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アルコールと認知症
私の父も認知症でした。ひとさまのご家庭のことは分かりませんが、酒癖の悪い父でした。あれだけ酒を飲んでいれば、いずれ身体どうにかなっちゃうだろうなぁと思った訳です。
あくまでも中年の独り言だと思って読んでください。
アルコールは認知症の原因となるのか?
ここでアルコールは認知症の原因となるのか?についてお話したいと思います。結論から言うと、未だにヒトにおけるアルコールと認知症の関係は不明だそうです。
しかし、幾つかの可能性が指摘されています。
①アルコールの長期多量飲用が中枢神経に与える悪影響はすでに動物実験において確認されています。つまり生物学的にはヒトに影響を与える可能性が示唆されています。
②ヒトにおいて、アルコールによる直接的な影響は確認されていませんが、飲酒によるビタミンB1欠乏などの栄養障害が、血管性のリスクを高めるという報告があります。
特に脳血管の障害は認知機能に大きな影響を与えます。
その他アルコールによる肝障害や転倒による外傷など、間接的に健康を害するリスクは高まります。
それから、アルコールで人間関係を失うことって、良くありそうですよね。お酒で失敗する人は、少なからず自己嫌悪になります。気持ちが落ち込んだり、孤独を紛らわせたくて、やっぱりアルコールに頼るようになって…。
そうするとさらにアルコールを乱用するようになり⇒さらに社会的孤立し⇒そしてアルコール依存症が発見されづらくなり⇒、さらに事態が深刻化する、ということもあるでしょう…。
そういえばうちの父も引きこもりの酒飲みだった気がします。
アルコール乱用における認知症の割合は10~24%という報告があります。
これは決して少なくない割合だそうです。
アルコールを飲んでよいことはあるのか?
それはきっと良いこともあるでしょう。実際お酒を飲むのを楽しみにしている人はたくさんいますし、私も好きですし(汗)。
たとえば低濃度アルコールはアルツハイマー病やパーキンソン病の原因を抑制するとの報告もあります。アルツハイマー病はご存知のとおり、認知症の代表疾患です。
さて、ヒトにおいてアルコールの毒性が直接的に認知症の発症の引き金となるか?については未だに不明ですが、アルコール乱用、長期多量飲用によって様々な健康上、あるいは社会的リスクが高まり、それらの中には認知症にも結びつく可能性もあるでしょう。
アルコールについて良い効果が書かれている文献もありますが、かといって、アルコールを健康のためにお勧めする、という訳ではありません。この辺は文献でも注意喚起されていますので、くれぐれも「百薬の長」的お間違いはなされないよう、お願いいたします。(もちろん、一滴も飲まない方が良いって研究もあります。)
ただ、「百害あって一利なし」という訳でもないようですね…(*´з`)
ほどほどが一番なのでしょうね。なにごとも。とほほん。
(参考文献)
松下幸生 「アルコールと認知症のさまざまな関係」,第21回近畿老年期認知症研究会,2016年7 月 16 日