『コーヒーと日本人の文化誌』
Coffee Life in JAPAN
世界最高のコーヒーが生まれる場所
メリー・ホワイト 著
有泉芙美代 訳
なんとも壮大なタイトルの本で、そのタイトルに惹かれて読むことになったのだからタイトルの勝利ということになる。
アメリカ人から見た日本の喫茶店のお話で、日本の喫茶店のマスターの神業が新しいコーヒーを生み出すということらしい。
アメリカでは焙煎も抽出も遠い昔に、すべて捨て去り工業製品としてのコーヒーを飲んでいるのだから日本スタイルの喫茶店でのハンドドリップ・コーヒーは物珍しいし新しいと思うでしょう。
ブルーボトルコーヒーは日本式の喫茶店をお手本にしたと聞いたことがある。
ずいぶん昔にテキサス州ダラスに行ったことがある。モーテルではフロントにコーヒーサーバーが置かれていてコーヒーは水と同じように無料でふるまわれていた。その時のアメリカの会社でも給湯室にはコーヒーサーバーが置かれ、最後の一杯を飲んだ人はサーバーにコーヒーの粉入りの袋を放り込んでスイッチを入れておくのが決まりだった。
コーヒーを淹れるのは面倒で時間がかかる。そのためどんどん楽な方法を開発して気軽に飲めるようになってきている。でもそれは工業製品であって、私の好きな漢字で書かれる「珈琲」とは違うものだと思う。
アメリカやヨーロッパではエスプレッソマシンやフレンチプレスが多いのに対し日本はバンドドリップが主流になっている。
この様に書かれているが、これは水の影響が大きいらしく、軟水と硬水では同じ豆でも抽出濃度が異なるようだ。硬水はコーヒーのエキスを充分に抽出することができないため、プレス式が主流になっているとも伝え聞く。
東と西に分かれていた頃のドイツに行ったことがあるが、硬水に慣れていないため歯磨きもつらかった覚えがある。そのうちに、硬水を買ってコーヒーを淹れて見よう。
日本はアメリカからコーヒーを学び、その方法を磨いてきたが、アメリカから見ると新しいものに見える。
ヨーロッパから見た日本のコーヒー道はどの様に映るのだろうか。
コーヒーの歴史や日本独特の喫茶店の話が沢山書かれていて新しい発見もありました。
それても、コーヒーを飲むために喫茶店に行く事は無いでしょう。喫茶店やカフェに行く目的は雰囲気と流行の確認ですね。
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