ミハル

18歳 フィクションと青春実録の織り合い

ミハル

18歳 フィクションと青春実録の織り合い

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死にたいと願うクソ共よ

 17歳。高校2年生です。  死にたいと喚きながらも深夜11時の夜道、10歩に1回後ろを振り返りながら足早に家路を辿るお前。ウキウキしながらツイッターで他人を攻撃したのに、思った通りの反撃が来ず撃沈する中学2年生のお前。そしてそれを定期的に思い出して頭を抱える数年後のお前。最近知った有名若手バンドのライブに初めて行ったくせに「昔の方が良かった」とか言っちゃうお前。毎晩リスカ画像をセンシティブ設定もせずあげてしまうお前。死にたいとか1度も口にしなかったくせに渋谷のビルから飛び

    • 裂帛

       あの一瞬と踊る。   湖、水面の膜を水鳥の羽根が切り裂く。腐乱したそれがただただ青くて、水底からト短調が泡となり芽吹き、その腐乱が死を意味することを知る。届いた別れの手紙の封を、別れの手紙なのだとしても、鋏の刃を綺麗に拭って真っ直ぐ切る。僕たちは何もできない。分かりきった悲しみはすぐに身体への伝達を行い、爪先の脆さにて始まりを示す。ふとした瞬間右耳がこの世界から離れ、代替の電子音を刺す。右側から話しかけないで。もうすぐ帰ってくるので、それまで聞こえないから。水鳥、目から流

      • フィクションと青春実録の織り合い

         母親に、もし離婚するってことになったらどうする?と聞かれ、お母さんについて行くよ、と言った。わたしに与えられた0.5秒の間に、沸々と湧き上がる複雑な感情から1番近い場所にあるものを掬い上げ、放り投げて目を逸らした。それの行方は見届けていないけれど、恐らく母親のひとつの錘(カルトン上の文鎮や、本の栞などの重り、印。または、布団に形取られた人間のいた形跡、沈没)となり、残り粕が地面に落ちて僅かな隙間に溶けて行くのだろう。50m続くでこぼこの地面は男性の喉仏を彷彿とさせた。昨日出

        • 東京少年倶楽部

           2023年2月3日 新代田のライブハウスFEVERにて開催された、Cody・Lee(李)×東京少年俱楽部 presents「GARAM MASALA FIGHT CLUB」をもって、東京少年倶楽部のギター、Gyaryが脱退した。この対バン帰りの満員電車で浅く呼吸をしながら、17歳の女子高生が先ほど摂取した高揚感だけを頼りにがむしゃらにこれを書いている。ライブ中に大号泣をかまして、離脱したマスカラが目の中に入ってしょぼしょぼするけれど、熱が体から消えてしまう前に残しておきたい

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        死にたいと願うクソ共よ

          邪道と逆張り

           前向きな音楽を聴きたいわけではない。かと言って、死にたいなんて後ろ向きな音楽を聴きたいわけでも、死んでやる!なんて投げやりな音楽を聴きたいわけでもない(あいつらはどうせ死なないんだ)。陽気な海上の歌も流さないでくれ、コリアンミュージックも聴きたくない。昼間の下北沢で売れない芸人の一行が古着屋通りを通せんぼしてチラシを配っているよ。声がデカい人間は下北沢に似合わない、そんなことを言ったらあそこにいる大学生の群れはどうなるんだよ。紅茶が入っているカップの縁に付いた口紅を親指の腹

          邪道と逆張り

          どこにも行けない気がしてる

           デケー音しか出すな。間奏で自己陶酔叫んでたくせに曲終わった瞬間前髪直すな。ついてこいって言ったのに宗教作るだけ作って急にいなくなんな。加工で育つな。電車で1個空きに座れないような位置に座んな。巻き髪触んな。風吹くな。マックでスマイル頼むな。女々しい曲書いて浮気すんな。ほしい物リスト載せんな。下品とやんちゃ履き違えんな。分かりにくい愛示すな。バンド垢で女漁んな。女もバンド垢で自撮り載せんな。不健康アピールすんな。ハングル文字でプロフィール書くな。簡単に誠意とか言うな。ダセー事

          どこにも行けない気がしてる

          わたしの2022ってしょぼ

           2022年終了まで片手で足りるほどになった。クリスマスが終わって年越しを待つしかなくなって、いつも見てもないのに今年はガキ使がないことを思い出したりして、マフラーを巻いても寒くなって、冷たい手を繋いでくれる人がいたりいなかったりして、とりあえず、今年が終わるぞと行く場所行く場所で教えられているわたしたちは、今頃同じことを考えている、おそらく。 何もしてないねと話しながらも、やはり考えているのではないか。というか絶対考えている。   わたしもその現象にまんまと乗っかって、ひと

          わたしの2022ってしょぼ

          わたしってだいぶラブリーな女なんですという話

           わたしってだいぶラブリーな女なんです。わたしのラブリーさを100として、100分かっている人間はこの世にもあの世にもいないでしょう。わたし自身もわたしのラブリーさを100分かっていないのです。残りの人生で分かりきれるといいなと思うけれど、ラブリーさが年々増築していって結局分かりきれずに死んでゆくと思います。  なぜ急にこんなおかしなことを言い出したのかと言うと、わたしはあまり長生きしなさそうだと思うからです。事故なのか事件なのか、自殺なのか他殺なのかはまるでわからないけれど

          わたしってだいぶラブリーな女なんですという話

          誰にも見つけられない星になれたら

           iPhoneを購入すると付いてくるイヤホンはどうにも私の耳の形に合わなくて、音量を少し大きくしようもんならすぐに音漏れしてしまう。だけど私は図々しい女なので、そんなことは気にせず音量ボタンの上の方を連打する。イヤホンからandymoriの「誰にも見つけられない星になれたら」が流れている。多分音漏れしすぎて、スピーカーみたいにすれ違う人々にはっきりと聴かせてあげられてると思う。andymoriはもういないけれど、私がまだ生かせてあげるよ。  今日は、私の親友の角ちゃんの話を

          誰にも見つけられない星になれたら

          I hope I die before I die.

           死にたいやらの類と離れることは不可能である。昨日梅田のビルから飛び降りた地下アイドルは、死にたいだなんて思っていないのだ。死ぬと思ったのだ。死にたいと思えている時点で生きるのだ。生きてしまうのだ。もし殺してくれと渋谷の中央で叫んだとして、殺してやりましょうかとかいうおかしな人間が本当に現れたとしても、できるだけ痛くしないでなんてばかげたことを口にするのだ。痛みを通れない人間は必ず生きるのだ。食べものがなくなって身体に限界が来たとしたら、どんなに汚くてもこの水を飲むしかないと

          I hope I die before I die.