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認知症ってなんだろう?
こんにちは。
私たちリハビリに携わる者は認知症の方を対象にすることが多く、私もフィールドワークとして認知症の研究をしておりました。
認知症について私自身が理解しなければならないことをまとめたり、私自身が経験したり、感じたりしたこと、最近わかってきたことなどを書いていけたらいいなと思い、はじめてみました。
今回は認知症のキホンについて、知ってるつもりで通り過ぎてきたこともあるかもしれないので、もう一度学びなおしてみようと思います。
※ここでは障がいは「障害」という表記になっております。
1.認知症とは?(中核症状)
文献によると、認知症とは脳の障害により複数の認知機能が病前よりも低下し、自立した生活を妨げる状態であるとされています。
ここでいう認知機能とは以下のものです。
言葉が難しいと思いますので、それぞれがどのような機能なのか説明をつけ加えます。
① 注意・遂行機能
・ふたつ以上の物事を同時に考えたり、行ったりできる。
・計画や段取りを決めておこなうことができる。
② 学習と記憶
・新しいことを覚えられる。
・覚えたことを頭の中に留めていられる。
③ 言語
・考えていることを滑らかに話すことができる。
・他者や自分自身が話していることを理解できる。
④ 視空間知覚
・見たものが何であるのか認識できる。
・見えるものを正しく認識できる。
⑤ 社会的認知
・自分自身の社会の中での位置づけを認識できる。
・今がいつ、ここがどこで、自分が誰なのか認識できる。
これらの認知機能が障害されてしまうのが、認知症のいわゆる「中核症状(中心的な症状)」です。
ちょっと難しい言葉なのかもしれませんが、認知症は今まで当たり前にできていたことができなくなり、生活を営む上で手助けが必要になる状態です。。。
2.認知症の周辺症状
認知症の周辺症状のことを行動・心理症状とよんでいます。
私たちはよくBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)とよんでいます。
前述の認知症の中核症状である認知機能の障害を背景として、環境やそのときの状況によって出現したり、しなかったりする症状です。
以下が主なBPSDの症状ですそれぞれまた説明を付け加えます。
① 性格の変化
・暴言、暴力などの攻撃的な言動。(攻撃性)
・セクハラ、性に対する欲求が抑えられない(性脱抑制)。
・無気力、興味関心の減退。
・不潔行為(弄便、オムツいじり)
② 気分・心理状態の変化
・わけもなくイライラする。落ち着かない(不穏)。
・不安や焦燥感がある。
・うつ的になる。
・妄想(何かがなくなったなど)
・幻覚(誰かが悪口を言っているなど)
③ 行動の変化
・徘徊(目的なく歩き回る)
・眠れない、寝つきが悪い。
・早朝に目が覚める、日中はうとうとしている。
・生活場面での失敗。
・失敗に対する否認、取り繕い。
・周囲の支援の拒絶
④ 身体状況の変化
・よくわからない痛みがある。
・便秘がち
など、さまざまな症状がみられます。
そのほかにも、食欲不振や異食行為(食べ物ではないものを食べる)によるやせ、消化器系の障害、徘徊、不穏行動による転倒、外傷など、BPSDによって引き起こされる障害は非常に多く、人間関係のトラブルなど、社会的変化も非常に起こしやすく、そのぶん介護は大変になっていきます。
3.認知症の非薬物療法
先ほども書きましたが、BPSDは環境やそのときの状況によって出現したり、しなかったりする症状です。
つまり、環境や状況によってはコントロールできるかもしれない可能性のある症状ということになります。
もちろんBPSDに対して、有効性が報告されている薬はいくつかありますが、まず薬物療法を開始する前に 、対象者の環境や状況をしっかりみてあげることが大事だと言われいます。
また現在、お薬に依らず、BPSDの症状軽減をさせることを目的にさまざまな試みがなされています。(非薬物療法)
以下がその一例です。
・音楽療法
・回想法
・リアリティー・オリエンテーション
・作業療法
・パーソン・センタードケア
・ユマニチュード
◇
いかがでしたでしょうか?私の備忘録的なものなので、お役に立つ情報ではないかもしれませんが、今リハビリで実践している方法なども、いずれご紹介できたらと思います。
<つづく>
(参考文献)
(1)内山 靖 総編:今日の理学療法指針,医学書院,2016
(2)一般社団法人 日本神経学会:認知症疾患治療ガイドライン 2010