまったようです…。(というか今回の曲のうち、ラップのAnxiety以外は歌い手さんからは、音が飛びすぎて難しい、と言われたメロディーばかりでした)

この曲のイメージは、ソロになってからのスティングでした。Englishman in Newyorkとか、Fragileとか、ああいうメランコリックな男性ボーカルの大人の歌ものに憧れがあって、そういう系統に振り向きつつ、他の収録曲とのバランスを取ってロック色も混ぜています。

ドラムはこの曲だけ生で、前作でもSpiral Passageなどで圧巻のドラミングを披露してくれた和也Rainbowさんが叩いてくれてるんですが、「誘ってもらった作品ではあるけど、何らか自分が参加した爪痕を残したい」と言ってくれて、ちょっと変わったリズムパターンを提供してもらいました。(その後、ベースラインは結構苦労したんですが)「ベースプレイヤーのソロアルバム、というならリズム凝らなかったらダメでしょ」という和也さんの言葉で、凡庸な歌ものソングではない、それでいて落ち着いたアダルトな雰囲気がする、とても波紋らしいアレンジになったと思います。

曲のテーマは「孤独を超える」というもので、周囲から理解されない孤独を乗り越えようと葛藤する人のことを歌ってもらっています。

Solitude 歌詞

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4.Until Dawn

以前やっていたZenith In Nadirというメタルバンドに提供した曲です。そのバンド自体はメンバーが引っ越してしまったり、時間が合わなくなったりして頓挫してしまってるんですが、この曲自体はものすごく気に入っていたので、お蔵入りしたままなのが惜しくて今回どうしても入れたい曲の1つでした。

イメージは00年代の洋楽のネオグランジ系というか、ニッケルバックだったり、日本でいうとPay money To my Painとか、海外進出した頃のDIR EN GREYとか、そのあたりのバンドがやっていた重くて壮大な雰囲気がする歌ものヘヴィロックという感じで、この曲を作った2015年頃にその手の音楽をひたすら聴いていた時期がありました。

で、今回Until Dawnを録ろうと思った時、ダークでヘヴィな、でもその中にポジティブさを秘めた音楽なら、歌ってもらうのはw-mの石濱さんにぜひお願いしたいと思って、頼んでみたら快く引き受けてもらえました。

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w-m (Vocal & Guitar : Kyohei Ishihama)

w-mは2019年にアルバムツアーのサポートメンバーをやらせてもらって以来のお付き合いで、音源のクオリティの高さやボーカル&ギターの石濱さん独特の言葉のチョイスやギタープレイがすごく好きで、絶対この曲に合うだろうと思ってお願いしました。

収録曲中、メロの音数が一番少なく、英語詞を想定して作った曲なので、石濱さんから「日本語で歌いますか?それとも英語?」と聴かれた時は「英語詞で!」と即答しました。キーを石濱さんに合わせた以外はギタープレイも含めてデモに忠実にやってもらいましたが、歌詞の世界は完全に石濱さんで、「永遠に明けないように感じる夜を超える」というテーマで時が来るのを宵闇の中で待ち構えて、決して諦めない心持ちが綴られています。

英語なのでw-mの普段のイメージとは違う、でもしっかり石濱さんの世界観、というちょっと不思議なバランス感覚が何度聴いても素敵な曲になりました。

特に気に入っているのはギターソロで、一瞬の静けさの後にとめどなく音が溢れ出るようなエモーショナルなソロが、闇夜を切り裂く夜明けの日光のように感じられてこの後の曲に繋がるストーリーが出来たと思っています。

Until Dawn 歌詞

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5.閃光

この曲はSound Sphereの1曲目に入っていた「Light Line」のボーカルバージョンです。元々歌ものとして考えていたものを、先んじてインストにして出していたので、今回のバージョンが一番最初に自分が想定していたものです。

Sound SphereでのバージョンはTelacoさんによる、エレクトロ・コズミックファンクというアレンジコンセプトでしたが、今回は青空の下のフェス会場が似合う、四つ打ちダンスハードロックにしました。

歌は、昔あるイベントで対バンしたUndivided Emotion Effectsというバンドのボーカルで、今はNNT=616というバンドで活動しているTasukuさんにお願いしました。キーが高かったので、この曲ならハイトーンが得意なTasukuさんに頼むしかないと思い、結果、すごくキャッチーなロックソングになっています。

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Vocal : Tasuku

前作Sound Sphereは、明るく始まって暗く終わる曲順だったんですが、今回はそれを逆にしたいと思って、Until Dawnの後にこの曲が来るのは最初から決めていました。Solitudeが夕暮れで、Until Dawnが真夜中、そのUntil Dawnのギターソロで日の出、そして日の光に溢れて「閃光」、というのがこのアルバムの流れとして特に自分がこだわった部分です。

ちなみに、個人的に色々曲を作ってはきましたが、日本語タイトルは今回初めてつけました。インストバージョンであるLight Lineとは区別したかったのと、「光=眩しいくらい憧れる存在を越えようとする人」というテーマで考えていたので、「閃光」になりました。

閃光 歌詞

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というわけで、Sound Sphereでソロアルバムデビューして1周年の企画として作った、Sound Sphereのもう1つの姿で、自分が好きなロックをいっぱい詰め込んだ作品で、自分が共演してきたミュージシャンに手伝ってもらって出来た「Rise Above」。

ただ曲を並べた訳ではなく、5曲全体を通してストーリーがあって、そのストーリーを成立させるために必要な人に1曲ずつお願いしたので、今回の5組のうち、1人でもNGが出たらこのアルバムは成立出来ませんでした。幸いにも全員引き受けてもらえて、真摯に音楽に取り組んでいる人達に恵まれていることを幸せに思います。

収録曲順がほぼ、作った年代の古い順でもあるので僕の音楽性の時間的な変化が見える作品であり、僕はこういうベース弾きます、という名刺代わりの2作目であり、自分の曲でどうしても聴いて欲しいものを厳選したパッケージでもあり、僕が一緒にやってるミュージシャン、アーティストで、カッコいい人を他の人にも紹介したいという気持ちもあり、色んな思いのこもったアルバムになりました。

参加してくれた5組のアーティストが好きな方も含めて、ぜひ多くの人に楽しんでもらえたら嬉しく思います。

アルバムクレジット

Compose & Produce: ochi[all songs]
Arrangement: ochi[#2,4,5] ochi & 松田貴嗣[#1] ochi & 波紋[#3]

Bass, Synthsizer & programming: ochi [all songs]
Vocal & Lyrics: 13ゲルニカ[#1] オオシマトモヒロ[#2] サイトーヨーダ[#3] Kyohei Ishihama[#4] Tasuku[#5]
Guitar: 松田貴嗣[#1,3,5] オオシマトモヒロ[#2] Kyohei Ishihama[#4]
Drums: 和也Rainbow[#3]

Mixing: ochi
Mastering: Takatsugu Matsuda (RECer)

Art Work:オオシマトモヒロ


※前作の「Sound Sphere」も好評配信中!




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